異世界恋愛の婚約破棄ざまぁってどこから来たの?
なろうでは、異世界恋愛ジャンルが大流行ですよね。
そしてその中でも有名なのが、『婚約破棄ざまぁ』。
さて。
もはや王道の一つと言ってもいい婚約破棄もののですが、まあ知らない方はいないと思いますが、一応説明。
①卒業パーティーなり何なりで、男性側から女性へ婚約破棄宣言。
②冤罪を着せられるなどして主人公が追放などされる。
③あとで幸運を掴んだ主人公が、自分を裏切った男(元婚約者)に痛い目を見せる。
簡単に言ってしまえばこういうストーリーだと思います。
でも今回私が疑問に思ったのは、このストーリー自体ではありません。世界観です。
大体『中世ヨーロッパ風』という位置付けがされていますよね。
そもそもヨーロッパに中世という時代がなかったとかいう話題もあるらしいのですが、それは置いておくとして。
あの『婚約破棄ざまぁ』の世界は、どこの世界をモデルにしているのでしょう? また、そのルーツは何なのでしょう?
そう、ふと思ったわけです。
もちろん、「作り話なんだからそんなことどうでもいいじゃん」という話なのですが。
気になってしまったものは仕方がありません。
私の調べられる範囲でですが、調べてみることにしました。
◆
なろう異世界恋愛ものの王道である『婚約破棄もの』。
まずなろう内での流行のきっかけになったのは、アニメ化もされたという幾つかの作品のおかげでしょう。
乙女ゲームとやらの世界を舞台にしているらしいそれらですが、どうやら実際の乙女ゲームには『悪役令嬢が断罪されて処刑される』などということはないらしいです。それどころか悪役令嬢も見かけないとのこと。
調べてみてびっくりしました。正直。
乙女ゲームを基本としていないなら、何からアイデアを得たのか?
それは、少女漫画の世界だと言います。悪役がヒロインに敗れるのです。
でも処刑など過激なものはあまりない様子。
では歴史にそういった事実があったの?
そう思い、過去のヨーロッパにてそのような出来事が起こったのかどうか、調べました。
念のために言っておきますが、私は歴史にめっぽう疎いです。なのでおかしなところがあったら申し訳ありません。
基本、大前提として。
当時は女性の地位は確実に低く、たとえ貴族令嬢と言っても、王族に逆らえるようなわけではなかったのが大抵のようです。
相手の男性が悪いからと言って何もできるわけがないのです。そもそも阿保王子というの存在がいたら間違いなくクーデターが起きますよ。
それに、婚約破棄というのはそう簡単にはできませんでした。
だって、家と家の契約ですもの。男側が「婚約は破棄な」とか言ったところで何も変わらないのです。
(国を転覆させるくらいの相当な不祥事があったら別ですが)
そして、ある程度の時代になると教会が介入してきます。
『男と女は取り消すことのできない秘蹟によって結ばれる』とされます。
つまり家がどうこう言っても無意味で、愛し合えばいい、みたいな世界になってくるわけですね。
あれ?
調べてみると婚約破棄の要素ないな……。
あれだけ流行るのですから、どこか根幹があってもおかしくはないと思ったのですが。
乙女ゲームにも、歴史的にも、『婚約破棄ざまぁ』はなかったわけです。
じゃあどこが基本なんだ? 当然疑問に思いました。
結果、夢物語。
そう。夢物語なのです。ヨーロッパ要素ゼロです。
それを知って私はもちろん大きく驚くとともに、「そんな馬鹿な」と思いました。
そしてとあることに思い至ります。
現実世界が元なのではないか?と。
現実世界でも婚約というものはありますよね。でもあれは家同士のものではないので、普通に破棄することも容易でしょう。
男側に勝手に裏切られた女が、ざまぁする。これは現実世界ならできるのでは?
つまり女の願望なわけです。
これはあくまで私の推論ですが、実際の現代・近代での婚約破棄をルーツにしているのではないでしょうか。
それなら女性にある程度の発言が許される地位があるでしょうしね。
それをヨーロッパのお貴族様に重ねたのだと思います。
◆
ここ最近、自分で婚約破棄ものを書いていて「あれ?」と思ったことを調べてみたという次第です。
完全に私の勝手な想像ですので、そこら辺はご理解のほど。
駄文にお付き合いくださいまして誠にありがとうございました。
私も中世ヨーロッパ風(笑)の婚約破棄ものを書いております。ご興味のある方は評価欄★★★★★下のリンクからどうぞ。