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【完結】29歳ブラック企業の社員は別会社や異業種への転職ではなく異世界に転移した  作者: よぎそーと
第三決算期

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転職49日目 今どうなってるのかが気になってしょうがない

 それからの数日は胃が痛くなりそうな日々だった。

 それ以上に様々な作業工程の確認に追われていった。

 送り出した第一陣が上手くやっているかどうか。

 それを確かめる事も出来ずに、翌日作業員を送り込む。

 第一陣のうちの何人かと交代を兼ねての護衛をつけて送り出した作業員五十人。

 これがこの先の作業進捗に関わってくる。

 上手くやってくれよと祈りながら、翌々日に送り込む予定の木材の運搬計画について考えていく。

 これを上手いこと運んでいかないとどうしようもなくなる。

 作業の進捗が気になるところだが、どうにかできるわけもない。

 ただ、物事が順調に進んでいてくれる事を願うだけである。



 そして翌日、戻ってきた馬車に乗っていた者達に話を聞き出していく。

 初日のモンスター退治は、概ね順調に進み、村の中のモンスターはほとんど姿を消したという。

 幸い、まだ使える家も残っており、寝泊まりには問題はなさそうだった。

 馬車と馬も、納屋に入れておけば襲われる心配もなかったという。

 ただ、一晩たてばモンスターが再び村の中に入ってきているので、これらを駆除するので時間がとられてしまう。

 それでも午前中の間に侵入してきたものは倒す事が出来たので、それほど気を張る必要は無いと思われてもいた。



 二日目はそんな村の中のモンスター退治が終わってから本格始動となった。

 いよいよ拠点建設地域の掃除である。

 蔓延ってるモンスターを倒していき、場所の確保はなされた。

 もちろんモンスターも押し寄せてくるが、それほど困難という事もない。

 強さは町の周囲にいるものとそれほど差は無く、やり方を間違えなければ脅威となる程では無い。

 気を抜けば死ぬだろうが、いつもの調子でやっていけば大きな問題は発生しようがなかった。

 そうこうしてるうちに作業員が到着し、護衛の者達とも合流を果たす。

 夕方になる前の時間帯だったので、軽く予定地で作業をして、それでその日は終わった。

 やはり五十人という人数がいると進みが早く、その日のうちに四角い堀の一辺が出来上がってしまった。

 暗くなる前に作業を終え、その間に残ってる竈で作られた料理を食べてその日は終わった。



 その翌日、村に入ってから三日目、交代要員は停車していた馬車に乗って帰る事となった。

 村に滞在中に稼いだ核を持って。

 これが彼等の賃金となるのだから忘れるわけにはいかなかった。

 朝、モンスターを前日と同じく村から駆逐して、それから馬車で帰還となった。

 道中、モンスターに襲われる事はなかったのでさして問題はなかったのは幸いだった。

 廃村における作業については、概ねそんな調子であったようだ。



 それを聞いて少しばかり安心した。

 作業の方は概ね想定通りに進められそうである。

 それについてはありがたい。

 村の方をいつまでも利用しているわけにもいかないので、早急に建設を進めていきたかった。

 出来れば木材の運び込みと同時に塀の建築にとりかかりたい。

 それが予定通りに進められそうで安心する。



 四日目。

 木材をのせた馬車と共にヒロノリも出発する。

 一度は現地の様子を確かめようといずれはヒロノリも行くつもりだった。

 本当は初日から出向く予定だったのだが、

「このままじゃ処理が進みません!」

と事務の方が泣き声混じりに訴えてきたので諦めた。

 人員の手はずをととのえたり、人や物の移動順番などでまだまだ判断が必要な場面があった為である。

 そちらの方は、とりあえず終わったので現地の状況確認に出る事が出来る。

 木材を送り込み、塀を作る事が出来ればあとはそれほど難しい事はない。

 交代の要員を順繰りに送り出していけば良い。

 これらは食料や消耗品の輸送も兼ねている。

 それらはさして難しいものがあるわけではない。

 決まったものを順番通りに送り込むだけで済む。

 ヒロノリが決断しなければならないような重要事項は無い。

 前線に出向いてもどうにかなる。

 どのみち様子は見ておかないといけない。

 今の状況が分からなければ今後の事も決められない。

 他の者へのしめしもつかない。

 事務作業を始めとした作戦計画や全体指揮は重要なのだが、それを理解出来る者は多くはない。

 まして冒険者であるので、前に出てモンスターと戦う事が求められる。

 目に見えない、見たとしても何をやってるか分からない戦略的な指揮よりも、目に見える陣頭指揮がまだ必要だった。

 このあたり、全体の意識が変わるまで待つしかない。

(そのあたりの必要性も少しずつ教えていかないと駄目かもな)

 でなければ、いつまでもヒロノリが前に出る事になってしまう。

 組織が大きくなると、それだけではどうにもならない。

 実際、廃村と町の両方での作業に追われている。

 この状況をどうにか打破しなくてはならない。



 色々と悩みながらもまずは目先の仕事である。

 翌日、木材と共に出発したヒロノリは、馬車にゆられながら廃村へと向かっていった。


明日も19:00公開予定

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