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第91話 風雷ラジオ同時視聴伝説

「お前ら、こんきらー。今日は家からです」


※『自宅から静かめはづきっちきた!』『外にいないとあんまりキョドらないから新鮮だよな』『黙ってれば美少女なのに』


「うううううるさい!」


 コメント欄をペチペチ叩く。

 コメント欄、触れるんだよなあ。

 不思議。


 リスナーから見ると、画面から私が手を伸ばしてきてコメントのところをペチッてるように見えるらしい。


※『はづきっちに叩かれているようで』『これはこれで興奮する……』『不思議な技術だよな』『昔発見された、魔法が科学と一緒に使われてるんだろ?』


「ほへー。魔法って現代魔法とはまた違った?」


※もんじゃ『現代魔法は、その魔法を解析して科学的に再現したものだ。魔法は異なる世界からもたらされたとも言われているが、同時に古代に存在していたものを発掘して再生させたものとも言われている。恐らく、同時に複数のアプローチが行われたのだろう』『有識者~!』


 もんじゃ、あまりにも詳しすぎる。

 そう言うジャンルの研究者の人だったりして。


 ありうる……。

 なんかありとあらゆる業界の人がいそうだもんね、うちのリスナー。


「勉強になってしまった……。あ、えーとですね、今日の配信は同時視聴です」


※『同時視聴?』『この時間帯の同時視聴というと……』『風雷ラジオか!』


「風雷ラジオ、正解! 実は今日、メイユーさんと委員長と三人で外をブラブラして……」


※『えっ、大物二人と!!』『何したの!? 教えて!』


「ふっふっふ……。そのうち編集した動画を出すと思います」


 喫茶店で涼んだ私たちはまた学校へ突撃。

 守衛のおじさんにスポーツドリンクを差し入れて感謝されたり、職員室を覗きに行って当番の先生と談笑して麦茶を飲んだりしてきたのだ。

 休みの学校、楽しかった……。


 別世界だなあ。

 新しい喜びを教えてもらってしまった。


 まあ、ひとりきりだと私はやらないと思うけど!

 今回の体験談をお話したら、あの先生がリスナーにいた場合身バレしてしまう!

 ということで詳しい話はできないんだよねえ。


『風花雷火の……風雷ラジオ!』


「あっ、始まった!」


 風花委員長が、風紀委員会室にゲストを迎えるという形式で行われるインターネットラジオ。

 本日のゲストは国際的で、たまたま日本に来ていた中国の大物配信者、鉄爪機甲とか、鋼の姫とか呼ばれるメイユー。


 うーん、モニター越しの彼女も美人だなあ……。

 だけど私、メイユーのお顔を二日間連続で、すっごい間近で堪能しちゃったもんね。


「ふふふふ」


※『なんか得意げな顔してるぞ』『そ、そうか! こやつ、昨日も今日もリアルでメイユーと会ってるんだ!』『これがはづきっちのドヤ顔……』いももち『ドヤるはづきちゃんかわいい。収録の疲れが抜けていく……』


「まあまあ、表に出せる話はしますけどね……ふふふふふ」


※『(#^ω^)ピキピキ』『俺らがはづきっちに煽られる時が来るとはな……』『メスガキならぬあひガキ』


『実は今日、メイユーとわたくしと、あとお一人でお散歩を楽しんじゃったんですよね』


 きたきた。


『うんうん。日本の観光地化されていないところ、独特の良さがあるわ。ハヅキには感謝しなくちゃね』


『あーっ、先に名前を出されてしまいました!』


『いつまでももったいぶるライカが悪いわよ? 美味しいものは真っ先に食べちゃう主義だから、私』


『えっちですねー!! わたくしそういうの大好き……ゴホン!おほん! ええと、えっちなのはイケないと思います!』


「あはははははははうひひひひひいひひひひひひひえへへへへへおほほほほほほえっほげほ、げほげへげへっ」


※『超笑っとるw』『はづきっち笑いすぎてむせてるやん』『ツボったかw』『ひたすら笑ってるはづきっちを見るとなんか元気になるな』『というか同時視聴なのにコメントせずに見てるんじゃないw』


「あ、ご、ごめんなさい。ちょっとコーラ飲みます」


※『水分補給用にコーラを用意する女』『喋るかと思ったらコーラ飲んでて草』『流石だわ……』


「ああー、糖分が行き渡ります……」


※『はづきっち配信をやめると太りそうだな!』『ちゃんと運動しろよ』


「は、はい気をつけます。今は配信ない日でも早朝か夕方にランニングしてます……」


※『はづきっち、意外とこういうところ勤勉だよな……』『そしてますます体が鍛え上げられていく』


 私がリスナーとお喋りしていたら、ラジオでとうとう私たちが学校を見に行った話に差し掛かったようだ。


『ハヅキのハイスクールを見に行ったの! 刺激的だったわ! 日本に来て本当に良かったわ……。人気ひとけのない廊下、教室から見えるグラウンド、職員室で飲むお茶……』


「ひい、身バレ情報!」


※『おいw』『分かってても自分で言っちゃいかんw』


「うっ」


 慌てて口を塞ぐ私なのだ。


※『時既にお寿司』


「お寿司好きです。酢飯ほぐしてネタを乗せて海鮮丼にするの」


※『寿司への冒涜~!』『どんぶりめし大好き女子高生である』『推せる』


 その後、委員長とメイユーがひとしきり私との町中観光を話した後、話題はお互いの思い出話になった。

 積み重ねられた二人の歴史を感じる~。


※『しかしここで話題になるとは……』『はづきっちも随分でかくなっちまったな……』たこやき『初期から見守ってきた身としては感慨もひとしおだ』おこのみ『初期から期待してたことを全部やってくれてる……』


 みんなしみじみしちゃった。

 と、ここでザッコを通じて兄から連絡が届いた。


『依頼していた歌ってみた動画が完成した。基本的にお前が歌ってる姿の編集だが、これが一番最初の歌みた動画としてはらしいだろう。後でアップしておく……』


「ひぃっ」


※斑鳩【この後プレミアム公開にて、きら星はづき初の歌ってみた動画が公開されます! 配信終了後に表示されるリンクから飛んで下さい】


「ひぃー、お兄ちゃんやめてー! それはテロだよー!!」


※『はづきっちの歌みた!?』『やばい!!』『見る見る!』『嬉しい不意打ちだよー!』


 私にも不意打ちだよー!!

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 毎回予想していたのとは違う展開ばかりです。 はっ! コレは怨霊共の予知が外れまくった時の気持ちの追体験?!
[一言] うわーっ! 追い込まれていく!
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