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日本の高校を金の力で支配する悪役令嬢に反逆した高校生男子の話

作者: 山田 勝
掲載日:2026/06/06

 我が高校は悪役令嬢に支配された。


 まるで中世ラブロマンスの世界からやってきたような見た目と服装のオリビア先輩が転校してきてから我が高校は変わった。

 悪役令嬢一極支配だ。その支配方法は・・・金だ。



「オ~ホホホホホ、ヤマベ様、これを受け取りお友達になって下さいませんか?」


 チャリンと本物の金貨が入った小袋をメイドになった女子生徒が渡そうとするのを俺は手で制して断った。


「オリビア先輩!友達料を払い友達になってもらう・・・それは間違いです」



「あら、お金で解決することはそれに超したことはないのよ。この学校で私のお友達になってないのは貴方だけですわ」



「断る!お金で解決できないこともあります」


 オリビア先輩の顔は動かないのに風もないのに縦ロールが揺れた・・・



「そう。ならば叩き潰すわ。生徒会の皆様、リングの準備よ。これからプロレスをしますわ」


「なっ、何故、俺はプロレスなんて・・」

「あら、正義のヒーローは敵が出した条件は全て飲むものよ。それが少年誌のヒーローの鉄則だと習ったわ」





 これはイジメか?先生もオリビア先輩の言うがままだ。きっとレスリング部の主将が出てくるのだろう。


 だが、オリビア先輩は俺の心を見透かしたように扇をビシィと向けて言い放った。



「馬鹿ね。やるなら私自身自らよ!」



 



☆☆☆



『オリビア、サニーを虐めたな?』

『殿下、婚約者のいる殿方に近づくなと言っただけですわ・・・』

『それが虐めた!オリビア、君の顔は怖い。おお、サニー、怖がったであろう』

『殿下ぁ、怖かったですわ』



 婚約者である王子は平民の子、サニーを侍らせるようになった。


 ある日、思わずサニーをビンタしてしまったわ。



『学園裁判判決!公爵令嬢オリビア嬢を異世界に流罪とする!』


 そう、私はこのニホンという魔法もない世界に流されたわ・・・・




 ・・・・・・・・・・・・・・




 今、やっているのはプロレスだわ。

 プロレスは良い決着方法だわ。

 まず立ち間接技だから、ギブアップをすれば怪我はしない。


「お卍固めですわ!ギブアップをなさいませ!」

「す、するものか!」


 まあ、これでは骨を折ってしまいますわね。

 技を解いて、足をかけて寝転がせて・・・



「オ~ホホ、ストンピングキックですわ!」

「ま、負けないぞ!」



 仕方ないですわね。

 一端、攻撃をやめると、ヤマベとやらははいつくばってロープに逃げようとするわ。


 だから、後ろから抱きついてチョークスリーパーよ。


「ウウ、ウワー」

「オ~ホホホホホ、もがけば更に締まりますわ」



 足はヤマベに絡め。体は密着したわ。


 1分ももたずにヤマベは失神したわ。



「保健室に連れて行きなさい」

「「「はい」」」



 もう、これに懲りただろう。

 だが、ヤマベは次の日も友達料を受け取らなかった。



「断ります」

「そう、また痛めつけられたいのね・・でもね」


 ヤマベはプロレスは下手くそだ。これでは怪我をする。

 だから練習をさせた。





「オ~ホホホホホ、貴方、私に挑むのは受け身を練習してからなさいませ」

「だ、だから、何故、プロレスなのだよ!」



 下手くそだわ。私はYouTubeで習ったわ。


 何故、この世界の人はこんな便利な道具があるのに学ばないのだろう。





 ☆☆☆



『オリビア、家庭教師は来ないわ。自習をしなさい』

『はい、お義母様』



 本当は嘘だわ。実の子に良い家庭教師につけ。私への教育はなおざりだわ。

 お父様は忙しくて屋敷に戻ってこないわ。


 だから、学んだ。本だけではダメだわ。

 執事から帳簿の付け方を直接習い。

 知らない事は聞きに行った。


 この世界は、こんな便利な魔道箱と本は山と積まれた本屋があるのに。



 ・・・・・・・・


 




ある程度、ヤマベにも型が出来たが、まだ、投げるのは躊躇するレベルだ。

 だから、




「ウワー、オリビア先輩、伝説の技、拝み渡りだ!」



 拝み渡り・・・私はトップロープに登り片手でヤマベの手首を決めながらまるで綱渡りのように歩きヤマベを引きまわす。もう一方の手はまるで拝むように手を合わせているわ。



 そう、これは感謝でもある。プロレスは相手があって初めて成り立つ競技だわ。



「すげー、ネタ技だけど、これは体幹がしっかりしてなければ出来ない」


 観客の誰かが本質を見抜いているわね。



 私はカップを頭に乗せてダンスの練習をしたわ。義妹についたダンス教師から技を盗んだわ。



 リングを一周回ったら、飛び上がって感謝のチョップだ。


「ウワ!」


 さすがにヤマベは気絶したわね。

 それからも毎日ヤマベを痛めつけ。屈辱を味合わせたわ。




 来る日も、来る日も・・・・


 あら・・・


「何で、ヤマベは毎日痛めつけているのに登校するのかしら・・・」

「オリビア様・・・それはそれが目的になったのではないですか?」


「あら、意味不明だわ。痛めつけられて喜ぶ殿方なんていませんわ」

「いるみたいですね。もうやめた方が良いかと・・・」



 側近に相談したら現実になった。


 ヤマベ1人ではなくなったのだ。



「オリビア先輩!僕も反逆します!」

「ヤマベ君に賛同します」


「あら・・・皆様・・・」



 いつからだろう。お金で人の心を支配出来ると思ったのは・・・



「友達料はいりません!プロレス対決して下さい!」


 反逆者が10人超えたわ。


 負けたわ。

 お金よりも心をとる人がいるなんて。



 その時、祖国より呼び戻しの使者がやってきたわ。


「オリビア嬢、ニホン流しの刑は終わった。王命だ。王宮に戻るが良い」

「あら、御使者様、殿下のご様子は?」

「変わりない。サニー嬢を侍らしている」


「そう・・・」


 私はここで学んだ。人の心は金では買えないと・・・


「私の負けだわ。ヤマベ様、貴方の言うとおり私は間違っていたわ」

「そ、そんな。プロレスは?」

「もう、おしまいだわ。学校は返すわ。後は好きしなさい。私は国へ帰りますの」



「そ、そんなー!」

「「「ヤマベだけズルイ!」」」


 私が帰るのがよほど嬉しいのだろう。


 皆、涙を流して喜んでいる。


「オリビア様!」

「せめて、プロレスを・・・」



 流刑地のこいつらを蛮族と見くびっていたが金をはじき返すとは・・・


 私は負けたと思っていない。だが、あえて言わせてもらいますわ。



「皆様、おめでとうですわ!」


 とね!





最後までお読み頂き有難うございました。

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