ほな逝こか
お気楽な少年、清楚でお人好しな女神様。
「ほな逝こか」
「あれ、記憶がない」
気付いたら真っ白な空間。
俺(俺って自分のことを言うのか、へえ)と、女神(なんとなく女神ぽい)、2人だけいる。
「気付きましたか」
「はい」
何に?
「貴方は、異世界に行くことができます」
「ありがとうございます」
「どんな人として生きたいですか?」
笑顔で女神に聞かれる。
アクション映画、俺は好きだったなあ。
なんとなく、思い付いた。アクション、映画、よくわからないけど、わかるような。
「勇者になりたいです」
「わかりました。では、勇者として、魔物と戦っている異世界に行って下さい」
「ありがとうございます」
そして、
「おおっ! 召喚が成功した!」
気付いたら城にいた。
前には王様、テンプレ(テンプレってなんだっけ)、小太りで、王様らしい衣装。
横には兵士たち。なんか強そう。
「この世界には魔王という奴がいる。その魔王とその部下である魔物たちに我々人類は困っておる。
救ってはくれぬか?」
「わかりました、ありがとうございます」
そして、
「GUGYAAA!」
魔物(ゴブリン。ゴブリンってなんだっけ)が、こん棒を持ち、叫びながら襲ってくる。
俺は、
「魔物だって生きてるんだよなあ。
ほな逝こか」
無抵抗で撲殺された。
「あ、帰ってきた。ありがとうございます」
真っ白な空間、俺と女神、2人きり。
俺の格好は最初の姿(勇者じゃなくて)に戻っている。
「…」
「…」
なんか、すごく涙目で怒っている。
罪悪感がする。
「どうして、最初の魔物で死んだのですか?」
「魔物も生き物だから」
「…はーっ。
優しいですね、貴方は」
「ありがとうございます。
いいじゃないですか、俺が優しいってことに気付きました」
「そうですね、貴方は優しすぎます」
「ありがとうございます」
「では、次はどんな人で生きますか」
商業高校って格好いいよなあ。
「商人で」
商業高校ってなんだっけ。
読んで頂き、ありがとうございました。
元々の発想は、絵本の『ぼちぼちいこか』です。パクりにならないよう、私なりにアレンジしました。面白い絵本なので、ぜひ読んでみてください。
本当に、ありがとうございました。




