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【完結】29歳ブラック企業の社員は別会社や異業種への転職ではなく異世界に転移した  作者: よぎそーと
第三決算期

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転職29日目 人数と手間は仲良く手をつないで増大する

(とはいえ、このままってわけにもいかないか……)

 ほぼ順調に物事が進んでいる現状に満足はある。

 だが、いつまでもこのままというわけにもいかない。

 先の事をある程度考えておかないといけない。

 今はまだ稼ぎをたたき出せているが、いずれ頭打ちになるのは目に見えていた。

 町の近くでのモンスター退治に限界が見えてきてるからだ。

 既にその兆候は感じている。



 無限と言って良いほど蔓延ってるモンスター。

 しかし、一度に倒せる数は限られる。

 町の近隣にいるモンスターの数にはそれなりの上限があり、それ以上は倒せない。

 一カ所に集まるモンスターの数に限界があるからだ。

 倒せば後から後からやってくるが、一定の地域にいる数にそれほど変化はない。

 なので稼ぎに限界が生じる。

 更に稼ぎを増やしたかったら、もっと強くて値段の高い核を持ってる敵を倒すか、より数の多い地域を目指す事になる。

 その為にもレベルを上げて人数を増やさねばならない。

 強いのも、数多く出て来るのも、相手にするには相応の戦力が必要だった。



「それで、次はここに行こうと思う」

 いつも通りの作戦会議。

 全員を集めて今後の運営方針を説明していく。

「この辺りには犬頭っていう群れて行動する奴らが出て来るって聞いてる。

 それを今後は倒していこうと思う」

 あちこちで聞いたモンスターの出没情報と、それらの特性を聞いて考えていた事だった。

 犬頭と呼ばれるモンスターは、個体としての戦闘力はそれ程でもない。

 町の周囲に出没してるモンスターよりは弱いという。

 しかし、常に数体で行動しているので、一人で相手にするには危険だった。

 対応するにはこちらも集団で行動するしかない。

「ただ、稼ぎは増やせると思う。

 経験値も。

 それを狙おうと思う」

 それがヒロノリの考えだった。



 集団で行動するという事は脅威であるが、同時に稼ぎやすいと言える。

 数多く出てきて、それを全部倒せるならば。

 その為に、ある程度の人数とレベルが必要になる。

 今のヒロノリ達には少しばかり辛いが、もう少しレベルが上がった者達が増えればどうとでもなる。

 それまでおよそ半年を見込んでいた。

 それだけあれば、求められるレベルに到達する者が増える。

 群れて行動するモンスターが相手でも、安全性を保つ事は出来る。



「だから、レベル上げに専念して欲しい」

 ヒロノリの説明を聞いてる一同は、なるほどと納得して頷いていく。

「それと、その頃には事務員の方もある程度レベルが上がってると思う。

 レベル次第だけど、妥当なレベルになってる者から裏方の仕事に入って欲しい」

 その声に女性陣が安堵していく。

 やむなき事とは行っても、レベル上げのために戦闘に出向いてるのはかなり辛いものがあった。

 そこから抜け出せるとあって、誰もが安心していった。

「それに合わせて新人をまた入れる。

 戦闘に必要な人が増えるからな。

 それを支える事務員も増やす。

 まだまだ大変だけど、頑張っていこう」

 これから数ヶ月ほどの行動をそうまとめて、会議は終わった。



 終わってからも仕事は続いていく。

 必要な準備をしていき、足りないものが無いかを確かめていく。

 想定している時には気づかなかった事も、実際にやってみれば出てくる。

 小さなものから大きな事まで様々な事が分かってくる。

 犬頭を倒しにいくという事でそれに必要な準備をしていくなかで、それが見えてくる。

 一番分かり安いのは、今までやっていたモンスター退治をどうするかだった。

 犬頭に人数を割く事で、そちらの方の人数が減る。

 その分は新人を入れて育てていく事で補うつもりであった。

 しかし、募集をかけた所ですぐに集まるわけでもない。

 人手となりそうな部屋住みに冷や飯食いは、近隣からは粗方集めてしまった。

 これ以上は、更に国の内側の地域に向かうしかない。

 そうなると、募集に行って帰ってくるだけで時間がかかってしまう。

 募集その者は周旋屋にやってもらってるが、もう少し改善したいものだった。

(出張所でも作るか……)

 人員募集のために動く部署。

 それを設置しようかと考える。

 国の内側地域に常駐し、必要な人間を集めるために。

 そうでないと手間がかかりすぎる気がした。

 一々人を派遣するのも手間である。



 目先の問題としては、移動に必要な時間が問題になる。

 犬頭の所まで出向くのにかなりの時間がかかる。

 歩いていたのでは間に合わない。

 より素早い移動手段が必要だった。

(馬車も用意するか)

 貸し出しではなく、自前で用意しようかと思っていた。

 そうでないと出費が痛い。

 ただ、馬車を保有するだけでもかなりの準備が必要になる。

 馬小屋や馬車の置き場、御者に世話係も必要になる。

 長い目で見れば、借りるより自前で用意した方が安いが、それでも大きな出費になってしまう。

 徴収した金で賄う事は出来るが、それでも大きな負担になってしまう。

 規模が拡大し、行動範囲が拡がる事で思わぬ負担が増大していっていた。



(業績を上げるってのも簡単じゃねえな)

 つくづくそう思った。

 収入を増やす為に何かすれば、その分だけ経費がかかる。

 当たり前の事だが、その当たり前が大きい。

 物事は簡単にいかないという事を実感していく。

 それでも、確実に収入は増えていくので、暫くは拡大を続けるつもりでいた。

(もう少し人数を増やさないと、シフトも組みにくいし。

 事務員の確保も難しいしなあ……)

 単価というか、一人当たりの稼ぎが増大しない限り、単純に人数を増やすしかなかった。

 だからこそ、より強力で一体当たりの収入の大きなモンスターを倒しに行きたかった。

 その為にもレベルアップは必要不可欠である。

 高レベルの人間の数も。

 その為には少しでも多くの人間を確保し、レベルを上げていかねばならない。

(当分は自転車操業だな)

 収益の安定化への道はまだまだ険しい様子を見せていた。

 これを投稿してる時点ではまだ続きは出来てない。

 しかし、可能な限り書き上げておきたい。


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