レベルアップ
スケルトンを倒した僕は、その後も白ウサギを魔弾石で倒しレベルが上がった。
白ウサギは黒ウサギより弱かったのだけど……
目付きが悪いとはいえ、ウサギに直接暴力を振るうのはハードルが高いよ。
そりゃ肉は好きだけど、嬉々としてウサギを蹴飛ばすのもどうかと思うしなぁ。
これは今後の課題だな。
レベル2 Exp11
なるほど白ウサギの経験値は3か。
職種無しボーナスがあるから、もともとは2Expかもな。
あの弱さならしょうがないか。
スピードもそれほどだし、真っ直ぐにしか進まないので魔弾石が当て放題だった。
一発で倒せたけどね。
それよりもレベルの効果を確かめたい。
僕は近くの電信柱に近づいて、垂直にジャンプしてみた。
おお!
あきらかに……とまでは言い過ぎだが5~10cmは高くなっている。
レベル0の状態からすると、体感的にジャンプの伸びが違うのがわかった。
僕は別に最強の男を目指しているわけではなかった。
武道を学んでいるのも護身、いわゆる危険回避の為の手段で戦闘狂では断じてない。
だけど……
だめだ、顔のニヤニヤが止まらん。
長い時間をかけて成長を感じた時のような達成感はないが、なんというか……
胸の鼓動と一緒に涌き出る渇望感。
もっと力を!もっと強さを!
身体中の細胞達の、確かな進化を望む声が脳に響く。
僕はその声に支配され、体を押されるかのように次の獲物を目指して走り出した。
その後、芋虫と骨の二匹を倒した僕はギリギリで学校に着いた。
ふー、なんとか間に合ったか……
けど、ゲーム中毒になる人がいるのも分かるよ。
あれは、いかんヤツだ。
そりゃ、中毒にもなるよ。
スマホが危ないとは聞いていたがここまでとはなぁ……
僕はちょっと前の自分を思い出して身震いした。
芋虫は発見すると同時に飛びかかり、錆びた剣で真っ二つ。
錆びた剣を使ったせいか『アイテム無使用ボーナス』がなかったので、次に出会った骨は相手のこん棒を奪い、スイカ割りをしてきた。
そのとき近くにいたおばあちゃんが、不審な目で僕を見ていた。
お陰で僕は、我に返り助かったのだ。
まさか自分にあんな一面が存在していたとは……
見知らぬおばあちゃん、ありがとう。
そんなことを思いながら教室に入ると、いつもの顔が目の前にやってきた。
「おはよう。思ったより遅い到着だね。何してたの?」
家の隣に住んでいる同級生、世間で言うところの幼なじみの学級委員長、石居長子だ。




