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【完結】29歳ブラック企業の社員は別会社や異業種への転職ではなく異世界に転移した  作者: よぎそーと
第七決算期

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転職141日目 次世代育成計画10

 とにかく一ヶ月はモンスター退治に専念した。

 金を稼がねば今後などない。

 出来るだけモンスターを倒し、銅貨一枚でも多くを稼ぐ為に必死になった。

 おかげで貯金の方はどうにか貯まり、小型の拠点は作れるようになった。

 本当ならそれだけでは全然足りないのだが、まずはそれを作る事になった。



「あれば、そこを中心に行動出来るからな」

 言い出したのは仲間の一人である。

「そこを中心にあちこちに出向けば稼ぎも増やせるし」

「核拾いに新人を連れていけば手間も減るしな」

「レベルアップもさせられるから、それでいいんじゃね」

「二日三日くらい泊まり込めればそれでいいよ」

 概ねそんな調子で話がまとまっていった。

 確かに開拓地から日帰りでモンスター退治に行くよりは稼ぎは増やせる。

 活動時間が長くなれば、それだけ核も手に入れやすい。

 核の回収も新人に任せておければ、戦闘だけに集中していられる。

「さっさと作っちまった方がいいだろうよ」

 ほぼ満場一致で決まった。



 ヒロノリが銀貨三百枚を。

 他の者達も合計で銀貨五百枚を出して建造が始まっていく。

 作業員五十人を雇い、材料を集め、目的地にて作業を始めていく。

 小川のほとりにある木々を伐採し、根っこを掘り出して均していく。

 それだけだと大変な手間がかかってしまうが、魔術師を呼んで根っこを干からびさせてもろくさせた。

 叩けば砕けるほどになったので、シャベルなどで土を掘り起こすついでに根っこを切断出来てしまう。

 おかげで二日で必要な場所を確保していった。

 あとは堀を一日余りでつくり、二日で柵を作った。

 中に施設などはないが、寝泊まり出来る安全な場所は確保した。

 今後は泊まり込みでここで活動をする事になる。

 物を入れる倉庫や炊事用の竈などはそれほど手間も費用もかけずに作る事が出来るから、気にする事もない。

 ただ、暫くはキャンプ用のテントや炊事道具などを持ち込む事になる。

 何はともあれ出来上がった活動拠点である。

 ここを中心にして更に発展させていかねばならなかった。



「じゃあ、新人も連れてくるか」

「そうだな。

 早めに集めて鍛えていかないと」

 話はとんとん拍子に進んでいく。

 やる気を出した仲間は、次の段階にさっさとすすみたいらしい。

 ヒロノリを無視して話が進んでいく。

 早速十人ばかりの新人が集められ、それらを伴ってのモンスター退治が始まっていく。

 いきなり連れてこられた者達はさすがに驚いていたが、退治に連れていかれるのだから呆けてる暇は無い。

 次々に倒されていくモンスターを手早く解体し、核の回収に努めていく。

 また、引率する高レベル冒険者から離れると危険なので、作業を手早く終わらせる事に専念していく。

 おかげで、手に入れる核の数は格段に増えた。



 核の回収を新人に任せた事だけが理由ではない。

 冒険者達も二手に分かれて活動をしていき、それぞれが別方面へと向かうようになった。

 四方がモンスター出没地域である。

 どの方向に行っても倒すべき敵はいる。

 それが今までは一方向にしか出向けてなかった。

 人数が少ないので、どうしてもまとまって行動するしかなかった。

 問題が解消された今、それに拘る事もない。

 それに、人数が減っても高レベル冒険者であれば、数十体程度のモンスターを倒すのはそれほど手間ではない。

 解体を新人に任せる事で効率を落とさずに済む。

 手に入る核が全体的に増加したのは当然の結果だった。



 新人達にしても利点がある。

 比較的経験値の多いモンスター退治に付き合ってるおかげで、レベルアップが早くなっている。

 高レベルについて行ってるので実入りも大きい。

 山分けで出される報酬は新人の稼ぎを圧倒的に上回る。

 泊まりがけの苦労やモンスターに襲われる危険と隣合わせであるが、それに見合った成果はあった。

 だからこそ彼等も必死になってくらいついていく。

 今後もモンスター退治をしていくなら、高レベルについていった方が得でもある。

 逃げ出したくなる事もあるが、その先の展望もない。

 モンスター退治以外の仕事など簡単に見つかるものでもない。

 ここでやっていくしかないという覚悟は誰もが持っていた。

 でなければ冒険者などになるわけもない。



 拠点と往復する日々が続く中、一ヶ月で再び金が貯まる。

 その金で倉庫と炊事場を造っていった。

「次は貯水槽と便所だな」

 そんな冗談交じりの声も上がっていく。

 着実に設備をそろえていく拠点に、一同のやる気も上がっていく。

 翌月には本当にそれらもこしらえた。

 本当に最低限であるが、拠点としての機能は揃ってきた。

 住居はまだだが、それでも生活に必要な部分はそろえている。

「次からは拠点を拡大しよう」

 皆が集まってるところでそう言った。

「場所を二倍三倍に拡げていく。

 住居とかはそれからだ」

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