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【完結】29歳ブラック企業の社員は別会社や異業種への転職ではなく異世界に転移した  作者: よぎそーと
第七決算期

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転職143日目 次世代育成計画12

 そんなこんなもありながら活動結果は着実に出てきていた。

 三ヶ月ほど資金と経験値集めに奔走し、一気に拠点の外枠拡張を敢行。

 周辺に生い茂る木々の伐採から始まり、防備が完成するまで三週間ほどがかかった。

 ため込んだ資金をほとんど溶かすことになったのは想定外の事態である。

 だが、その結果としてどうにかこうにか必要な場所を確保する事が出来た。

 あとは諸々の設備を揃えていくだけとなる。



 この段階ではまだ人を増やす事は出来なかった。

 拠点もそうだが、開拓地に人を入れる余地がない。

 宿舎などは満杯状態で拡大が追いついてない。

 水路建設に手が取られて他が後回しになってる状態だった。

 とはいえ、今の段階で人を入れても田畑の拡大すらままならない。

 まずは水路を造って開墾できる場所を拡げ、それから人を入れていかないと養える限界を突破してしまう。

 順番を守っていかないとどこかで破綻をきたす。

 こういった事情があるため、簡単に人を連れてくる事が出来なくなっていた。

 暫くは拠点を整備する事で時間が取られていく事になる。



 悪い事だけではない。

 新人のレベルアップの時間を得られるという事でもある。

 最低でもレベル5まで上げておきたいので、時間があるというのは利点である。

 そこまでいけば新人達を振り分けて活動させる事も出来る。

 現在二つに分かれての活動も、三つ四つに増やせるようにもなる。

 金を稼ぎつつ経験値を手に入れる時期と割り切り、今はひたすらにモンスターを倒していくしかなかった。



 新人達のレベルアップの方も順調で、半年で既に合計レベルが6にまで到達している。

 通常のモンスター退治ではなかなか到達出来ない早さだった。

 開拓地付近で活動するにはまだレベルが足りないが、あと半年もすれば確実に戦力になる。

 その頃にはヒロノリの拠点も整備が進み、そこで寝起きしていけるようになる。

 時間的にも、あと半年もあれば宿舎などをそろえる事が出来る。

 そこを目指してしばらくは地道な活動を続けていかねばならない。



 ただ、ここで一つ問題が出てくる。

 拠点が出来上がればそちらに移って活動となる。

 当然引っ越さねばならなくなる。

 それが問題だった。

 独身者はまだ良いが、所帯持ちは簡単にはいかない。

 得に子供がいるなら迂闊に住居を変える事も出来ない。

 子供は子供で社会や人間関係を作っている。

 今住んでる所で出来上がってるものから引きはがすのは、教育上よろしくない。

 新しい場所で新たな人間関係を作っていく事になるが、それは簡単なものではない。

 ある程度の年齢になるまでは生まれた場所で、周りの者達との人間関係が出来上がってる場所で過ごした方が無難である。

 そうでなくても、モンスターの蔓延る場所に連れていくのは気が引ける。

 妻帯者でも子供がいなければこういった問題は少ないが、それでも危険である事に変わりはない。

 仕事で拠点を留守にしてる間にモンスターの襲撃が起こってしまったらどうするかという事もある。



(これも二手に分けるしかないかな)

 拠点に常駐する者達と、開拓地から拠点に通う形になる者達で分けるしかない。

 拠点の規模や防備が更に拡大するまでは、独身者だけに詰め寄ってもらう形になるだろう。

 もちろん拠点にずっと籠もりっぱなしにさせるわけにもいかない。

(上手い形に交代をさせていかないと)

 数日単位で開拓地に帰還するようにしておかないと息抜きも出来ないだろう。

 そうなると、それだけの人数がどうしても必要になる。

 常時何人を拠点に貼り付かせるかでそこは変わってくる。

(二十……三十は必要になるか)

 常時二十人くらいは貼り付けておきたいから、余裕を持たせてそれくらいは必要になりそうだった。

 それだけの人数が入れるくらいの宿舎は用意しておかないといけない。

 そうでなくても、人数増加は今後も必要である。

 冒険者だけではない、その家族や冒険者周辺の職業を誘致していかねばならない。

 最終的な人数は数百人くらいにはなるだろう。

 今の状態で留まってるわけにはいかなかった。

(まだまだ色々必要だな)

 それすらも、甚だ穏便な表現と言える。

 数百人が住み着く拠点が出来上がるまで、あとどれだけの時間と資本が必要なのか。

 考えるだけでもおそろしかった。

 止めるつもりは毛頭なかったが。

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