表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】29歳ブラック企業の社員は別会社や異業種への転職ではなく異世界に転移した  作者: よぎそーと
第七決算期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

138/159

転職138日目 次世代育成計画7

(問題になるのは、これだろうな)

 戦闘において懸念は全く無い。

 問題なのは、核の回収である。

 こればかりはどうにもならない。

 レベルが高くてもどうにもならない。

 人数がいなければ大量に倒したモンスターの核を回収する事は出来ない。

 質より量、数が必要になる。

 もちろん解体に関わる技術が高いにこした事は無い。

 手際が良ければ同じ時間の中で捌く数に大きな違いが出てくる。

 だが、それはそれとして数がいないとどうしようもない。

 今後、盛大にモンスターを倒していくとなると、どうしても核の回収を考えねばならなくなる。



「そんなわけで、人手を増やさなくちゃならん」

 仲間にもその事は伝えていく。

 黙ってるわけにはいかない。

「で、そこに新人を放り込もうと思う」

「は?」

「いや、それは」

「さすがにどうなんだ?」

「いくらなんでも」

 さすがにそれに賛同する者はいない。

「新人って、こっちに来たばかりの連中をか?

 さすがにそれは無理がすぎますよ」

「訓練が終わったばかりの連中もレベル3がせいぜいでしょうに。

 そんなガキをいきなり修羅場に放り込んでどうすんですか」

「まあ、その通りだろうな、普通なら」

 予想通りの答えをヒロノリは余裕を持って受け止める。

「普通に考えれば新人にこんな事をさせるわけにはいかん。

 そりゃそうだ、死ぬ可能性が高いからな。

 でも、この面子なら問題ないだろ」

「そうか?」

 疑いを抱いた眼差しと声を向けられる。

 それをあっさりと受け流す。

「これだけレベルが高ければどうにかなるよ」

 ヒロノリの考えでは、これくらいはどうにかなるはずだった。

 戦闘は他の皆が片付けてくれればいい。

 その間、新人は後ろから弓でも射させておくさ。

 何も前線に出る必要は無い。

 なんなら、護衛に二人か三人ついていればどうにかなる。

 で、戦闘が終わったらすぐに核の回収。

 すぐに片付けて、次の密集地に移動する」

「そんな上手くいきますかね」

「無理だろうな。

 実際にやってみて、慣れて、経験値を貯めてレベルを上げるまでは」

「でしょうね」

「でも、やらなくちゃ何にもならん」

 やらなきゃ成長がないし、成長しなくては手際が良くなる事は無い。

「その間の危険を誰がどうやって面倒見るかですね」

「それについては、解体がはじまるまでにモンスターを全部倒す事で片付けようや」

「なにを簡単に……」

「でも、出来るだろ」

 確信をもってヒロノリは告げる。

「これだけの強さがあるなら」



 確かにそれだけの強さはあった。

 ここにいる十人ならば、数十体のモンスターを一瞬で片付ける事が出来る。

 そうなれば、敵のいない状態で核の回収が出来る。

 ましてここにいる面子ならば、時間もかけずにモンスターを倒していける。

 倒しながら核の回収をしていっても十分なほどの余裕をもって。

 それならば新人をそれほど危険にあわせずに済む。

「なんなら、強力なモンスターの所に行ってもやれるだろうし」

 この辺りにいる強力なモンスターであっても、このレベルの人間が揃ってるなら危険はない。

 多少苦戦はするだろうが、十分に対処出来る。

 お釣りが来るくらいだろう。

 新人も戦闘に加わらずにいるなら何に問題もない。

 核の回収だけに専念するならそれで十分だった。

「それなら、一日の稼ぎもそこそこになる。

 新人が育つまで十分もつだろう」

「忙しくはなるけどな」

「新人を抱える必要経費だよ」

「まあなあ」

「分かっちゃいるけどよ」

 不平不満はあれど、拒否する者はいない。

「まあ、そういう方向でやっていくって事で」

「はいはい」

 とりあえずの承諾を得る事は出来た。



 ただ、人を入れるにしても居場所がない。

 それを作らない事には話にならない。

 金を貯めて場所を造り、宿舎も建てるとなると時間がかかる。

 外側だけでも一ヶ月、中を充実させるなら三ヶ月以上はかかる。

 それまでは稼ぐ事に集中しなくてはならない。

 どのみち金は必要なのでがんがん稼いでいくつもりである。

「でも、どこに建てるんですか?」

 当然の疑問も出てくる。

 開拓地外周に作るにしても、場所は考えないといけない。

 他の者達と衝突するような所は避けたいし、かといってモンスターが出没する所から遠すぎるのも今後に差し支える。

 拠点を作るにしても、建てる場所は考えねばならなかった。

 それについてはヒロノリも考えている。

「ここが良いんじゃないかと思ってる」

 広げた地図の一カ所を指す。

 それを見て、全員言葉を失った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




活動支援はこちら↓

あらためて支援サイトであるファンティアの事でも
https://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/501269240.html
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ