入学試験
5年経ち10歳になりました。少し今までの話をしよう。
まず、決意を固めた俺は村の外に出て弱い魔物を倒した。少し強いのがいても単体なら、不意をついて倒した。勝てないとわかったら迷わず逃げた。ここで死んで終えば全てが無駄になるからだ。討伐のついでに色々な魔法や武術系など戦闘に関わるスキルを手に入れ、Lvを上げた。
半年が経ち、村の周辺では、物足りなくなったから、各地を転々と回った。その頃にはBランクの魔物でも楽に討伐できるようになった。
更に半年が経ち、6歳になったので冒険者に登録をした。ちなみに、冒険者登録は6歳からだ。場所は王都。ちなみに王都の周りは強い魔物が多く、たくさんの冒険者や騎士がいる。更には最高難易度の迷宮まである。そんなところで俺は活動している。そして今に至る。
「真央、これ宜しく。」
「はいはい。見かけによらずやっぱり強いよね、神威君は。」
真央とは、ギルドの受付嬢である。俺はギルド関連の事を全て真央に任せている。理由は別に可愛いからではない。・・・可愛いけど違う。ただ単純に俺が登録した時に担当したのがこの人だったからだ。だが、この人にはちょっと問題がある。
「やー、本当にSSランクの依頼をクリアするなんてね。流石は、最年少EXランク。ねーねー、お姉さんにステータス見せてくれない?」
そう、これが問題なのだ。ステータスとは冒険者にとっては生命線と言っても過言ではない。ステータスを見せるということは、相手に弱点を教えるようなものだ。
「流石に真央でも無理だよ。もう諦めなって。」
「いいじゃない。減るもんでもないし。1回とはいえ、EXランクの討伐依頼も達成している神威君のステータスは、ギルド内では今最も知りたいことの第2位なんだよ。」
そう、俺はEXランクの依頼を受けてクリアした事がある。あの時は死にかけたが、俺もあの時から成長しているので今度は苦戦はするかもしれないが前より楽に勝てるだろう。っていうか俺のステータスって、そんなに知りたいか?いや、見せないけどさ。
ちなみに俺のステータスは強くなった。
【ステータス】
神威
人族
レベル528
HP 285000
MP 350000
STR 125000
DEF 125000
AGL 150000
スキル
隠蔽 Lv100
隠密 Lv100
魔力支配 Lv100
詠唱破棄
ユニークスキル
レベルアップ速度促進
レベルアップ時特大補正
スキル取得簡易
スキル合成
武術の極み
魔術の極み
称号
イケメン超越者
力を欲するもの
武術を極めし者
魔術を極めし者
超越者
頂点に君臨する者
EXランク冒険者
となった。〜の極みというのはそれ系統のスキルを合成したら出来た。しかも何故かユニークスキルになった。
「ちなみに第1位は何ですか?」
「それはね、あなたに恋人がいるか、いないかよ!」
何故かビシッとポーズを決めてドヤ顔で言ってきたんですけど。俺どういう反応すればいいんだ?
「受付嬢ってそんな事を気にするのか?冒険者との恋愛を目指す人もいるのか?」
「人によるよ。ちなみに第1位は神威君ですよ。」
「煽ててもステータスは見せないぞ?」
「本当なんだけどなぁ?」
真央は事あるごとに俺の事をイケメンにしようとする。理由は恐らくステータスが見たいから煽てているのだろう。
「もういいですよ、神威君の無自覚は酷いですね?ちなみに彼女とか、好きな人はいるの?」
「彼女はいないよ?好きな人はいるが、友達としてとか、人格が好きというだけでこれといって、恋愛系統の出逢いはないな。」
「えーー!?勿体無いな。あっと、忘れてた。神威君ってもう10歳だよね?」
「そうだね。それが何?」
「どの学園に通うのかな?と、思って。」
そう、10歳から15歳まで学校に通うことが義務付けられている。俺も今年入学する予定だ。
「そんなことか。この街のバラトリア学園の戦闘科。この街だし、用があればギルドにも来れるし、一応訓練もしてくれるから。」
学校には様々な学科があり、将来冒険者や騎士として活動したいなら戦闘科、商売をしたいなら生産科、他にも奉仕科などがある。
「訓練って、神威君、まだ強くなりたいの?」
「ああ。」
「まぁ、私がとやかく言うことでもないしね。頑張ってね。試験。」
「ありがとう。」
「どういたしまして。・・・・・ねぇ、今気がついたんだけど試験ってもしかしてこの後よね?時間大丈夫なの?」
「・・・・・あれ?明日じゃないんですか?」
「今すぐ帰って確認しなさい!」
「イエス、マム!」
俺は急いで家に帰った。ちなみに俺の家は他の人と比べて小さい。理由は一人暮らしだからだ。EXランクの依頼料でかった。それはさておき、書類を確認したら、本当に今日、しかも後30分。真央に感謝せねば。
ということで、ギリギリ間に合いました。入試。部屋に入るとそこは、訓練場のような造りになっておりそこに、戦闘科の入学希望者が集まっている。戦闘科の試験は、実力だ。なので恐らく、ここで戦闘するのだろう。
「時間になったので試験を始める。名前を呼ばれたものは試験官と戦い、実力を測らせてもらう。では初めに、・・・」
順番は貴族が呼ばれ、その後に名前順に呼ばれる。この学校は貴族が多いため、まだまだ時間がかかりそうだ。
「つぎ!白井 雪菜!」
そんな事を考えていると、とある貴族が呼ばれた。
白井家、水魔法の上位互換である、氷魔法の使い手を数多く輩出。その、白井家の中でも天才と呼ばれるのが彼女、白井 雪菜だ。
さて、お手並み拝見といこうか。
「では行くぞ!はぁぁぁ!」
そう言って試験官が模擬剣を使って攻撃しようとしてきた。俺から見るとお粗末なことこの上ない。白井もそう思ったのか、そっとため息をつき手をかざした。すると、試験官の着地地点に氷が張られ試験官が滑って転倒、立ち上がろうとするが白井が模擬剣を首に添えて終了。
まさか詠唱破棄のスキルを持っているとは思はず俺も少しだけ驚いた。
「いや、噂には聞いていたがここまでとは。」
「ありがとうございます。」
それだけ言うとその場を離れてまた、試験が再開された。
俺が呼ばれたのは最後だった。俺の前が慎吾とかいうやつで、みんな俺より速かった。ていうか、速すぎ。俺、「し」だぞ。「あかさ」のイ段だよ。おかしいだろ!最後ということでみんなに注目される。凄くやりづらい。
「お前が最後か。よし、構えろ。」
俺は考えた。どうやって勝とうかを。そして閃いた。俺はそっと白井の方を見た。あちらも見られたことに気づいたのだろう。首を傾げている。
「行くぞ。はぁぁぁ!」
試験官が模擬剣を使って攻撃しようとしてきたが、俺が手を翳すと、床に氷が張られ試験官が滑って転倒、立ち上がろうとするが、すかさず模擬剣を首に添えた。
「あ?この負け方ってさっきと同じ?」
「ありがとうございました。」
俺はお礼を言って下がった。もう一度白井を見ると、目を大きく見開いていた。
試験官が動揺から立ち直ると
「試験の結果発表は一時間後に、校舎の中庭に貼り出されるので見るように。解散!」
と言ってどこかへ行った。
俺が帰ろうとした時、声をかけられた。
「私、白井 雪菜っていうの。あなたと少し話がしたいのだけど大丈夫かしら?」
ヒロイン登場か!?