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【完結】29歳ブラック企業の社員は別会社や異業種への転職ではなく異世界に転移した  作者: よぎそーと
第一決算期

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転職13日目 数は力で、力は利益に直結する

(何にせよ、これだけ上手くいってるのは確かだな)

 孤児達と分かれて帰ってきた宿舎の中で考える。

 他の連中と共用している大部屋のベッドの中、今までの七ヶ月余りを振り返ってそう思う。

(よくまあこんな短い間でここまで来る事が出来たもんだ)

 よくよく考えれば凄い事である。

 どこかで見たようなファンタジーな世界であったのが幸いしていたのかもしれない。

 世界観などが漫画・アニメ・ゲームなどなどで見たようなものだったのであまり違和感がない。

 こんな都合の良い世界があるのかと本気で考える程である。

 日本語もそのまま通じるし、意思の疎通などについては全く問題がない。

 文化的な違いや生活習慣に考え方の食い違いなども無い。

 細かな違いはあっても、概ね日本の時とそれほど違いのない生活様式で過ごす事が出来る。

 また、レベルも上がって一緒に仕事をする者もいる。

 独立して起業という程では無いだろうが、かなり上手くやってるのは確かだ。

 もちろんレベルはまだ低いし、それほど強力なモンスターを倒せるわけでもない。

 足りない部分は幾らでもある。

 しかし、それも継続的に活動を続けていけば解消出来る。

 それどころか、更なる飛躍も考えられる。

(だとして、どこまでやれるんだろ)

 可能性だけなら色々と夢がふくらんでいく。

 現実でそれがどこまで実現出来るか分からないが。

(まあ、無理しないでも食っていけるくらい稼げりゃあ……)

 ふくらむ夢を抱く一方で、そんな考えも持っていく。

 今の状態で上手くレベルアップや人員確保が出来たとしてどこまでいけるのか。

 その状態で手に入る収益はどのくらいか。

 稼ぎをどのように分配し、事業として何に投資をしていくか。

 出て行く出費はどんなものがあるのか。

 そんな事を考えていく。

 夢についてはほとんど抱く事がなかったので上手く思い描けない。

 なのだが、現実として毎日つきつけられていた事は色々と頭が回る。

 つくづく因果なもんだと思いつつ、まだしも頭に浮かぶ事柄から考えをふくらませていく。

 多分に実務的というか事業展開の計画作り…………もっと言えば、客に提出する見積書の作成のようなものである。

 そういう形で考えが構成されていくあたり職業病と言えるのかもしれない。

 とはいえ、先々の事を考えてるのは確かである。

 形はどうあれ、夢を見据えようとしてるのも確かだ。

(女子育成計画はともかく……。

 もうちょっと上手く進めていかないとな)

 確固とした収益源を作るためにも、事業をしっかりと築き上げていかねばならない。

(あの禿げや筋肉脳や腰巾着眼鏡もいないんだ。

 ここの仕事は俺が仕切る。

 今度こそ────!)

 今までの恨み辛みがヒロノリを後押ししていった。

 この世界に本人がいるわけもないにも関わらず。

 同等の存在はいるかもしれないが。


 

 捨てきれない女の子育成計画とその果てにあるハーレムへの夢。

 その事は一旦横に置いておいて(しかし決して忘れる事無く)仕事について考えていく。

 夢や希望は非現実的であっても生きる原動力になる。

 思いついていく今後の事業展開も、それらを目指してる心がもたらした活力によるものでもあった。

(とりあえず、食っていくのは問題ない。

 稼ぎも、稼いだ分だけ懐に入る)

 一番嬉しい事実である。

 こんな当たり前の事が当たり前でなかった以前の状況が憎たらしい。

 今は稼いだ分がそのまま懐に入る。

 働けば働いた分だけ収入になる。

(でも、限界はあるし。

 無理も出来ないし。

 だいたい…………これくらいか)

 おおまかな試算で稼げる範囲を出していく。

 同業の冒険者や周旋屋の職員から聞き出した話から、ある程度の収益を算定し、望みうる最大値を推定した。

 どんなにがんばっても、人が出来る事には限界がある。

 また、最大値を常に出し続ける事は出来ない。

 持てる能力を全開にし続けねばならないし、そうなると消耗が激しくなる。

 あくまで普通に活動して手に入れる事が出来る成果を考えていかねばならない。

 そうなると収益の限界が見えてくる。

(レベルが上がっても、五人一組で今より少し上がるくらい。

 一日に一銀貨と銅貨何千枚くらいかな)

 今より更に二つ三つ上がってもそれくらいが限界に思えた。

 倒せる数に限りがあるなら、稼ぎもそれに応じて頭打ちになる。

 これがレベルがどれだけ上がっても変わらない。

 戦闘そのものは楽にこなせるようになるだろうが、存在している以上のモンスターを倒す事は出来ない。

 移動にかかる時間などの要因も関わってくる。

 強くなれば良いという単純な事ではない。

 もちろんレベルが上がって悪い事は無い。

 余裕をもって対処出来るようになるのだから。

 だが、それが万能ではないと理解しておく必要があった。



(もっと強いモンスターを倒しにいかないと駄目か)

 行き着く結論はそこになる。

 もっと強力で高い値段で売れる核を持ってるモンスターを倒さねばならない。

 そうでなければ稼ぎはいずれ頭打ちになる。

 ただ、それは時間をかけねばどうしようもない。

 レベルが上がらなければ強いモンスターと戦う事は出来ない。

 これは毎日頑張っていく事でしか解決しない。

 それならば今のまま頑張れば良いだけだ。

 五年もすれば結果は出て来るだろう。

 その為にももっと人を増やしたかった。

(今の人数じゃあなあ……。

 何かあった時にまずいし)

 やはりそれが気になってしまう。

 五人というのは結構ギリギリな数で、これを下回ると危険が跳ね上がる。

 なので、どうしてもある程度の人数は確保しておきたかった。

 さりとて一人でも増えると分け前が極端に落ちるので、下手に人数を増やすわけにもいかない。

(五人、五人一組。

 それだけ居れば安全性と分け前が釣り合うんだけど)

 実際にやってみた実感と、分け前の計算から判断した。

 これを下回るとやはり危険が増える。

 五人でかかればモンスターを倒すのもそれほど手間取らない。

 そしてここから人が増えると分け前がかなり落ちる。

 一度に飛びかかる事が出来る人数を考えてもこれ以上で組むのは旨みがない。

(人を入れるなら五人一気に入れないと……)

 人数配分を考えるとそうしていかねば面倒になる。

 しかしそれだけ一気にいれるとなると結構大変だ。

 冒険者になってモンスターを倒しにいこうという人間を集めるのが難しい。

 少なくともこの町でこれ以上集めるのは厳しいものがあった。

 見下されたり疎まれる事は無いが、すすんでなろうと思えないのも冒険者であろう。

 モンスター相手の危険な仕事を好んで選ぶ者はいない。

 もしモンスターを相手にするなら軍隊に入る事を選ぶのが普通だ。

(どうしたもんかな)

 悩ましいものだった。



 先々の事も含めて、やはり人は欲しかった。

 人手が多ければ今後強力なモンスターを相手にしたとしても安全性を確保出来る。

 金になるけど強力な敵と戦うなら、やはり人数が多い方が良い。

 目先だけの問題だけでなく、先の事を考えればそうした方が良いとは思う。

 だからこそ人数を集めるためにどうすれば良いかを考えてしまうのだ。

 20:00にも続きを出す予定。

 だが、続きが足りない。

 どうやって在庫を増やせばいいんでしょうか?

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