モテない男の悩み
「ちきしょう、またフラれてしまった」
もうこれで何度目だろう。おれは合コンで知り合った女の子をデートに誘ったのだが、他の人とお付き合いを始めたので、ということで見事に断られてしまったのだ。そんなわけで、おれは友人のユースケを誘って、行きつけの居酒屋でヤケ酒を飲みながら愚痴をこぼしていた。
「まったくどいつもこいつも、ちょっと自分が美人だからっていい気になりやがって。イケメンのヤロウには媚びばっかり売ってるくせに、おれみたいなイケてない男には見向きもしない。ああ、世の中はなんて不公平なんだ」
そのときの合コンは男女四人ずつで、男の方は超イケメンとまずまずのイケメン、いまいちな男と全然イケてないおれの四人、女の方もなぜか同じように超美人のエリナ、まずまずの美人でかわいいアミ、いまいちのサトミに超どブスのブスコいやヨシコの四人だった。最後の超どブスのヨシコは美子と書くのだが、これほど名が体を表していない例はないだろう。
美人のエリナとアミはイケメンの男たちとばかり話をして、おれはまったく相手にされなかった。しかたなくおれは残ったサトミとブスコ、いやヨシコと話をして適当に場を盛り上げ、その二人からなんとかメアドを聞き出した。そしていまいちのサトミをデートに誘った結果が、このありさまだったのだ。
「おまえ、ちょっと高望みしすぎてるんじゃないか?」
ユースケは女どもに対するおれのさんざんな悪口を一通り聞いたあとで言った。ユースケもおれと同じくイケてないやつだが、なぜかケイコちゃんという彼女がいる。
「おれのケイコなんかちっとも美人じゃないが、よく見るとかわいいところもあるし、それに何よりも性格がよくて、やさしいんだぜ。おまえも外見ばかりにとらわれてないで、女のそういうところにも目を向けたらどうだ」
「おまえの言うことはよくわかるよ。だからおれはいまいちのサトミにアタックしたんじゃないか。まさかあのブスコいやヨシコと付き合えっていうんじゃないだろうな」
おれはそう答えて、合コンの時に撮った女たちの写真を取り出して見た。ユースケも覗き込んできた。
「おまえがブスと言っているヨシコという女も、よく見るとカワイイところもあるんじゃないか。性格だって悪くないかもしれないぞ」
おれは写真のヨシコの顔をもう一度じっくり見た。
「やっぱりダメだ。どうしてもこの女と付き合おうという気にはなれない。それに何よりも、ナニが立たない」
おれの身も蓋もない答えを聞いて、ユースケはしばらく考え込んでいたが、やがてこんなことを言った。
「おれの知り合いに恋愛カウンセラーをやっている人がいるんだが、それまで全然モテなかった人たちに恋人ができたというので、かなり評判がいいらしいんだ。一度カウンセリングを受けてみないか?」
モテなかった人たちに恋人ができた? おれはその部分を聞いて興味を持った。一回三十分で五千円のカウンセリング料は高いとも思ったが、これで彼女ができれば安いものだと考え直し、行ってみることにした。




