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何してたんや

作者: 可零 蹴

 会社勤めをしていると季節物か風物詩と呼んだほうがいいのだろうか、人事異動なるものがある。


 仕事で前行程を管理している部署に出向くと、異動してきたばかりの鳴門というかなり丸い男が先輩社員に怒られていた。

「さっき俺、何言ったか覚えてないのか」

 何やったか知らないが異動してきたばかりにそんな怒っても仕方ないだろうと思い、俺は少しばっかり口を出してしまった。

「鳴門言ったれ、日本語でしたって」

 鳴門の動きが止まった。先輩社員の顔がゆがんだ。心情は読めないが笑いを堪えているのだろう。周りはクスクス笑っている。

「ちょっとお前は黙ってろ。こんなん初歩の初歩やど」

 ミスの内容は単なる確認ミスだ、専門的なことは省くが次行程に俺らの部署に多大な迷惑がかかることは間違いなかった。

「すいませんでした」

 必死におじきをし必死に謝る鳴門。ちょっとかわいそうになってきた。フォローの一つでもいれてやるか。

「そんな怒らんでも、前の部署でもがんばってたもんな」

「ほんまかよ、前の部署でほんま何してたんや」

 怒りもおさまりつつ言葉使いがやさしくなった。ここは少々ボケても問題ないだろう。

「鳴門言ったれ、DSとPSPをやってましたって」

 鳴門がブっと吹き出した。周りは笑う人間多数、これでなんとかごまかせるだろう。

「お前帰れぇ、何しにきたんや」

 怒りの沸点を越えて気化したようだ。今までより一段とでかい怒鳴り声部署中にが響いた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 大阪弁がいいですね。文章はお上手ですし、人物描写もいい。世界観がわかる。 [気になる点] ちょっとオチが弱いかと。もう少しひねりがほしいですね。 「さっき俺、何言ったか覚えてないのか」のセ…
2011/09/07 07:05 退会済み
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