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【完結】29歳ブラック企業の社員は別会社や異業種への転職ではなく異世界に転移した  作者: よぎそーと
第三決算期

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転職65日目 事前の確認をかねた会議

「やっぱり、最前線の集積所を拡大しておくしかないのか」

 作戦会議においてそんな結論が出てきていた。

 廃村の奪還において必要になる作業を検討していった結果、どうしてもそうなってしまう。

「人も物も一気に集めねばなりませんからね。

 どうしてもこうなるかと」

「出来るだけ前の方に人も物も集めておかないと動きがとれません」

「出来れば、今の何倍かは欲しいですね」

「作業員を寝泊まりさせておくだけの場所がどうしても必要です」

 やるべき作業を考えるとどうしてもそうなってしまう。



「それに、金も必要ですね」

「作業員の人数にもよりますが、一人あたり銀貨一枚を日当とすると、かなりの費用が必要ですから」

「作業も一日で終わるわけじゃないので、それをかんがえると」

「集められる人数も限られてるので、かなり厳しい事になりそうですね」

 ここも難しいところだった。

 幾ら周旋屋であっても、集められる作業員には限りがある。

 今の状態だと、せいぜい五十人が良いところだろう。

 実際にはもっと少なくなる可能性が大きい。

「村の人や、うちらの中からも何人か作業に出てもらうしかないかもしれません」

 そうしなくてはならないほど人手が足りない。

 一日で全部片付くとは思ってないが、可能な限り作業を進めるためにも人手は必要だ。

「がんばっても一百人は無理か」

「それだけ集まれば良いんですが」

「さすがに厳しいですね」

「まあ、集まった人間だけで作業を進めてもらうしかないか」

 作業は何回かに分けて行う事になりそうだった。

 ただ、それだと費用の負担が大きくなる。



「最低でも堀は作っておきたいですね」

「それが出来れば、後の作業もやりやすくなりますし」

 一番手間がかかるのがそれになる。

 これが出来上がれば、後はもう少し楽な作業になる。

 少しだけであるが。

 だが、ここを超えないと続く作業に着手出来ない。

 一気に仕事を進めていかねばならなかった。

「村を囲むだけの長さですからね。

 一日がかりでもどこまで出来るか」

「ほとんど堀は埋まってるようですし、新規に作るくらいの事にはなりそうです」

「とりあえず一週間はかかるんじゃないかと」

 おおよその見積もりとしてはそんなものである。

 実際にはもっと早く終わるかもしれないが、期待は出来なかった。

 村を取り囲む部分だけでも結構な長さになる。

 それを一日で整備するなど不可能なだ。

 作業自体に一週間という事は無いにしても、五十人でおそらく三日か四日はかかる。

 町から廃村へと向かう間の移動時間も含めれば、だいたい一週間になるという事であろう。



「まあ、それだけ進めるにしても、一旦集めておく場所が必要になります」

「集積所全体に分散させておくにしても、やはり村に近いところはもう少し拡大を」

 その為の事前準備が手間で面倒になる。

 やらねばどうにもならないが、やるにしても手間がかかりすぎる。

「村を取り戻すために村を作ってるようになってきてるな」

 そこまで大げさなものではないが、集積所を拡大していかないと作業ははかどらないだろう。

「じゃあ、村に近い所にある集積所を拡大しておくか」

「そうですね」

「村の方の作業はいつからはじめられる?」

「それが出来ても、だいたい三ヶ月はかかるかと」

「来年になるか」

「早くてもそうなりますね」

「資金がないんで」

 結局は金の問題になってしまう。

 無料で動かせるものなど存在しないという事である。

「それまでは、その間はモンスター退治に励むとしよう」

 他にやる事は無い。

 金と経験値を貯めて次に備えるしかなかった。

 毎度毎度こんな事の繰り返しになってしまう。

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