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五
塗り薬が変わった。一日数回の塗布から一日に一回の塗布に変わった。その軟膏のおかげか痛みはさらに減った。靴下に貼っていたクッションも外した。
調剤薬局では飲み薬の容量を変更しないかとドクターに言われてないか、聞かれたが、ドクターは何も言ってなかったと告げた。
飲み薬と軟膏のおかげでだいぶ軽減されたが、逆に言うと飲み薬とぬりぐすりがないとやはり痺れ、疼き、じんじんとした感覚が生じてしまうのだ。これは、この疼きが完治する時は来るのだろうかと思いつつ薬を飲み、薬を塗る。自分ばかりがこんな症状になっているのか。テレビのCMでひりひり、びりびりの神経痛に、との旨のサプリメントのCMを見た。ということは他にもいるのだろう。それでもやはり他人からは見えない。この間、靴を履いている自分を他人はそんな症状があるなんてきっとわかっていないだろう。
翻って、他人の何が見えているのだろう。