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ダブり集

落下中

作者: 神村 律子

 私は今暗闇の中を凄まじい速さで落下しているようだ。


 「ようだ」というのは、周りが完全な闇なので、本当に落下しているのかわからないからだ。


 しかし、確実に私は下からの重力に引かれ、落下している。


 見えないが、それだけは間違いない。


 この暗闇が一体何なのか、全くわからない。


 何故落下しているのかもわからない。


 相当な時間が経過している気がする。


 スカイダイビングなら、すでに地面に激突しているくらい経っているはず。


 だが、私の落下は終わる気配がない。


 地獄へと落ちているのか?


 それともブラックホールに吸い込まれ、無限の彼方に向かっているのか?


 わからなかった。


 ?


 さっきより落下速度が加速した?


 まさか? そんなことがあるのか?


 落ちているのではなく、何かの力に引き寄せられているのか?


 何だ? 何が起こるんだ?


 何でもいいから、もう終わりにしてくれ。


 この感覚は耐え難い。


 誰か、助けてくれ!


 その時、ようやく光が見えて来た。


 何かがある。


 救助のための巨大なマット?


 いや、違った。


 巨大なトランポリンだ。


 私はそれに強く叩きつけられ、再び遥か上へと跳ね飛ばされた。


 またか・・・。


 また上まで行き、落ちるのか・・・。


 何故こんな事に?


 ああ、でもそれもどうでもいい。


 きっと何かの報いだろう。


 私はまっとうな人生を歩んでいないから。


 気持ちを切り替えて、この状態を楽しむ事にした。


 いつ終わるかも知れぬこの地獄を・・・。

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― 新着の感想 ―
[一言] 重力があるということは何らかの力が働いているということですね。 でもこのお話で神村さんが表現されたかったのは、きっと永遠に終わることのない恐怖でしょうね。 どんなに単調な作業や現象でも、それ…
2011/01/02 18:01 退会済み
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