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ダンジョン

 鈍く光る銀色の扉を抜けると、そこは宇宙だった。


 漆黒の闇の中に幾多の光る星々とそれらが集まって出来た幾つもの銀河。

 その全てがまるで生き物のように動き……光り……消えて……生まれる。

 そんな宇宙という生き物の中に浮かぶ直径10mほどの青白い円の形をした板の上に、僕は口を開けて立っていた。


 そ、想像していたダンジョンとまるで違う。


 あまりにも想像とのギャップがありすぎて、扉の近くで突っ立っていた僕のスマホがポーンと音をたてる。

 僕は慌てて周りを警戒しながら、スマホの画面を確認するとスマホの画面に学者風の男が現れた。


『ようこそダンジョンへ。あのランクDのモンスターを倒し、ここまで来た君にまずは称賛と感謝の言葉を贈ろう。君は合格だ。

 この景色もそうだが、無事にダンジョンまでたどり着いた者には特別にプレゼントがある。君のスマフロは一足先にアップデートの一部の機能を使用可能にした。

 これからは小さな画面の枠を取り外してスマフロを楽しんでくれたまえ。では、また次も無事会えることを期待してるよ。一文路一君』


 画面から男が消えてスマフロのカメラモードに戻る。

 すると、いきなりスマホの画面がスマホの枠を越えてどんどん大きくなっていき強い光を放った。


 「うわっ!」


 驚いた僕は目を庇いながら後ろに下がるが、何故か扉が無くなっており背中に壁がぶつかった衝撃が走る。

 強い光を浴びて少し眩む目で周りを見ると、うっすらと光る岩のトンネルと先に続く闇が見えた。

 ……僕は洞窟の中にいた。


 僕はスマホを確認すると新しい吹き出しが出ていた。


 『空間表示』


 とりあえず『空間表示』をタップしてみると、目の前の空間にホログラフでできたスマフロの画面が現れた。

 僕は周りを警戒しつつ、目の前のホログラフに触れるとスマホの画面のように操作できる。

 その後もいろいろと試してみた結果、次のことがわかった。


 画面の大きさはスマホサイズからテレビサイズまで自由に選べる。


 画面の位置も意識するだけで移動可能。


 画面は3つまでなら同時に出せる。

 例えばカメラモード、地図画面、ショップ画面を同時に出したり、3つ全部カメラモードも可能。


 画面同士を重ねることもできる。


 画面に向かって攻撃をしてもすり抜けるし、壁に当たってもすり抜ける。


 触るとスマホの感触。


 そして画面を通さなくても宝箱やモンスターが見える。


 僕の目の前には鎖で繋がれた素手バージョンの骨と宝箱があった。


 両手が自由に使えるし、敵や宝箱を発見しやすくなって凄く便利なんだけど……

 渡の言ってた最悪のアップデートが真実味を増したのも事実なんだよなぁ……

 ここで悩んでいても仕方がないか。



 僕は骨に注意しながらも背中側の光る岩壁を確認する。

 『予測』×『限界突破』で確認すると、この岩壁の破壊は難しいらしい。

 『地形無視』×『限界突破』なら行けるけど、無理矢理ショートカットするとペナルティがあるよと『予測』様が教えてくれた。


 そして頭上と宝箱に罠があることを『罠発見』君がアピールしている。

 骨は普通のスケルトンみたいだ。

 罠の内容を『予測』様に伺うとスケルトンを倒し宝箱を開けるか、洞窟に向かってある程度進むと頭上の鉄球が落ちてきて転がるらしい……


 ま、定番の罠だね。


 僕はスケルトンをこん棒でバラバラにすると宝箱を開ける。中には魔弾石が100個も入っていた。

 カタカタ顎をならすスケルトンの頭蓋骨を持って洞窟の方に移動して……走った。


 ドゴォォゥオオ……ゴゴゴォォ


 後方で凄まじい音か鳴り響く。

 走りながら軽く振り返り確認するとトンネル型の洞窟いっぱいの大きさの鉄球が凄い勢いで転がって来ている。

 僕は頭蓋骨を投げ捨て全力で走った。

 後方でパキっと物悲しい音が聞こえ、僕のExpが4増えた。



 もう30分ぐらい走っているだろうか……


 この鉄球……もの凄く速い!


 今の僕が全力で走ると時速160kmは出てる筈なのに全然振りきれない。

 逆に少しずつだが距離が縮まっている。

 時折、『強化』や『限界突破』を足に発動して距離を離しているが……


 あっ、また出たな。お邪魔虫め!


 僕の前方に6匹の蜘蛛をデフォルメした見た目のモンスターが現れる。

 このお邪魔虫こと『バクオール』は魔弾石を当てるだけで倒せるほど弱いが、とにかく走る邪魔をしてくる。

 粘着力ある粘液を吐きかけてきたり、滑りやすい粘液を床に撒き散らしたり、刺激物を空中に散布したり、強い光を目に当ててきたり等々……


 とにかく邪魔だ!


 倒せば魔弾石を落とすので弾切れの心配はないが……

 これってシューティングゲームじゃなかったよね。



 一時間経過……先程変なお邪魔虫に出合った。

 5匹のお邪魔虫でそれぞれ違う色をしている。

 隊列を組んで変な音楽が聞こえてきたので速攻で光の霧にした。

 こんな時にふざけられると本気で腹が立つ。



 一時間半経過……地図で確認すると、どうやらこのダンジョンは螺旋状に真ん中に道が進んでいるようだ。

 蚊取り線香の中心を目指して走るイメージだね。

 『地形無視』×『限界突破』で鉄球をやり過ごすことも考えたが、『予測』様がおっしゃるにはそれをするともっと酷い目に合うらしい。

 体力は『再生』でなんとかなる。

 走るしかないか……



 二時間経過……なんかでっかいお邪魔虫が出てきた。

 いろいろ出していたけど『地形無視』×『限界突破』ですり抜けた。

 後ろから何かが潰れた音が聞こえ、Expが1000増えた。

 ……なんかごめんね。



 二時間半経過……お邪魔虫が『がんばれー』と声を出して、天使のわっかが頭上に浮かび魚の着ぐるみを着て、虹色のズボンに羽の生えた下駄をはいている男の映像を見せてきた。

 ……お前だけはゆるさない!!



 三時間経過……疲労は『再生』さんがなんとかしてくれるが精神疲労は無理のようだ。

 先程、心の声が外に漏れた。

 僕の頭はまだ大丈夫だろうか……

 お邪魔虫は魔弾石に『増加』を発動して、見える前から光の霧にしている。

 『増加』君は心優しい良いやつだ。



 三時間半経過……ついに中心部に到達。

 目の前に銀色の扉が見える。

 鉄球は扉の300mほど手前で光の霧になった。

 ……僕は勝ったよ。



『レベルアップ』『職種無しでレベル15に到達したので『職種2』を修得』『特殊能力の装着限界を超えました。選択してください』


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