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就職

 今日はついに僕の職種を決めることになった。


 昨日の検証で『予測』様と肩を並べる特殊能力『鑑定』大臣が登場して下さったからである。

 ただでさえ素晴らしい『鑑定』大臣にシークレットブーツどころか竹馬を装備させて、今ある全ての職種を調べてみた。


 そのときの特殊能力がこれ。


『整理』『圧縮』『録画』『鑑定』『細分化』『省略』『強化』『契約』『解読』『カウントダウン』『限界突破』


 『カウントダウン』は次にする行動を10~100秒のカウントダウンに合わせることで効果を爆発的に向上させる特殊能力だ。


 『契約』は条件を付加することで能力を向上させる特殊能力らしい。

 今回は自分と渡以外には情報が伝わらないこと等を条件として『鑑定』の効果を向上させるつもりだ。


 そして『解読』は『鑑定』で読み取れない暗号化された情報を解読して、読み取る範囲と深度を増やしてくれる。


 まずは『整理』×『圧縮』を発動して全ての職種情報を一度に鑑定できるようにまとめる。

 5km消費。

 

 次に『録画』×『限界突破』一時間毎に5kmを発動。『暗記』と迷ったが、こちらの方が渡と一緒に見ることができるし、保存も楽だった。

 これで準備万端だ。


 『カウントダウン』を発動して、100秒のカウントダウンが始まる。

 一つにまとめた情報に『鑑定』×『省略』×『細分化』×『強化』×『解読』×『契約』×『限界突破』を発動。


 こちらはお高く一回5万km……

 当然払えない。

 だから『省略』君と『細分化』さんの能力を使い、0.001秒の発動制限時間という縛りを設けることで、一回50kmまで使用移動距離を抑えてくれる。

 これを『録画』×『限界突破』で記録してみた。

 結果は…… 僕の就職が決まるぐらいには成功。


 職種無しのデメリットが判明したからね。


 職種無しはレベル20まではデメリットはない。

 しかしレベル20を過ぎると選べる職種に制限がかかりだし、レベルが上がると共にその制限は拡大してしまう。

 『職種2』の効果で片方だけ職種を決めることも考えたが、そうすると職種無しボーナス等のメリットが無くなることは『予測』様が教えてくれた。


 『職種をどうするかは今日の晩にでも考えとく。イチは寝てろ』


 そんな渡のご厚意に甘え、僕は普通に朝を迎えることができた。

 自分の職種なのにこれでいいのか? といった思いも少しはあるが、任せるところはプロに任せて最後に確認をした方が良い結果を得られる筈……たぶん。




 そんなプロこと、渡が薦める職種がこれだ。


『再生師』

 いつもお世話になっている『再生』さんに特化した職種。

 進化していくと『再生』の能力も上がる。


『越えし者』

 『限界突破』先生に特化した職種。

 『限界突破』を『限界突破』できる。

 やり過ぎると魂にダメージあり。

 ナニそれ? 怖いよ……


『逃げる者』

 逃げることに関しては誰にも負けない。

 逃げている状態限定で全ての特殊能力が使い放題になる。

 ペナルティも全部無効に……

 進化すると自分だけでなく、皆も逃がせられる人になれるらしい。


『ダンジョン攻略者』

 ダンジョン攻略に特化した職種。

 ダンジョン以外には力を発揮しないが、ダンジョン内ではとても強い。

 能力は全部30倍、移動距離の使用量は30分の1、転移もノーコストで可能。

 ダンジョンに入ったときから攻略本まで付いてくる。

 ダンジョンを沢山攻略して力を付けていく職種。

 ただし進化は無い。


 『確実に強くなりたいなら『ダンジョン攻略者』だ。危険も少なく強くなれる。他の職種と組み合わせて、その職種のみを進化していくのがベターだな』

 

 「ベターってことは最高の選択ではないんだよね?」

 

 『……ああ、強くはなるが強者止まりだな。もし『ダンジョン攻略者』を選ぶなら『逃げる者』と一緒に選べ…… その方が生き残れる可能性が高い』

 

 「渡が考える最高の選択は?」


 『……博打になるが『再生師』と『越えし者』の組合せだな』


 「そうなんだ………… 『再生師』と『越えし者』の組合せにしよう」


 『……いいのか?』


 「直感だけどね。渡も本当は分かってるだろ? 安全策では無理だよ…… 今回のアップデートが最後とは言われてないし、正直なところ正攻法ではどこかで駄目になるような気がする……」


 『……そうだな。どうせならバグキャラ作ってゲームを壊すか?』


 「……うん、その方向でいこう。これからどうしたらいい?」


 『とりあえず『再生師』と『越えし者』を選んで検証だ』


 僕の就職先は『再生師』と『越えし者』に決定した。


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