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190、おすすめ本『日本の教育、どうしてこうなった?』&『学力と階層』

今回は、2冊の本の中で印象に残ったところを紹介します。


①『日本の教育、どうしてこうなった?』(児美川孝一郎・前川喜平)より

◎部活動は教員免許状のいらない仕事で、本来、教員の仕事ではないわけです。ですので部活動を指導する、スポーツ指導者という職業をきちんと成立させる政策が必要だと思っています。たとえば午前中は高齢者を指導して、放課後は子どもたち、夜は勤め人たちを指導する。文化・芸術系の指導者も含めてそういう仕組みをつくればいいと思います。

◎私は「高校の学習指導要領はフィクションです」ってあちこちで言っています。学習指導要領どおりに授業が成り立つ学校なんて、そんなに多くない。特に数学。私は数学に関しては、そもそも必履修から外すべきだとずっと思っています。高校の数学で、2次関数とか集合とか三角比とかをやるわけですけど、そのずっと前の段階でつまずいている子がたくさんいるわけですから。少なくとも小学校段階の算数はできないと、社会人として困ると思いますよ。でも中学校までいくとかなり怪しくなってきて、因数分解とか、本当に万人にとって必要な学習内容なのか疑わしいと思います。世界史必修というのも馬鹿げていると思います。

◎私は基本的に修得主義(それぞれの学習状況に応じた学習内容を提供する)で行くべきだと思っています。教えっぱなしでいいはずないですから。履修主義(対象とする集団に対して、ある一定の期間をかけて共通に教育を行う性格を有する)でいいという人の気持ちが私にはわからないですね。それって、落ちこぼれを認めるという考え方ではないですか。やっぱり、一斉指導を見なおさないといけないと思いますね。みんなが同じ黒板を向いて同じことを学ぶというのを見なおす必要がある。


②『学力と階層』(苅谷剛彦)より

◎塾にも行かず(行けず)、家でもまったく勉強しない生徒の学業達成は、学校の授業に通じた学習だけに依拠していると仮定できる。これらの生徒の正答率が89年に比べ01年で顕著に低下し、しかもそうした生徒が増えている。これらの結果から、学校での授業の効果が弱まっている、あるいは学習からの離脱の深化に学校側が対応できていないと、推測することができる。小学校4、5年生くらいまでは、共通に学ぶべき基礎基本の中身を明確にした上で、できるだけ多くの子どもに読み書き算数の基礎力がつくように、じっくり学べる時間数を確保することが必須だろう。

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