転職32日目 作業内容の整理と、実質的な初仕事
色々と考えるし悩む。
だが、まずはある程度やり方を統一していくしかない。
書式一つとっても、今はまだバラバラだ。
ある程度統一させておく必要がある。
ただ、困った事に周旋屋から送られてくる書類も書式がしっかりしていない。
書いてる者によって細かな差異がある。
この世界ではそこまでしっかりと決まってるわけではないのかもしれなかった。
まずはそこを改める事にした。
そして事務所でやるべき仕事もはっきりとさせていく。
人員募集の処理もそうだが、移動の為の馬車などの調達なども考えていく。
その他にも戦闘に関わらない部分が事務としての仕事になっていく。
戦闘以外の部分で不都合が生じないように処理をしていく状態を作りたかった。
それと、業務に直接関係はないが、先々の事を見越して行動していく為の参謀本部。
これを作っておきたかった。
先々、更にモンスター退治を拡大していくためにどうしても必要になる。
食料や装備品に消耗品の必要量の算出と確保に、行動していく順番の策定。
自発的に行動していくためにそれらを求めねばならないし、それを専門でやる部署が欲しかった。
いつまでも今やってる事を繰り返していくだけではいけない。
それでも食っていけるだろうが、更に先の事を考えておきたかった。
より効果的に作業をして、効率的にモンスターを倒せるように。
その為の第一歩として、まずは事務処理をしっかりと形作っておきたかった。
幸いというか、この分野においてはヒロノリには多少の経験がある。
何をすればよいのかが分かるという程では無いが、何をしてはいけないのかははっきりしている。
悪い見本はやたらとあったので、その真似だけはしないよう注意出来る。
また、業務上の注意事項も粗方分かる。
それらを元に仕事のやり方を作っていった。
作業は進み、二週間もするとおおまかな形は出来上がっていった。
一ヶ月もする頃には新人もやり方になれていった。
やる事はそれほど多くはないのがありがたい。
これから更に増えるだろうが、今はまだ余裕がある。
ただ、パソコンもそうだが、電卓もないのはかなりつらいものがあった。
紙と筆と算盤だけで仕事をこなすのは思った以上に大変である。
文明の利器のありがたさを痛感させられた。
それらの中ですぐに解消出来ない問題が、必要な人員の確保だった。
周旋屋の作業員が足りない技術を補ってくれてるが、それに頼りっぱなしではいられない。
一団の人間に主要な戦力になってもらわねばならない。
外部の者に重要事項を扱わせるわけにはいかない。
しかし、現実問題として今は周旋屋の者達に作業をしてもらわねば進まない。
そのためにも、事務員を育てていかねばならなかった。
どうしても一年くらいは待たねばならなくなる。
今もモンスター退治に同行して経験値を稼いでる者達に頑張ってもらう必要がある。
何でもそうだが、すぐに出来る事と出来ない事がある。
無理して進めるわけにもいかないので、今は待つしかなかった。
その中で出来る事は確実にこなしていく。
とりあえずは移動手段の馬車の確保。
これは周旋屋を始めとして様々な所に出向いて尋ね、どうにかして調達していく。
貴族が使うような豪勢なものでなくてよい。
大きめの荷物運びのためのものがあれば良かった。
とりあえず様子見で一日ごとの貸し出しで試してみる。
実際にどれくらい便利になるのかを知っておきたかった。
実際に馬車で移動していった者達の評判は上々である。
行きと帰りが楽なので助かると感想が出てきていた。
それを聞いて、一団で保有しようという話にもっていく事が出来た。
必要な費用や手間を考えると決して安い値段ではないが、誰もがそれはしょうがないと納得してくれた。
徴収してる二割から費用を出すといったのも大きい。
新たに金を払う必要がないというのが大きかったようだ。
早速必要なものを手配していく。
これに関わる一連の作業が、事務作業における能動的な仕事の最初となっていった。
馬小屋に飼料に御者などなど。
それらを手配していく事で色々な経験となった。
事務作業というか、戦闘以外の仕事がいったいどんなものなのかを知る良い機会にもなった。
何か一つを調達しようとしたら、かなりの手間がかかるという事が分かった。
また、必要になってから調べると時間がかかりすぎるという事も。
その為、日頃から何かにつけ調べておく事が重要になる事が分かった。
すぐに必要無くても、いつかどこかで使える日が来るかも知れないのだから。
この直後から、事務員達があちこちに出向いて様々な情報を集めるようになった。
それをヒロノリは良い兆候だと思った。
できるならもう一話出したいが、ちょっと厳しい。
とりあえずがんばってはみるけども。
そして、続きを書かずにこんなものをこさえてしまった。
楽しんでもらえればいいのだが。
「転生トラック激走記」
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