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【完結】29歳ブラック企業の社員は別会社や異業種への転職ではなく異世界に転移した  作者: よぎそーと
第七決算期

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転職133日目 次世代育成計画2

 とりあえず家族というか、子供の今後についてであるが、ある程度の年齢になったらそれなりの教育をしていくつもりではある。

 読み書き算盤と、それこそ基本中の基本は出来るようにしておきたい。

 これが出来なければどうにもならない。

 最低限これくらいはやるとして、更にモンスター退治の基本や戦術・戦略的な行動についても教えておきたかった。

 また、外に出るのが問題ないくらいになれば、モンスター退治によって経験値を稼ぐ事も考えている。

 学習によるレベルアップも大事だが、経験値を手に入れた方が成長は早い。

 命の危険と隣合わせなのですぐさまやれるわけではないが、これも教育手段の一つとして考えてはいた。



 ただ、そのための体制作りはまだ時間がかかる。

 いずれはやっていくつもりだが、他に手が回らない現状ではとてもやっていられない。

 学校を作って教師を育てて、というのは手間がかかる。

 やらねばならない事だが、すぐにどうにかなるものではない。

 それに、一族郎党をまとめてもいない状況で他の事に目を向ける余裕もない。

 どうせあと数年は手をつけられないのだし、先に自分の周囲を固めても問題は無い。

 それで一団や開拓地の作業が滞るという事はないのだ。



 早速というか、割と身近にいる者達に声をかけていく。

 初期の頃に一緒だった者から、新人教育などで一緒になった者達。

 まだしも顔なじみな者達に接触をしていき、誘いをかけていく。

 ただ、いきなり郎党にならないか、などと言ったりはしない。

 そんな事をしても賛同してくれるか分からない。

 それよりは、もう少し穏便な理由を付けていく。



「モンスター退治にいきたいんだ」

 これが誘いの言葉である。

 一団の団長にあるまじき発言である。

 普通、一団の運営に携わるのが仕事であり、モンスター退治からは退いてるのが当たり前だ。

 まして四十歳になろうという年齢でモンスター退治なんて、普通は考えない。

 やむをえず戦うしかない状況ならともかく。

 冒険者集団の頂点とはいえ、直接戦う必要のない立場の人間の言葉ではなかった。

 しかしヒロノリは重ねて言う。

「形だけでもモンスター退治してるって所を示しておかないとね。

 何の為の冒険者なのか分からなくなる。

 下の連中にも示しがつかないし」

 妥当と言えば妥当な理由ではある。

 団体や組織の規模によっては、指導部や幹部が直接実作業に携わる必要は無い。

 むしろ、そんな事をしてる暇があるなら、組織の運営や今後の計画策定をするべきである。

 それが分かってる者もちゃんといる。

 なのだが、それはそれとして「なんでやらないんだよ」「後ろでふんぞりかえって」という反発はどこにでも生まれる。

 感情的に納得が出来ない事の一つであろう。

 だからこそ、それを封じる為に形だけでもやる事をやってると示すのが有効な事もある。

「それに体もなまってるから」

 もっとも身近で下世話な理由も口にしていく。

 実際、体が衰えてるのは確かだ。

「そんなわけで、モンスター退治にいきたいんだ。

 けど、仲間がいなくてね。

 良かったら付き合ってくれないか?」

 おおむね勧誘の言葉はこんなものであった。



 承諾する者は多くはなかったが、決して少なくもなかった。

 第一線で活躍してる者達は自分達で行動する事を望んだが、既にある程度蓄えが出来てる者達は違う。

 危険は避けて、そこそこの稼ぎを確保出来るようにしたい者もいる。

 そういう者達にとって、最前線は結構辛い作業になってしまう。

 そこそこに稼げて、適度に切り上げてこれるならそれで十分だった。

 そういった者が十人ほど集まってくれた。

 数としては十分である。

 まずはこういった者達と行動を共にする事から始めていった。

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