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「さっき自己紹介したとき私、なんて言ったか覚えてる?」

「神楽桜です。 だろ?」

「違う、違う。刻印がリンクしてからの自己紹介!天空学園、刻印部って言ったでしょ?」

「刻印部って何だよ?」

「刻印者だけが集められてるんだよ!といっても一ノ瀬君を入れても6人だけだけどね。百聞は一見に如かずって言うでしょ。とりあえず付いてきて!」

桜が強引に俺の腕を引っ張る。以外と力強いな。か弱かったのに、昔は。桜が俺を引っ張って行った先は、校長室の端っこ。何やらドアのものがある。桜はそこにカードキーを当てた。すると、ドアが自動で空いた。

「どう?すごいでしょ!」

桜が自慢してくる。

「わしがつけたんじゃがの。」

後ろの方でおじいちゃん校長先生が言った。どうやら、孫バカを少し患わっているようだ。

「いいの!でも、ありがとおじいちゃん!制服、よろしくね!」

そして、桜もおじいちゃん大好きっこの様である。

開いたドアの向こう側は、大きめの玄関みたいになっていた。正面には、大きな階段が二つ。目の前に幅の広い廊下がある。学園物でありがちな学生寮みたいな感じだ。

「桜~」

誰かがこちらに向かって歩いてくる。正面の階段の右側から女子が下りてきた。かなり茶色い髪の毛は、後ろで一つに結んでおり、瞳は綺麗なオレンジ。丸っこい瞳は優しそうだが、性格の為か釣ってしまっており、キツめな印象。桜と同じ制服を着ているが、ネクタイの色と中のチョッキの色が違った。桜のは、ピンクのストライプのネクタイとピンクのチョッキだが、彼女のネクタイはオレンジのストライプでチョッキはオレンジ。襟の所のバッチも、正方形。それに、ワイシャツのボタンを一番上までしっかり閉めていて、そのうえ、ネクタイもきっちり結んでいる。真面目タイプの様だ。

「七瀬~!聞いて、聞いて!」

桜は一気にハイテンションになる。まるで、大好きなお姉ちゃんが学校から帰ってきて、凄いうれしい!っていう妹みたいだ。

「もしかして、対の・・・」

「聞いて、聞いて!」で理解するなんて以心伝心もいいところだ。このやり取り、聞いてことあるんだよな。まるっきり同じというわけではないけど、よく似た光景を知ってるんだよな。

オレンジの瞳・・・茶色の髪・・・オレンジ・・・茶色・・・オレンジ・・・

「あっ!」

思わず声に出してしまった。七瀬がこちらをギロリとにらんだ。ヒィ-怖い!この視線の感じといい、おそらく・・・

「山崎七瀬・・・」

「あなた、なんで私の名前を知ってるんですか?」

鋭い声が飛んできた。非常に威圧的である。

「勘?」

前世の記憶があります、なんて言ったら今でも不審者扱いなのに余計にひどくなるに決まっている。ここは、勘ということにしておかなくては。

「苗字なんて、いくつもあるのに勘なんかで当たるわけがないですよね。そもそも、私あなたのこと何にも知らないんですが。名前を名乗らないような人に、自分の名前が知られている。凄く不愉快です。」

あー怖い怖い。なんなのこの人。怖すぎる。



お読みいただきありがとうございました。

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