表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
合体ブリキング  作者: 愛加 あかり
4/4

脳筋ケアク

睾丸には、別な使い道があった。

受付嬢の胸が、バインバインになるほど、大きくなっている。



 俺たちは、急いで冒険者ギルドへ戻り。

 3人で、睾丸の換金をお願いした。


「こんな汚いモノを、カウンターに出さないで下さい」


「えっ。オークの睾丸は、貴族どもに高く売れるって、コイツが」


「いつの時代の話を、なさっているのですか。オークの睾丸が、精力剤と言われたのは、遥か昔の話です。おとぎ話の世界ですよ」


 俺とコルシューは、ケアクを睨んだ。


「ダークエルフさんを、悪く言うのは辞めてくださいね。仕返しされたら、この村は一瞬で吹き飛びますから」


 俺たちは、大きな瞳をウルウルさせながら、受付嬢に聞いた。


「討伐の証の耳は、買い取ってもらえますか」


「それなら大丈夫です。討伐をして頂き、有難うございます」


 俺たちは、睾丸を床に払い落として、収納ボックスから、討伐の証を取り出した。


 後ろの方から、カカの声がした。


「死ぬ訳は無いと思っていたけど。久しぶりね、ケアク」


「カカも、久しぶり。元気だった」


「全然元気よ。幾つだと思っているの、まだ141歳よ」


「あら、オークの睾丸じゃない。珍しいわね」

「今の貴族たちは、オークの睾丸を買い取らないらしいの、知ってた」

「人間の貴族たちは、買わなくなったけど。ダークエルフが、買うわよ。森の薬草で、支払わさせて」


 俺とコルシューは、床に落ちた睾丸を拾い上げて、カカに渡した。


「新鮮で、申し分ないわ。ケアクの分も、お支払いしないといけないわね」


 カカは、収納ボックスから、大量の薬草を取り出し、コルシューに渡した。

 コルシューは、受け取った薬草を、そのまま、カウンターに置き。キルトに買い取ってもらった。


「お支払いは、6000パルナです。討伐料も、込の値段です」


 俺は、ブリキの体で、ガッツポーズを決めた。

 嗚呼、ガッツポーズを、決めたさ。恥ずかしい。


「何で、800パルナなんだよ。均等に分けて2000パルナだろ」

「1500の間違いじゃないのか」

「計算できない奴は、黙っていろ。脳筋」

「私、脳筋じゃない」

「はいはい。脳筋じゃないから、黙っててね」


 コルシューは、全ての金を管理しようとしている。パーティーを組んだから、少しは任せようとしていたが。

 半分以上は、取り過ぎだろうと思っている。


「おい、ガラクタ。仮に、2000パルナを手にして、何をする気だった」


「決まっているだろ。強化だよ、強化。武器屋に行って、硬そうな物を口にする」


「残念、不正解です。明日も、睾丸を取りに行くので、少し強度が上がっても意味を持ちません」


「明日も、ファイヤーブリキングになれるのか」


「なれません。ホーリーブリキングのレベル上げが大事なのです。ファイヤーブリキングなんて、いりません」


「よし。明日の為に、いっぱい食べて置かないとな」


「面倒くさいな。話も進まないし」

「ガラクタは、ゴブリンとオークの鉄くずを食べればいいのよ。いい、私たちは、南の魔女を討伐するのが、今の目標なの。お金を貯める事も必要なの。ケアクみたいに、脳筋判定付けるわよ」


「分かったよ。だけど、無駄遣いしたら許さないからな」


 3人は、村ゆいつの宿屋へ向かい、3部屋取った。


 暗くなって、コルシューが水浴びをして。

 次に、ケアクが行水を行った。


 翌朝、早くから冒険者ギルドへ行き。異常な光景を目にした。


 カカの胸が膨らんでいる。膨らんでいるなんてモノでわ無く。推定Dカップの持ち主だ。


「どうしたのですか、その胸は」


俺は、突っ込まずにいられなかった。


「昨日の睾丸と、エルフの秘術を掛け合わせただけよ。少し、多く作りすぎたから、ギルドで買い取ってもらうの」


 カカは、そう言って、カウンターに、栓のされた試験管を見せた。

 中身は紫色をしていて、プクプクと泡が立っている。


「これは、何ですか」


 胸に疑問を持ったが。突っ込ま無かった。


「バストアップの薬だ。副作用は無く。1週間でもとに戻る。エルフの秘術だ」


「私の体で、試してみても宜しいですか」


 受付嬢は、返事を聞く前に試験管を手に取り。栓を抜いて、上を向きながら。一気に飲み干した。


『痛て』


 受付嬢は、真っ白なブラウスのボタンを、俺の顔に飛ばして。バストアップは、成功した。


「どうです、信用してもらえましたか」

「買った。全てを、私が買い取ります」


 ギルドでは無く、個人で所有しようとしている。


「村の者にも、渡すので、七本だけ降ろさせて下さい」

 「分かりました、10500パルナで買い取りさせて頂きます」


 それでも、隣のコルシューには、かなわなかったが。受付嬢は、胸の重さを実感していた。


「何よ、こんなモノの何がいいのよ」

「そうだ、重たいだけだ。戦闘には不向きだ」


 コルシューは、共感では無く。羨ましがって欲しかったのに、違う答えが返ってきて。脳筋とは、合わないと感じていた。


 俺たちは、昨日の襲われた地点へと戻り、そこから森の奥へと進もうと考えていたのだが。

 先人が、荒らした後だった。


 昨日の薬草のやり取りを見て、オークの睾丸を目当てに、出し抜かれた。

「森の薬草狙いか」


 大量に、オークとゴブリンの死体が転がり。オークからは、睾丸が抜き取られている。


「私の大事な収入源を奪うなんて、なんて奴らだ」

「そうです。敵が現れないと、ファイヤーブリキングに、なれないじゃない」


「ならんで宜しい。ホーリーブリキングの援護だけやっていたら、日が暮れますから。指を咥えて、見ているだけでも、構いませんよ。邪魔をしなければ」


「お前こそ、ブリキングから離れろよ。これから、この森の魔物を死滅させるのだから」


「無理だと思いますよ。僅か30体程度で、尻餅を付いているようだと、先が思いやられます」


「昨日は、初めてだったから、コツが掴めなかっただけだ。今日は、倍の60体を倒してやる」


「それにしても、私たちの獲物は、どこに隠れているのでしょうか」


「オレからも、一言いいか」

「「どうぞ」」


「ケアク、何故ビキニアーマーのママなんだ。服を買えって言ったよな」


「昨日は、クタクタだったから、ベッドで横になったら寝ていたんだよ。気付いたら夜で。少し、汗臭かったから、水浴びして、もう一度寝たんだ」


「コルシューは、何でノーブラのままなんだ。付け忘れたわけじゃないよな。そんなメロンみたいなヤツを、2つ抱えて。乳首の位置分かるぞ。それと、手首に巻いてあるレース。シュシュじゃないよな」


「な、何を言っているのかな。コレは、シュシュですけど。そっかー、道理で乳首が擦れて痛い訳だ」


読んでいただき、有難うございます。

高評価、星とブックマークを宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ