チェック
そろそろ次の作品の構想を練るべきですね。異世界転生ものにするか……(-"-)ウーム
「つーか、ギルディどこにいるのか分からないじゃないか」
「そうですねー」
「早速行き詰ったぞぅ」
僕達三人は丘で寝転び、会議していた。
目的はギルディを殺す。もしいたらその他ゼタとかメヒティヒも。
「何かミンティさん、便利なアイテムないんですか」
「リコリスも出してみろよ」
と、二人して全アイテムをオブジェクト化することに。
当然僕の方が多いが、リコリスも中々変なものを持っている。
「何これ」
「私の使い魔です。可愛いですよね?」
僕がつまみ上げたのは、緑のもじゃもじゃとした、ツタを丸めたみたいな形状。非常に脆そうだ。
というか、リコリスはいつの間に使い魔を使役したのか。
「ヘッズの仲間みたいな姿だな」
「ほぅ」
「キー」
ヘッズがふよふよ近づくと、そのツタの球はぴょんぴょん跳ねてヘッズに当たった。ヘッズも当たり返し、二匹は楽しそうにどこかへ去って行った。
「ザックんもヘッズも、楽しそうですね」
ザックん、ひどい名前つけられて可哀そうに。
「ま、いいや。これは?」
「それは香水ですね」
「香水?」
僅かにピンク色の液体の入ったガラス瓶。豪華な装飾からは、プレイヤーメイドということが分かる。
「ダーリィさんに貰ったんです。なんてことはない、普通の香水です」
「へー、じゃあこいつは」
次に僕が取り出したのは、白銀の指輪。何やら物々しい雰囲気で、嵌めることを躊躇われる。
「そ、それは……」
「装備品か?」
「まあ、そうですけど……」
やけに歯切れの悪い答えだ。僕は指輪をじっくりと眺めてみる。
「も、もう私のは良いですから! ミンティさんのを見せてください!」
「と言われても」
僕の持っているアイテムのほとんどは、余計なもの。
見つけた傍から買っていくので、僕の所持金はがらくたに姿を変えてストレージに収まっているのだ。
「特筆するような僕の持ち物――」
思い当たってしまった。
他のプレイヤーが持ち得ないアイテム。
一つは消えてしまい、一つは谷底へ。一つはさっきどこかに行った。
そして一つは、目の前の少女が持っている。
「なあ、リコリス……」
「なんでしょう?」
これから僕は、彼女に真実を告げる。
「愛別離苦、持ってるじゃん?」
「はい。これです」
リコリスは腰に装備していた愛別離苦を見せた。禍々しい造形の短剣が、確かにそこにある。
「それと……」
僕は装備している外套――無彩のマントを外し、背のハルバードも置いた。
ヘッズも呼び、最後に隠していた首飾りを置く。
「こいつらと、フルンティングに今は無い金貨十枚。全部で七つだな」
「? そうですね」
リコリスは不思議そうな顔でこちらを見ている。七つのアイテムの関連性が分からないのだろう。
「実は、このアイテム全部、僕のアカウントの特典で貰ったんだ」
「え、それってつまり、ミンティさんのお父さんのアレ的なやつですか」
アレ的なやつです。
僕は頷き、リコリスと目を合わせた。
「僕が強くなれたのも、このアカウントのお陰なんだ。黙っててすまない」
「……それで?」
リコリスは、何故? という顔をしていた。
「いや、言うべきかなー、って」
「はあ、そんなこと今関係ないんじゃないですか?」
「マジすか」
「だって、ミンティさんが卑怯者なのは知ってますし、攻略サイトに載ってないもの持ってる時点でそういうことだろうとは思ってました。それより、作戦会議ですよね?」
その眼は嘘をついていなかった。
リコリスは僕が思っていたよりも、ずっと肝の据わった女だったようだ。
「そ、そうか、よし、じゃあ僕のアイテムのガラクタから有益そうなものを探すぞ!」
「はい!」




