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転職150日目 次世代育成計画19

 あれこれ悩みつつも日々は過ぎていく。

 その中で様々な案が出され、却下され、それでもいくつかは試される。

 思わしくない結果がほとんどであるが、その中から最良に至る何かを見つけ出して次に進んでいく。

 最初から上手くいく事など、どうせほとんどないのだ。

 失敗の中にある勝因を探し、成功の可能性を現実の成功にまで発展させる努力を続けるしかない。

 そうやってひねり出した成功の法則は、見いだした直後から他の者達にも伝達され共有されていく。

 ちょっとした成果であても、それが多くの者達に用いられれば全体の効率が上がる。

 また、一つの発見が後に続く多くの気づきのもとづえにもなっていく。

 他の誰かが何かに気づけば、それがまた効率を上げていく。

 安全確実に成果を出す方策が。

 なので、出来るだけ多くの成果を公開していった。

 一団の中でだけでも。



 おかげでと言うべきか。

 一団の活動の様々な事がルーチンワークになってきていた。

 よほどの事がないかぎり、今までの繰り返しで問題なく動くようになっていった。

 拠点の設置による冒険者の活動範囲の拡大も、モンスターを阻止する事による安全地帯も確保も。

 そうやって広げた行動範囲を防備によってより堅固に確保する事も、その中を開拓して居住地を増やす事も。

 水路で川から水を引き、溜め池などを作って水を確保出来るようにもしていく。

 そこに新たな人を入れて開拓を進め、収穫量も増やしていく。

 年単位で進んでいく作業が、着実に開拓地の規模と人の勢力圏を拡大していった。



 ヒロノリ達の拠点も拡大を続行し、敷地も更に増大していった。

 住居もできあがり、独身者や新人達が中心になって移住をしていく。

 新たにやってきた者達もそこに貼り付き、毎日の活動に出向いていくようになった。

 ヒロノリ達既婚者などはなかなか引っ越しも出来ないが、定期的に拠点に出向いて活動を続けていった。

 また、引っ越しの為に新たに家を建てる事も視野に入れていっている。

 個人の住居については、この一群のものではないので全て自前で賄う事になる。

 その為、どうしても時間がかかる事になった。

 それでも、いずれは引っ越す事を視野に入れて誰もが活動していった。



 それと同時に、遠出する者達の足がかりとするための場所も設置していく。

 寝泊まりが出来るだけの設備を備えた区画を建設し、ヒロノリ達以外の者が活動出来るようにもしていく。

 ほとんどが調査目的のための遠征隊であった。

 いくつかは、発見した小鬼の集団を殲滅するために出発していった。

 たかだか数キロ程度であっても、出発地点が前進した事には意義があった。

 活動範囲がその分だけ増大する。

 北方の探索は更に加速していった。



 小鬼退治もそうだが、もう一つ平行して進められていく作業があった。

 鉱山の確保。

 その為の探索も進められていく。

 途中で拠点を設置し、活動範囲を延長していく。

 この場合、広範囲にわたって設置はせず、鉱山までの道沿いに設置する。

 国の方の拠点と同じである。

 鉱山までの道に避難所も兼ねた場所を設置したように。

 開拓地でもやる事は同じだった。

 いずれ余裕ができれば、そこから拡がっていくつもりではある。

 道の安全確保と、モンスター退治の拠点の増大のために。

 可能であるならば、開拓して居住も考えている。

 今の段階ではそこまで勢力圏を拡大する事も出来ないので、将来の話ではあるが。

 たとえ居場所を作っても、そこに送り込む人がいない。

 もう移住希望者を連れてくるのも限界になっていた。

 無理なく連れてこれる範囲にいる低所得層などもほとんど払底している。

 集めるとすれば、肩身の狭い思いをしてる三男四男坊あたりを見繕ってくるしかない。

 それすらも、大半冒険者や周辺産業の従事者として仕事を得ている。

 鉱山再開の影響もあり、現在人手不足状態に陥っていた。

 今のところ人手を新たに追加するのは難しく、国内のあちこちに飛び回らねばならなくなっている。

 そうやって人を見つけてくるのも一苦労で、その分の費用がかさんでしまってる。

 こうなると頼みの綱は、新成人というか新卒というか、それに該当する若年者の登場になってくる。

 彼等が冒険者などを志してくれる事を、そして開拓地へと出向いてくれる事を願うしかない。

 現状では、それも望みが薄いが、人員募集についてはそこに期待をするしかなかった。



 あとは、一団の中で結婚した者達の子供くらいしか頼る道がない。

 ただ、それもまだ数年は待たないと第一陣が就労可能な年齢にならない。

 国の拠点も開拓地の方も、所帯を持ってる所は既に何人も子供が生まれている。

 だが、年長でもまだもう少し成長するのを待たねばならない。

 そういったわけで、一団の勢力拡大は今のところ頭打ちになってしまっていた。

 少しずつ人員は増えていってるのだけが救いであろうか。

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