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194、名曲『卒業』(尾崎豊)の限界

 31年前の1992年4月25日に亡くなられた天才ミュージシャン、尾崎豊さん。その名曲『卒業』の歌詞がこれです。


校舎の影 芝生の上 すいこまれる空

幻とリアルな気持ち 感じていた

チャイムが鳴り 教室のいつもの席に座り

何に従い 従うべきか考えていた

ざわめく心 今 俺にあるもの

意味なく思えて とまどっていた


放課後 街ふらつき 俺達は風の中

孤独 瞳にうかべ 寂しく歩いた

笑い声とため息の飽和した店で

ピンボールのハイスコアー 競いあった

退屈な心 刺激さえあれば

何でも大げさにしゃべり続けた


行儀よくまじめなんて 出来やしなかった

夜の校舎 窓ガラス壊してまわった

逆らい続け あがき続けた 早く自由になりたかった


信じられぬ大人との争いの中で

許しあい いったい何 解りあえただろう

うんざりしながら それでも過ごした

ひとつだけ 解っていたこと

この支配からの 卒業


誰かの喧嘩の話に みんな熱くなり

自分がどれだけ強いか 知りたかった

力だけが必要だと 頑なに信じて

従うとは負けることと言いきかした

友だちにさえ 強がって見せた

時には誰かを傷つけても


やがて誰も恋に落ちて 愛の言葉と

理想の愛 それだけに心奪われた

生きる為に 計算高くなれと言うが

人を愛すまっすぐさを強く信じた

大切なのは何 愛することと

生きる為にすることの区別迷った


行儀よくまじめなんて クソくらえと思った

夜の校舎 窓ガラス壊してまわった

逆らい続け あがき続けた 早く自由になりたかった


信じられぬ大人との争いの中で

許しあい いったい何 解りあえただろう

うんざりしながら それでも過ごした

ひとつだけ 解ってたこと

この支配からの 卒業


卒業して いったい何解ると言うのか

想い出のほかに 何が残るというのか

人は誰も縛られた かよわき子羊ならば

先生あなたは かよわき大人の代弁者なのか

俺達の怒り どこへ向うべきなのか

これからは 何が俺を縛りつけるだろう

あと何度自分自身 卒業すれば

本当の自分に たどりつけるだろう


仕組まれた自由に 誰も気づかずに

あがいた日々も 終る

この支配からの 卒業

闘いからの 卒業


10代だった頃の私は、この名曲を夢中になって何度も聴きました。中学生や高校生の頃に思う学校に対する不満、疑問、批判、怒り、それらの感情を曲を通じて多くのリスナーに届け、共感、感動を呼び起こす「音楽の素晴らしさ」がそこにはありました。1985年1月にリリースされて38年たった今も、教育システムは何も変わっていません。警察の介入を嫌うため悪質化する教室内のいじめ、一斉指導のため続々と見捨てられるおちこぼれ。それに加えて、大卒でないと就職が難しくなったため、学力もない生徒が底辺大学に入って高い学費を絞り取られ、以前よりも「教育」は「凶育」に近くなりました。このような世の中を変える、社会を変革する、という基準でみた時、「音楽の限界」を私は感じるのです。尾崎豊さん自身、理不尽な校則のことで教師と対立した生徒でしたが、その怒りを音楽に昇華することは出来ても、教育システムを変えることは出来なかったのです。そのため、尾崎さんの後輩世代である子どもたちは、今も「いじめられるため」「おちこぼれるため」、毎日学校に通っています。「音楽の限界」にいち早く気づき、実行に移した人物として、『グラミー賞』を22回受賞したアイルランドのロックバンドU2(ユートゥー)のボーカリスト、ボノを私は思い浮かべます。世界で貧困に苦しむ人を一人でも救うため、ロックスターとしての自身の知名度や話題性を活用し、世界各国の首脳や財界人にアプローチして、貧困対策への協力を求め、成功させているのです。ジョン・レノンの「イマジン」の歌詞のようなもので、私の気持ちを代弁したいと思います。


想像してごらん いじめなんて無い教室のことを

ほら、簡単でしょう?

警察の力で加害者はつまみ出され

僕たちの教室には ただ笑顔があるだけ

さあ想像してごらん みんなが

リラックスして生きているって...


想像してごらん おちこぼれなんて無い教室のことを

そんなに難しくないでしょう?

個別指導だからおちこぼれがなく

そして浮きこぼれも無い

さあ想像してごらん みんなが

毎日確実に学力を上げているって...


僕のことを夢想家だと言うかもしれないね

でも僕一人じゃないはず

いつかあなたもみんな仲間になって

きっと世界はひとつになるんだ


想像してごらん 経済力に結びつかない勉強はしないって

あなたなら出来ると思うよ

無意味な暗記力教育はもう無い

稼ぐ力をつけて自信をもって卒業する

想像してごらん みんなが

胸を張っている日本人の姿を...


僕のことを夢想家だと言うかもしれないね

でも僕一人じゃないはず

いつかあなたもみんな仲間になって

そして世界はきっとひとつになるんだ

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