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第一話

これからよろしくお願いします。

ふと目を開けるとそこは真っ暗で一寸先も見えないような闇だった。暗闇に目が慣れるまで時間を要したが少し進んだ先に上に登る階段を見つけた。階段を登りきると少し明かりがあり、ここが地下墓地であることが分かった。取りあえず出口を目指す。ここが具体的にどこなのかはわからない。そもそも自分が誰なのか分からない。しかし自分は戦士か何かだと思う。帯刀しているし盾も持っている。剣を振れるか甚だ疑問だが、化け物がでないことを祈るばかりだ。しかし何も起きないはずもなく目の前にいるのはスケルトン。やるしかない剣を抜き構える。




「やるしかないんだ ビビるな ハァアアアアアアアア!!」


 声を上げ敵に切りかかる。 意外とすんなり剣は狙いどうり敵の首を刎ねた。とたんに安堵の波が押し寄せる。それと同時に何かが自分の中に流れ込んでくる。なぜか心が満たされていく。気分がいい。自然とほかの敵を求めて上へと歩き始めた。




 あれからスケルトンを5体ほど倒したが最初程気持ちのいいものではなかった。あの快感がもう一度来る前に出口を見つけた。走るとにかく走る。外の景色を求めて。そして自分目に映ったのは見渡す限りの平原であった。思わず立ち止まってしまう。


「なんてきれいな大地なんだ。さっきまでの場所と大違いだ。」


 しばらく周りを見渡していると遠くに街を見つけた。取りあえずそこまで歩いてみることにした。道中馬車のようなものがあることに気づき駆け寄ってみる。ひどい有様であった。この馬車の持ち主であろう男性はズタズタに切り裂かれその妻であろう女性はひどい暴行を受けたようだ。苦悶の表情で死んでいる。生き残りはいないだろうと思いそのまま進もうとするとかすかに泣き声が聞こえてきた。荷物で見えなかったがそこには少女がいた。


「パパ ママ ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい」


 永遠とごめんなさいを繰り返しているこの子に話を聞こうと話しかける。


「きみ 名前は? ここでなにがあった」


 それまで俺の存在に気づいていなかったのだろうか驚いた顔でこちらを見つめて彼女は言った。


「パパとママが死んじゃった。 私をかばって 私が無理についていくなんて言わなければ」と彼女は大きな声で泣いた。彼女が泣き止むまでずっと傍にいたのがよかったのだろうか 彼女はぽつぽつと話し始めた


「私の名前はね リリーっていうの あなたは?」


「それが自分でも誰なのか分からない それよりもとりあえず街へ向かおう 君の家族を襲ったやつらが近くにいるかもしれない」「それじゃあ パパとママは?」「置いていくしかない」「嫌! 嫌! 嫌! 嫌!」「だめだ はやくいこう せっかく君の両親が助けてくれた命だ。 無駄にするな」


最後の言葉が効いたのだろうかしぶしぶといった様子でリリーは歩き始めた。


 道中リリーは気を紛らすためでもあったのだろうが頻繁に話しかけてきた


「あのね まだ お名前きいてないよ」 「だからわからないんだ」 「じゃあ わたしがつけてもいい?」だまってうなずく 「じゃあね リオン!!」 「リオンか ありがとう いい名前だ」


リリーは少し笑いながら「もう少しでゼリオンの街だよ リオンの名前もこの街の名前からとったよ えへへ」


門から入ろうとして門番に止められる。


「この辺じゃあ 見ない顔だな どっから来た」 「向こうにある墓地から来た」 「はあ 冗談はやめろ あそこは死人のための場所だ 生きてるやつにとって近づきたくない場所だ お前 あやしいな」


「リオンはね わたしを助けてくれたの」 「リリー 父さんと母さんはどうした」 「死んじゃった むこうで襲われて」とリリーは泣きながら言う。 「なんだって!? それは本当か 急いで知らせなければ


おい そこのお前リリーをつれてギルドに行け 頼んだぞ」そう言って門番は走っていった。


「リリー行こう」こうして俺はゼリオンの街へと入った。



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