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EC  作者: 栽培甚太郎
2/2

真実

前回のあらすじ


突如として現れた悪魔を名乗るダーフ…一体彼は何者なのか!

第四章 職場体験


烏間「今日から1週間、ECPの見学に行ってもらう!」

また急な話だな…

烏間「そこで6人グループを組め!」

どうせ6人だったらアイツらだろうな

氷川「優太!組もうぜ!」

ほら、真っ先に来たのは俺の中学の友達、氷川鴾宗だ

森「よ、よろしくね…」

次に来たのはクラスのマドンナ、森鶯だ

上原「やっほー!優太くん!よろしくね!」

もはや当たり前だと言わんばかりに来るコイツはクラスの委員長、上原つばめだ

空鷹「よぉー、鳩山!俺と組め!」

また、うるさいのが来たな、空鷹真吾だ

柄長「ふんっ!愚民!組みたそうな顔をしているから仕方なく組んでやる!!」

上から目線のコイツは対人格闘クソ弱い、柄長雫だ

烏間「よしっ全員、組めたな」

班は俺たちを含めて6班ある

そういえば、鷺坂達はどこの班なんだろう?

鷺坂「いいなぁーその班、最強じゃん」

コイツはクラスの副委員長の鷺坂幸太郎だ

頬白「俺もそっちのグループがよかったなぁー」

ちょっとチャラいコイツは頬白佐久間だ

真鶸「私だって鳩山くんと同じがよかった!」

コイツは真鶸りんだ

優太「そんなこと言うなよ、もう決まっちゃったんだし…それにお前らの班のヤツらが可哀想だぞ」

この3人の他のやつが俯いていた

確か後ろの3人は……

戴勝「ど、どうも初めまして、戴勝夏美(やつがしら なつみ)です…」

静かで誠実そうな女の子だなぁ

松田「……松田鳧(まつだ けり)……」

コイツは無口な男か…

橋爪「どうもー、クラスのマドンナのくいなちゃんだよぉ!」

確かコイツは出席番号が俺の前だったような…名前は…橋爪水鶏(はしづめ くいな)だった気がする

氷川「お前らは後ろのやつとグループなんだろ?だったら諦めろ!早いもん勝ちだぞ!」

烏間「おいっ!!そこー!!聞いているのか!!」

めちゃくちゃキレられた…まぁ俺たちが悪いんだけど

烏間「まぁいい、説明を終了する、20分後にクジ引きで決めるから引く者を決めておけ!」

クジ引きを引くやつなんて誰でもいいじゃん!そんなのに20分も使うのかよこの先生は…ほんとクジ引き好きだな

鳩山「…あの…聞いてなかったけど、誰か先生の話聞いた?」

俺たちはグループで集まって話していた

氷川「俺も聞いてなかったなぁー」

空鷹「あんな成り上がりセンコーの話なんて聞くか!!」

男ふたりは案の定聞いてなかったか

森「わ、私はね、寝てました…」

顔を赤くして森鶯が言ってきた

そこは聞いてなかったっていえばよかったのに

上原「私も優太くんが誰かと話してるなぁーって思ってそっちを見てたから聞いてないや」

笑顔で言ってきた

いやっあんた委員長でしょ!人の話聞かなきゃいけないじゃん、まぁ人のこと言えないが…

柄長「…私は聞いていたが…教えて欲しいか?」

なんか嫌な予感がするが、まぁ聞くしかないな

鳩山「柄長さん、よろしく」

俺は柄長雫に頭を下げた

何故か知らないけどめっちゃムカつくな、俺あんまり頭とか下げないし、それによりによって俺よりも弱いやつに頭を下げるのは屈辱だな

柄長「し、仕方がないなぁーじゃあ話してやる、1回しか言わんからよく聞いとけよ、烏間さんが言っていたのは…………」

柄長の説明によると6個に分かれてそれぞれ違うECPの所に行き職場体験をするらしい、場所は仙台、横浜、名古屋、大阪、広島、福岡の6個だ

もし横浜になったら烏間先生の所になるのか…嫌だな、絶対厳しいわ

氷川「横浜は嫌だな!他のところは新幹線とか飛行機とかで行くんだろ?横浜なんて歩きじゃん」

鴾宗の意見はごもっともだ…多分ほかの班も横浜は嫌だろうな

鳩山「じゃあ誰がクジ引きに行くんだ?」

みんな責任を負いたくないから否定するだろうな

柄長「教えたから、1つ言うことを聞け!」

来ました、嫌な予感が的中したな…どうせ俺にクジを引かせるんだろな

上原「それってどんなこと?」

柄長「私に…クジ引きを引かせて欲しい」

……はぁ!?何言っちゃってんのこの子…バカなの?

空鷹「…えっそれってお前、横浜引いたら全責任がお前にかかるんだぞ!それでもやんのか?」

珍しく空鷹が動揺している

柄長「…はぁ!?なんで横浜はダメなんだよ!!私は横浜を引く気でいるんだが」

鳩山「えっなんで一々近い横浜がいいんだよ?」

そう言ったら柄長が急に胸を張って

柄長「そんなの決まってるじゃん、烏間さんの仕事を見学できるからだよ!!」

目を輝かせながら言っていた

どんだけ、烏間先生が好きなんだよもしかして百合なのか!…どうでもいっか

上原「それは悪くわないけどね…どうせなら遠出したいなぁーって思うんだよねぇ…」

いつもの委員長の元気がないな、そういえば1年の時…


《回想》

1年の秋頃

鳩山「2年になったら修学旅行があるけど、どこに行くのかな?」

氷川「さぁー、俺たちまだ1年だから分かんねぇーな」

鳩山「部活の先輩とかに聞かないのか?」

氷川「聞いたけど、毎年変わってるらしいぜ」

???「私だったら奈良県と京都府に行きたいな!!」

氷川「うわっびっくりしたぁー!驚かすなよ、委員長」

上原「えへへっゴメンね?」

鳩山「そんで今年の2年生はどこに行ったんだ?」

氷川「確か…北海道とか言ってたな」

へぇー北海道か…1度行ってみたいな

上原「北海道!いいね!私北海道行ってみたい!!」

氷川「なんかいつもよりテンション高くねぇーか?」

上原「うん!だって私神奈川から出たことないから!」

鳩山「へぇー家族で旅行とか行かないのか?」

上原「うん…親がねそういうの全く興味がないの…」

氷川「それは可哀想だな…まぁあと1年すれば神奈川から出れるって!」

上原「うん…!そうだね!」

笑顔でそう言った

《回想終了》


そうか委員長は神奈川から出たことないんだったな

烏間「そろそろクジ引きをするぞ!!」

柄長「じゃあ行ってくる」

頼むから横浜以外で…お願いします!

氷川「頼む…横浜じゃなきゃどこでもいい!!」

俺のグループ以外も同じように祈っている

そして全部の班が引き終わって前に並んでいる

烏間「そうだなぁ最初は横浜からだ!横浜を引いたヤツは手を上げろ」

スゥーっと手を挙げたのは柄長雫だった

氷川「ちくしょう!!」

空鷹「チッ」

鳩山「委員長、まだ修学旅行がなくなったとは言われてないから大丈夫だよ?」

上原「うん…!そうだね!心配してくれてありがとう、というかよく1年生の時の会話の内容覚えてるね」

無理して笑っていることが分かったが触れないでおこう

鳩山「まぁな、あんなに楽しそうに話してる委員長珍しかったからな」

柄長「やりましたよ!烏間さん!」

柄長がガッツポーズをして叫んだ

烏間「あぁ、では次は仙台のヤツ!」

そのまま続いた…鷺坂の班は大阪になった

頬白「悪いねぇー鳩山くーん、俺たち大阪だから新幹線だわ、じゃあねー」

なんだよ!あいつイラつくな

森「まぁいいんじゃない?横浜で頑張ろう?」

首を傾げて言ってきた

か、可愛ええ、とてもかわいい

氷川「やっぱり、鶯ちゃんは可愛いなぁー」

森「そ…そんなこと、な…ないです……」

鴾宗はどストレートに言いやがったな

全員が新幹線や飛行機に向かっていなくなった頃

烏間「ではECPの横浜本部に行くか」

烏間先生に促され重い足取りで学校を出た


横浜ECP本部

ガヤガヤ……

なんだか騒がしいな

鳩山「なんか騒がしいんですが、何かあったのですか?」

烏間「あぁちょっと前に悪魔がここら辺に現れただろ、その悪魔を探しているんだ」

そういや、俺以外は悪魔に1回会っているんだよな

氷川「そういや、あの悪魔ってここ1ヶ月現れてないな」

鴾宗達が悪魔に会ったのを最後に現れていないらしい

なんであれから現れなくなったのかは分からないが、まぁ安全に見学出来るんだったらいいか

上原「烏間先生、私たちは何をすればいいんですか?」

確かに、職場体験だから見学だけって訳でもなさそうだし、何するんだろ?

烏間「そうだな…今から部下の何人かがパトロールに行くからそれについて行きなさい」

そんだけでいいのか!?ラッキーすぎるでしょ

烏間「おいっ!!第3班今からコイツらを連れてパトロールに行け!!」

第3班『はっ!!』

俺たちはその人たちについて行ってECPの本部から出た

柄長「なんで…せっかく烏間さんの仕事を見れると思ったのに…」

柄長がずっとブツブツと何か言っているが無視して

鶴谷「いやーまさか鳩山くんの班が横浜だなんてね」

この人は前の訓練で俺たちの敵だった兵隊の鶴谷明人(つるや あきと)さんだ

羽白「なんでガキどもと一緒に巡回しねぇーと行けないんだよ」

この人は確か…羽白小千鳥(はじろ こちどり)さんだ

白腹「……よろしく…俺…白腹一徹(しろはら いってつ)…」

この人は松田鳧に似て無口だな、名前からして厳しい人だと思ったが…

鳩山「巡回っていつも3人なんですか?」

鶴谷「まぁ時と場合によるけど大体は3人かな」

俺がニューヨークでECPに入ってた時は最低でも5人行動だったけどな、流石人員不足なだけあるな

氷川「俺たちにも武器を持たす必要ってあるんですか?」

俺たちは自衛用だっと言われマシンガンを渡された弾は対悪魔用だ

羽白「自分の身は自分で守れってことだろ!これも社会の厳しさってもんだ」

どうも、勉強になります…

俺たちがパトロールし始めて数十分がたった頃

上原「だんだん疲れてきたね〜」

空鷹「どんだけ歩くんだよ!」

鳩山「まぁまぁ、落ち着けよ、多分俺たちには教えてはいけない情報が本部にあるからパトロールとして俺たちを監視してるんだと思うよ」

まぁ、それは当たり前のことなんだろうな、多分他のところは普通に見学してるんだろうな

鶴谷「監視とは人聞きの悪いね、確かにその通りだけどパトロールも大切なんだよ」

その通りなんかい!まぁ厳しくないしいいけど

氷川「でもパトロールだけってなんか面白くないよな、家の近所だし散歩見たいじゃん」

確かに近所だな、さっき俺の家の前通ったし

上原「確かにね、でもみんなで散歩って楽しいじゃん」

羽白「そういや、お前らはハマスタのグラウンドって歩いたことあるか?」

ハマスタとは横浜スタジアムの略称である

氷川「ないですね、俺はサッカー部なんで…」

そう言うと、羽白さんは胸を張って

羽白「じゃあパトロールでハマスタのグラウンド行くぞ!」

えぇー、あんなとこにECがいるわけないじゃん、こんなことしてるからECPは嫌われるんだよ

空鷹「まぁいいんじゃねぇーの、どうせ暇だし」

俺たちはハマスタに向かった


鶴谷「この時間帯は警備員も居ないから一応確認程度にパトロール範囲に入ってるんだよ」

なんだ、しっかりパトロール範囲に入ってるんだ

俺たちはハマスタに着き中に入ったら、警報がなり始めた

『侵入者発見、直ちにセキュリティシステム作動させます』

その時は既にグラウンドに入っていた

氷川「どうなってるんですか?閉じ込められましたよ!」

セキュリティシステムが作動して全ての扉にロックがかかってしまった

鶴谷「どうしたんだろうね、セキュリティシステムの誤作動かな〜」

よく呑気でいられるな

空鷹「!!…おいっグラウンドの真ん中に誰か立ってるぞ!」

空鷹が指を指した方を見ると確かに人が立っていた

なんでこんな所にいるんだあの人

上原「あのー!!警報が鳴ってますよ!!」

委員長が立っている人に叫んだが全く反応がない

鶴谷「今、本部に連絡したから30分ぐらいしたら来ると思うよ、ちょっとあの人見てくるね」

鶴谷さんは立っている人の方に歩いていった

30分も何をしたらいいんだろう?

氷川「暇だしさ、しりとりでもしよーぜ!」

嫌だな、暇つぶしの最終奥義を使うのはまだ早すぎる

柄長「そんな庶民的な遊びはしたくない!」

氷川「そんな否定しなくてもいいじゃん…」

お前も睨まれてビビってんじゃん、俺もだけど

上原「じゃあ、鬼ごっことかどう?こんなに広いし」

そんなどうでもいい会話を交わしていると

鶴谷「おーい!!みんな!!逃げろ!」

鶴谷さんが急に走って言ってきた

羽白「どうした?なんかあったんか?」

鶴谷「あそこに立っている奴が【サソリ人間(ギルタブルル)】だ!」

はぁ!?なんでこんな所にいんだよ!!

サソリ人間は体長3メートルぐらいの大きさで上半身が人間で下半身がサソリだ

上原「確かそのECは人に危害を加えるんだったよね?」

???「話は終わったか…憎きECPの野郎ども」

サソリ人間はECPに恨みがあるらしい

鳩山「お前ら!!さっさと逃げろ!こっからは出れないかもしれないがグラウンドは広いからな、そこで30分間の鬼ごっこだ!!」

氷川「こんな地獄の鬼ごっこ初めてだわ!!」

全員がグラウンドに散って逃げた

くそっなんでこんな時に対悪魔用の弾しかないとか運がないわ

羽白「コイツらが逃げる時間稼ぎをするぞ!!」

白腹「……了解……」

鶴谷「君たちは逃げなさい!」

ECPの3人がサソリ人間に突っ込んでいった

鳩山「ばっ!バカ!近付いたら死ぬぞ!!」

俺はニューヨークにいた時、1回だけ戦ったことがあるが前衛の奴らは重症の者や死んだ者もいたのを覚えている、だから突っ込んだら間違いなく死に近づく

氷川「優太も早く逃げろ!!」

チッここは逃げるしかないか…

俺はサソリ人間から離れて逃げた

そしてみんなが集まっているところへ来た

鳩山「はぁはぁ…あれ?柄長さんは?」

みんなが集まってるはずなのに柄長雫だけいなかった

柄長「どりゃー!!サソリ人間!くらえ!!」

っと言って対悪魔用の弾を撃っていた

鳩山「おいっ!!アホなことするんじゃねー!!」

今の俺たちは無力だ、だから何も出来ない

柄長「しかし!サソリ人間がこっちに近づいてきているから仕方なく撃っているだけだ!!」

……えっ?近づいてきている?

俺は頭にはてなを浮かばせながらサソリ人間の方を向いた、するとこっちに近づいてきていた

氷川「さっきサソリ人間がいた場所見ろ!!兵隊さん達が血まみれで倒れてんぞ!!」

上原「キャーーーーーーーーーーーーー!!」

空鷹「兵隊さん達が……俺達もあんなんになっちまうのか……こんな所で死にたくねぇー!!」

委員長の悲鳴と空鷹の声が空高く響き渡った

森「うぅぅぅ…う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」

やばい!森鶯がドラキュラになってしまう…こうなったら……

俺は1人ずつ延髄チョップをして気絶させた

森鶯を除いて…

森「ありがとう、鳩山くん!」

ドラキュラ鶯ちゃんもいいですなぁー…今はそれどころじゃないな

サソリ人間「お前まさか、ドラキュラなのか?」

森「ちょっと黙ってもらえますか?」

笑顔でサソリ人間に言った

鳩山「森さん、1人であいつ倒せるか?」

森「ちょっと難しいかも…だから()()()()()()()…」

いや、お願いしますって言われてもな……まぁやるしかないか

鳩山「分かったよ…ちょっと待っててくれ」

俺は全身に力を入れた

鳩山「ウォー!!!!」

…………………………ふぅ…これでよしっ

森「ほんとにそうだったんだね、()()()()()ハーフさん」

そう、俺は復讐に燃える、悪魔族のダーフだ

鳩山「なぁー、別に俺に頼んなくても良くなかった?」

何故、森鶯は俺が悪魔だってことを知っているかというと、時は遡り、俺が森鶯がドラキュラだって知った日のとこである


《回想》

森「このことは秘密にしてくれませんか?」

鳩山「あぁ、俺とお前だけの秘密だな!」

森「やっぱり不安なんで何か秘密を教えてください」

鳩山「どんな秘密がいいかな?」

森「できれば誰も知らないことですかね」

鳩山「じゃあ好きな人でもいいのか?」

森「まぁ、誰も知らないなら」

鳩山「じゃあ、言うよ…俺の両親、実は悪魔族と鬼族なんだ…」

森「えっ!?…ちょっと待ってください…それって本当なんですか?」

鳩山「あぁ3年前の事件で殺されたのが俺の両親なんだよ…そんで復讐するためにECPに入ったけど、いきなりニューヨークの幹部やれって言われてしまってね、でもあの事件が海外も注目していて機密情報があったから見たら、烏間葵っていう人が指示したって書いてあったからここに来たんだ」

森「そ、そうなんですか…」

鳩山「まぁ、学校の先生になるのは予想外だったよ、おかげで早く復讐が出来そうだよ…」

森「…そうだったんですか」

森「これでお相子ですね」

鳩山「あぁ…そうだな」

《回想終了》

森「1人でやるのはしんどいじゃないですか」

しんどいだけならやって欲しかったな

鳩山「じゃあ、さっさと終わらせるぞ、あと10分後には他のECPの人が来ちまうし…」

森「じゃあ、殺りますか」

鳩山「あぁ…」

俺たちはサソリ人間に突っ込んでいった

数分後

サソリ人間「グォォー!!」

サソリ人間は倒れた

鳩山「やっぱり、俺要らなかったじゃん」

姿が元に戻り、落ち着いてきた

それにほとんど森さんがやっていたからほんとうにいらなかったと思う

森「まぁ、2人の方が楽しいじゃないですか!」

俺は全然楽しくなかったんだが…

森「そういえば、つばめちゃんが悲鳴を上げた時に変身しなかったじゃないですか、どうしてですか?」

悪魔は人の悲鳴によって本能のままに動いてしまう

鳩山「いや、ヤバかったんだよ、だから全員を気絶させたんだ」

俺が全員を気絶させた理由は、森鶯を守るためでなく自分を守るためだ

森「えぇー!私のためだと思って、お礼を言っちゃたじゃん!返して!」

コイツは自分のためにやってくれたと思っていたらしい

鳩山「はいはい、ありがとうありがとう」

俺は無表情で棒読みした

森「ちょっと!!情がこもってない!!」

そんなことよりこの状況は良くないな、俺と森鶯だけ立っていて兵隊は惨敗、そんで他のクラスのやつらは気絶中、サソリ人間は近くで倒れてるし……相当まずいな

鳩山「森さん、この状況を何とかするぞ」

その言葉に森さんは首を傾げて

森「どうして〜?」

いやっ普通に考えてまずいだろ

鳩山「俺は自分の銃でなんとかなるが、森さんが問題だ……俺が殴ってやろうか?…」

そうしかない、時間がないからな

森さんもこの状況に気づいたのか

森「そうだね!!早く殴って!!」

そう言われたから思いっきり森さんのお腹を殴った

森さんは口から血を吐いてそのまま気絶した

鳩山「さて、俺はっと」

俺は自分の銃を自分に向けて放った

俺の体に小さな穴が空いた…こっちの方がいい、サソリ人間に空けられたって言えばいいからな

流石に気が遠くなってきた

俺はそのまま気絶した


んっ?ここはどこだ?

俺は目を開けた

ん?知らない天井…あぁここは病院か…

烏間「ん?起きたか、鳩山」

隣には烏間先生がいた

鳩山「!そういえば、サソリ人間はどうなりましたか?鴾宗達は無事なんですか?」

こういう奴は焦って言った方がいい…先生は多分、俺がサソリ人間を倒したと思っているだろうな

烏間「あぁ、アイツらならお前が起きる数時間前に起きたぞ、あとうちの部下も大事にはいたらなかった」

鳩山「そうですか…良かったです…」

烏間「いくつか質問があるんだがいいか?」

ここでボロが出ないようにしないとな

鳩山「はい、別にいいですけど…」

烏間「まず、なんで氷川達を気絶させたんだ?」

1番最初っから飛ばしていきますねー

鳩山「それは…サソリ人間は動いているものにしか攻撃をしませんから1番いい選択だと思ってやりました」

烏間「なるほど…では次に何故、お前だけちょっと遠い所に倒れていたんだ?」

俺が倒れた場所はクラスのやつらから離れたところで倒れていた…森鶯は気絶させた後にみんなの所に運んだから大丈夫だ

鳩山「それは…一応みんなから離れたところまでサソリ人間を誘導していたからです、そんで追いつかれて、足で刺されてこんな傷がついたんです」

我ながら嘘をつくのが上手い気がする

烏間「なら…森だけ口から血を吐いていたがどうしてだ?他の奴らは外傷がなかったが…」

来たよこの質問…俺も思ったよ、なんで俺腹パンを選んだんだろうって、気絶させるなら延髄チョップでよかったなぁーって運んでる時に思ったわ

鳩山「それは…森さんを最後に気絶させたんですけど、ちょっと抵抗してきたんですよ『なんで!?みんなを気絶させるの!』って服をつかんできたんで、ちょっとキレてしまってお腹を殴ってしまいました…後で森さんには謝っておきます」

先生は眉間に皺を寄せて言ってきた

烏間「これが一番疑問なんだが……なんでサソリ人間は死んでたんだ?それに腹に大きな穴が空いていたし…」

やべぇよ、この質問くるの考えてなかったというか穴空けるのはやり過ぎだ、森さん…こうなりゃ適当だ!

鳩山「俺がサソリ人間に刺されてから気を失うまでに、上から誰か俺の前に降ってきたのを見ました…それが誰だったかは分かりませんが、もしかしたら、その人は悪魔族の人だったかもしれません!」

烏間「どうしてそんなことが言えるんだ?」

鳩山「それは俺がみんなを気絶させる前に委員長が大きな声で悲鳴を上げました、下手したらそれを聞いて来たのかもしれません!」

流石にこの嘘はバレるな

烏間「悪魔が人を助ける訳がないだろ!」

鳩山「じゃあ、3年前の事件はなんだったんですか?」

こいつのせいで俺の両親は死んだんだ!

烏間「悪魔と鬼は人の叫び声を聞いて喜ぶものだ、3年前の事件だってあの悪魔と鬼が計画したものに違いない」

鬼は知らんが悪魔は何かしてもらったらそれに応じた対価を返すのが決まりだ、だから悪魔は人の叫び声を聞いたら人を助ける生き物なんだ!

鳩山「そのなこと言いきれませんよ!じゃあ今回のは誰がサソリ人間を倒したんですか?」

ついつい、熱くなってしまった

烏間「うっ…それは…まだ分からない」

よかった、まだバレてないな

鳩山「俺が覚えているのはここまでです、そっからの記憶はありません」

まさかバレないとは思わなかったな

烏間「そうか…お前は一応重症だ、治るのが早かったら1週間、遅かったら1ヶ月ぐらいらしいからしっかり休んどけ」

全治の幅が広いですね…

鳩山「はい、分かりました、わざわざありがとうございます」

烏間先生が俺の病室から出ていって数秒後

氷川「大丈夫だったか?優太!心配したぞ!!」

上原「優太くん!大丈夫?リンゴいる?」

空鷹「おいっ!鳩山!……心配したぞ!よかったな生きててよ」

柄長「ふんっ!」

みんなはやさしいな俺が全員気絶させたのに…

鳩山「みんなありがとう、大丈夫だから」

空鷹「おいっ!柄長!てめぇ、さっきは泣きながらしんぱ…むぐっ」

柄長「だまれ!!!!」

柄長が思いっきり空鷹の口を抑えた

上原「それにしてもご両親の方々は来てないの?」

ここはいないって答えた方がいいのかな…

鳩山「あぁ、3年前に事故で死んだよ」

3年前はまずかったか…全員固まってるし

上原「ごめん……ひくっ…私最低だね…ひくっ」

泣きながら謝ってきた

鳩山「泣かないでくれよ、もう過ぎたことなんだから」

正直泣かれると困る…

氷川「なんで!言ってくれなかったんだよ!」

別に人にホイホイ話すような事じゃないだろ、ここは話を変えないと

鳩山「みんな、すまん、いきなり気絶させて…怒ってるよな…」

その言葉に全員が首を横に振って

空鷹「さっきのセンコーとの話を聞いちまってよ…それを聞く前だったらめっちゃ腹立ったけど、あの話聞いちまったらよ、逆にこっちから謝りてぇーよ」

よ、が多いな…そんなことはどうでもいいか…いや、あの話全部嘘なんですよね…罪悪感がすごい……

鳩山「あの話聞いてたんか…なんか恥ずかしいな」

恥ずかしさより、罪悪感の方がでかい

氷川「それにそんな傷まで負って、俺たちを助けてくれたんだな!ありがとう!助かった!」

この傷は自分でつけたんです…だから感謝とかしないでくれ、罪悪感が増す

数十分間、鴾宗達と話していたら医師の人が入ってきたので鴾宗達は家に帰っていった

医師「調子はどう?大丈夫?」

鳩山「はい、さっきの友達と話して楽になりました」

やっぱり友達って偉大だわ

医師「君は強い人間だね、ECに1人で立ち向かうし」

1人じゃなかったし人間でもないんです…

医師「あっそうだった、()()の人が来たよ、今から呼ぶからちょっと待っててね」

………はぁ!?家族?俺に家族はいないんだけど…誰だ?

コンコン…

来たか…

鳩山「どうぞ」

中に入ってきたのは中学2年生ぐらいの女の子だった

???「お兄ちゃん!!生きててよかった!」

……お兄ちゃん!?俺には妹がいなかったはず

鳩山「あの……誰ですか?」

その女の子は目を丸くしてこっちを見てきた

いや、驚いてるのはこっちの方なんだが

???「そっか、お兄ちゃんはお父さんから聞いてないのか」

どういう事だ?もしかしてお父さんが浮気していて、その浮気相手との隠し子的ななにかか?

鳩山「何が?君って俺のなんなの?あと名前教えてよ」

???「そうだった、私の名前は酒井雛(さかい ひな)です…そんでお兄ちゃんとの関係は…腹違いの兄妹?かな」

予感が的中したよ、腹違いって完全に浮気してるじゃん

鳩山「そんでお前は、()()()()()()()なんだよ」

俺はできるだけ小さな声で聞いた

酒井「私は悪魔とフェアリーのハーフです!」

また新たなECが生まれたな…てかなんなの悪魔とフェアリーって、正反対どころじゃねーよ

鳩山「へぇー…んで、なんでここにいるんだよ、別に会いに来る必要性がない気がするんだが…」

そう言うと自称妹が首を傾げて

酒井「これからはお兄ちゃんと暮らそうと思って…ここに来ました……だ、だめですか…」

えっ?何この子めちゃくちゃ可愛いんですけど…あと上目遣い涙目は反則だわ……平常心…平常心…

鳩山「でも俺は最低でも1週間はここに居ないといけないし、家ひとりだけど、大丈夫?」

酒井「同棲には同意してくれるんですね〜、そうですよね〜だってこんなに()()()()女の子と同棲できるからですよね〜、あっあと家は別に1人でもやって行けますし大丈夫ですよぉお兄ちゃん」

クスクスっと笑いながら言ってきた

なんかだんだん不安になってきた…コイツ本当に俺の腹違いの兄妹なのか?

鳩山「というか、名字が違うのによく医者に入れてもらったな」

名字が違うのに入れてもらえるわけがない

酒井「それは……ちょっとフェアリーの力を使いました…」

フェアリーの力って、確か甘い言葉を囁いてその人を洗脳する力だったような

酒井「ちょっと!!洗脳とか人聞きの悪いこと言わないでよ!お兄ちゃん!」

鳩山「!?…おい待て…俺今声出してなかったよな…お前まさか人の心読めんのか?」

酒井「はいっこれもフェアリーの力ですよ」

フェアリーチートすぎるだろ!

酒井「でもフェアリーよりも妖精の女王(クリオズナ)の方が能力的には高いですよ」

クリオズナとかまだ会ったことないな

鳩山「分かったよ…ほらっカギ」

俺は酒井雛にカギを差し出した

酒井「えっ!?…私普通に考えたら不審者ですよ!そんな人に家のカギを渡すんですか?」

いや、自分で不審だって思っているんならここに来んな

鳩山「別に家に高価なものは無いし、お金も置いてないし…誰もいないより居た方がいいかなーって思っただけ」

はっきり言って妹がいてもいなくてもどっちでもいいし…

酒井「聞こえてますよ…お兄ちゃん」

あっ、忘れてたわ、すまん…妹いてよかったなぁー

酒井「棒読みです!!しっかり言葉にして謝罪してください!」

いや、そもそも心を読んだのが悪くないか?

酒井「読みたくなくても勝手に入ってくる時があるんです!」

これ便利だわ、俺別に喋らんくてもいいし

酒井「ちょっと!!楽しまないでくださいよ!」

ほら、面会最大時間は過ぎてるよ、さっさと帰りなさい

酒井「だーかーらー!!…もうっいいです!!さようなら!」

はいはい、バイバイ

酒井雛は俺の病室から勢いよく出ていった


翌日

暇だなぁー、みんな今頃何してるんだろ?ほかの場所の奴らは今も見学してんのかな?というか俺らの職場体験どうなったんだろ?

コンコン…

ん?誰だろ?

鳩山「どうぞ…」

入ってきたのは森鶯だった

森「ちょっといい?」

何そのなんとも言えない顔は

鳩山「なんだ?先生には上手く嘘をつけたと思うけど」

森「その嘘の話!何?私が抵抗してきたって、もっとマシな嘘なかったの?それに腹パンじゃなくても良くなかった?」

それはご最もなんだが、焦ってて腹パンしてしまったんだよな

鳩山「仕方ないじゃないか、それぐらいしか浮かばなかったんだよ、確かに腹パンを選んだのは間違えだったけどお前あの時『そうだね!!早く殴って!!』って言ってたよな?」

森「それは…殴ってやろうかって鳩山くんが言ったからノリで…そんなことどうでもいいの!!…謝って!」

もしかして烏間先生が俺との会話を森鶯に伝えたのか…そういや、謝るとか言ったような

鳩山「あぁ、すまん、殴っちまって」

森「いいよ!許してあげる!」

笑顔が可愛いですなー、鶯ちゃんは…そういや

鳩山「今日は何してたの?流石に見学はしてないだろ?」

森「今日は昨日のことを話せって全員呼び出されたよ」

まぁそうなるか…

鳩山「それだけか?」

森「それだけだったよ、あとは自宅学習だったよ」

可哀想に…ちょっとでいいから手伝わせればいいのにアイツら真面目だからな情報は守るし、ヘマをするようなヤツらでもないしな

鳩山「手伝わせて貰えなかったのか?」

森「うん…でも自分たちで頑張って情報収集してるんだよ!」

それは…凄いが…バレたら終わりだ

鳩山「アイツらはどこまでの情報を得てるんだ?」

森鶯は指を顎まで持ってきて考えていた

森「そうだ!ちょうど今やってるから、一緒にやろー!」

俺はここから動けないから無理なんですけど…

鳩山「いやっ俺、こっから動けねーし、遠慮しとくわ」

実際その会議みたいなのに出たらボロが出てしまう

森「スマホ使ったらこっからでも話し合いに参加できるよ」

あいにく俺はそんな高価なやつは取り合わせてないんですよね

鳩山「俺、スマホ持ってないから」

そう言うと森鶯は驚いた表情でこっちを向いてきた

森「えー!?なんで!?このご時世スマホ持ってなかったら生きていけないよ」

どんなご時世だよ…俺、家にテレビすらないんだぞ

鳩山「しゃーねーだろ、親いないし家の家賃と食費で持っていかれるんだよ」

森「じゃあ、家で何してるの?あっテレビ見てるの?」

鳩山「テレビもないぞ、俺ん家は」

森鶯は口を開けたまま静止画になった

森「えっ!?じゃあ、ほんとに家で何してるの?娯楽がないじゃん!」

俺に娯楽なんていらねーんだよ、一生復讐心と苦しみだけがついてくるんだから

鳩山「飯食って風呂はいって勉強して寝ることを家でしてるぞ」

まぁ、当たり前の事しかしてないからな

森「そんなのつまんないじゃん!」

いやーやってみたら分かるけど案外慣れれば面白さが出てくるんだよな…例えば、料理とか…料理とか…

うん…料理しかないわ、俺の娯楽

森「あっ、そろそろ時間だし行くねー安静にしててね!じゃあ、バイバイ」

鳩山「あぁ来てくれてありがとう、じゃあな」

森鶯が病室から出ていった

孤独ってこんなに辛いんだなぁーって最近思い始めた…まぁ昨日からなんですけどね

ガラガラ…

急に病室の扉が開けられた

酒井「やっほー!お兄ちゃん!元気にしてた?」

なんだよ、あいつかよ

酒井「なんだって何よ!!折角来てあげたのに!!」

どうせ、俺の家に娯楽がなかったから来たんだろ?

酒井「そうですよ!!なんでテレビすらないんですか!あとしっかり喋ってください!」

口を開かずに会話できるなら開く必要がないだろ、それにもうそろそろ、昼飯が来るから帰れ

酒井「だから!喋ってくださいよ……悲しいです…」

酒井雛が目に涙をうかべながら言ってきた

鳩山「あぁ!分かったから泣くなって!」

すると酒井雛がニヤつきながら顔を上げ

酒井「嘘泣きでーす!騙されました?」

ケラケラと笑いながら言ってきた

ムカつくなぁー!!まぁいいわ

鳩山「そんで、なんの用だ?」

酒井「いやー、そろそろ退院できるんじゃないかと思って」

いや、無理だろ、最低でも1週間はかかるんだぞ

酒井「ふふふっこの私を忘れられては困るねぇ」

変な笑い方をしてこっちを見ていた

鳩山「何すんだよ?」

酒井「フェアリーの力を使って傷を治してあげます!」

…は!?バカなの、そんなことしたらフェアリーってバレるじゃん

酒井「別にフェアリーはバレてもいいじゃん」

いや、お前は俺の家族として病院にいるんだろ?だからお前がフェアリーの力を使ったら俺も使えることになっちまうじゃないか

酒井「確かに…それと同時に悪魔ってこともバレるかもしれませんね」

だから自然完治が1番いいんだよ…正直言ってもう治ってるんだけどね

酒井「流石は悪魔の子ですね…でもなんでバレないんですか?」

そりゃー治ってからまた同じような怪我をすればいいだけの話だよ

酒井「えっ!?じゃあ、ずっと自分自身に銃を向けてるんですか?」

酒井雛が焦ったように言ってきた

まぁ、そんなことろだ

酒井「そうだったんですね……ていうかしっかり喋ってください!!」

まぁ、そういう事だ、昼飯が来るから帰れ

酒井「むぅー、分かりました!また明日!」

頬を膨らませながら帰っていった

それにしても可愛かったなぁー


俺が入院してから1週間がたった

俺は()()()退院できたが明日からまた学校が始まり、もうそろそろテストがあるから憂鬱だ

氷川「おーい!優太!退院できたんか…よかったな」

上原「優太くん、本当に大丈夫?あと退院おめでとう」

森「退院…おめでとうございます…」

空鷹「鳩山!この後どっか食いに行くか?奢るぞぉー」

柄長「……ふんっ!」

病院を出るとみんなが立っていた

鳩山「みんな何してるの?」

氷川「優太のお見舞い兼情報収集をしようと思ってな」

なんて優しいヤツらなんだ…俺ならお見舞いなんて1日しか行かねーぜ

鳩山「それで、どれくらい情報集まってんだ?」

まぁ1週間ぐらいあったらいい所まで行けるだろ

氷川「それがよ……全くなんだ」

…えっ!?1週間もあったのに!?…まぁただの高校生達だから仕方ないか…

空鷹「仕方ねーんだよ、なんせ俺らは高校生であってECPじゃないからな」

多分ECPなら有力な情報があるんだろうな

上原「まぁ優太くんが無事に退院できたからいいじゃん、明日は学校があるから帰ろうよ」

委員長に促され俺たちは個々の家に帰った


酒井「あっ、お兄ちゃん、おかえり」

家に帰ったら晩飯を作っていた酒井雛が立っていた

鳩山「あぁ、ただいま、お前って料理できたんだな」

酒井「ちょっと!!勝手に決め付けないで下さいよ…」

はいはい、すいませんでしたー

酒井「毎回言うけど情がこもってない!!」

まぁ、料理できるんだったら家事を当番制にするか

酒井「そうですね、じゃあ明日はお兄ちゃんが作ってくださいね」

あぁ分かった、じゃあできたら起こしてくれ、おやすみ

酒井「あっはい!おやすみなさい……ていうかしっかり喋ってください!」

Zzz……

酒井「もう寝てますか…早いですね」

数十分後

酒井「……てください……きてください…起きてください!!」

ん?なんだよ?飯か?

酒井「はいっそうですよ、だから早く起きてください」

はいはい、おっ今日はカレーか、美味そうだな

酒井「どうぞー召し上がれ」

では1口…………美味い!!

酒井「えへへ、そうでしょ、そうでしょ、こう見えても女の端くれですから」

酒井雛は乏しい胸をはってそういった


よしっ飯も食い終わったし寝るか…そういや、どうやって寝るんだ?布団は俺ん家に1個しかないし

酒井「そんなの決まってるじゃないですか、一緒に寝るんですよ」

はぁー、仕方ないか…じゃあ早く寝ようぜ

酒井「えっ!?一緒に寝てもいいんですか?」

なんだよ、お前から誘っといて

酒井「わ、分かりました、では電気消しますよ」

あぁ、おやすみ


翌日

鳩山「ふぁー…よく寝たな、飯作るか……」

俺は布団から出ようとしたが重くて出れなかった

鳩山「なんでコイツは俺に抱きついてんだよ」

俺は酒井雛に抱きつかれていた

鳩山「胸がないから全く気づかなかった」

俺は酒井雛をどかして飯を作った

鳩山「おーい起きろよ、飯できたぞ」

酒井「ん?……ふぁー…朝ですか?」

寝顔も可愛かったけど寝起きもなかなか可愛いな

酒井「なっ!!…か、可愛いって……」

酒井雛は顔を真っ赤にして下を向いた

そうか、心の声が聞こえるんだったな

酒井「そうですよ!しっかりしてください」

まぁいいや、俺学校あるから先出るわ

酒井「あっはい、いってらっしゃい!」

笑顔で手を振ってきた

鳩山「あぁ、いってきます」

俺も手を振り返した


学校

氷川「おーっす優太、昨日は大丈夫だったか?」

教室にはいるやいなや鴾宗が話しかけてきた

鳩山「あぁ、お陰様で全然大丈夫だったよ」

鷺坂「あっいた、鳩山くん大丈夫だったの?真吾から聞いたよ」

次に鷺坂が話しかけてきた

情報が早いですね

鳩山「あぁ、大丈夫だ」

ガラガラ…

烏間「みんな、席に着け!今日も転校生が来ている」

ざわざわ…クラスがざわつき始めた

氷川「なぁー、優太どんなのが来ると思う?」

鴾宗が俺に耳打ちしてきた

鳩山「めんどくさくない人なら誰でもいいかな」

正直柄長みたいなのが増えたら厄介だ

ガラガラ…教室の扉が開けられた

クラスのヤツら特に男子から歓声が上がった、理由は簡単だ…転校生が可愛いからだ

一方、俺は唖然とその女の子を見ていた

酒井「どうも皆さんこんにちは、私の名前は酒井雛です、今後ともよろしくお願いします…」

深々と頭を下げて挨拶をしていた頭をあげる時に俺と目が合ってニヤリと笑ったのが伺えた

なんでお前がここにいるんだよ!

烏間「そうだな…席は好きなところに座ってくれ」

よしっ俺の隣は空いていない

すると酒井雛は俺に近づいてから俺の後ろの席に着いた

……なんで後ろが空いてんねん

キーンコーンカーンコーン…朝のホームルームが終わった

鳩山「お前、なにやってんの?」

俺は後ろに座っている酒井雛に話しかけた

酒井「それは…お兄ちゃんと同じ高校に通いたかったからです」

直球ですねー

鳩山「いやちょっと待て…お前今何歳だ?俺よりはしただろ、なんで入れてんだよ」

どう考えても容姿は中学生だ

酒井「そんなのフェアリーの力を使ったに決まってるじゃないですか」

決まってるんだ…

氷川「おいっ、優太!お前この転校生と友達なのか?」

鳩山「まぁ、そうなとこ」

酒井「妹ですよ」

俺がそうだと言おうとしたら割り込んできた

お前!何言ってんだよ!!

酒井「でも本当のことですよ」

それもそうだけど…ねぇ、分かるだろ?空気ぐらい読んでくれよ

上原「へぇー優太くん妹いたんだ」

ほらっ、またうるさいのがひっかかってきたが

キーンコーンカーンコーン…1時限目の始まりのチャイムがなった


第四.五章 テストと実力


俺が病院から退院してから1週間がたった

烏間「今日からテスト1週間前になった!全員、しっかり授業に取り組むように!」

俺らは普通の科目プラスEC対策の実技テストがあるからしんどい

鳩山「そういや、酒井、お前はどうするんだ?転校してきたばっかりだし」

酒井「そうだね…一応全部受けるようにって言われたよ…あと雛って呼んでよね兄妹なんだから」

めんどくせぇ

氷川「テストか……嫌だなぁ」

俺も同感だよ鴾宗

上原「今回も頑張るぞー!!」

いつも成績は上位だから凄いよな委員長は

森「…………」

何も言ってないけど、テスト嫌そうだなぁ

空鷹「んで、そんな面倒なことしなきゃいけねーんだよ!」

相変わらず口が悪いな

頬白「実技だけ頑張ろ……」

勉強もしろよ

酒井「お兄ちゃん…一人一人にコメント入れていくんだね…」

ちょっと引きながら酒井雛が言ってきた

…えっ!?別にいいじゃん

氷川「なぁー優太、勉強教えてくれよ」

空鷹「お、俺も頼む…」

森「……わ、私も……」

いやいや、勉強は自分でやるから力がつくんだけどなぁ

鳩山「はぁー、分かったよ、今日の放課後からやるから」

氷川「よっしゃー!!これで今回も欠点回避できるぜ」

鴾宗がガッツポーズをしながら喜んだ


放課後

鳩山「え、えっと…なんでこんなに居るの?」

そこに居たのは鴾宗、空鷹、森、上原、酒井、鷺坂、頬白、真鶸、戴勝、橋爪がいた

……いや、俺は鴾宗と空鷹と森さんしか聞いてないけどそれに委員長と鷺坂は俺が教えるまでもないような…

氷川「早くやろうぜ!」

鳩山「やろうぜって言われても、まず自分で解いて分からなかったら聞いてくれよ」

俺たちは個々に勉強を始めた


それから1週間が過ぎテストも終わった頃

氷川「いやー、疲れたわ、そういや、成績って開示されるらしいぞ」

それは…公開処刑っていうやつだな

鳩山「それっていつ貼り出されるの?」

氷川「確か……今日だったような」

今日!!…急に言われても心の準備ができてない

鳩山「それってこのクラスだけだよね?」

鴾宗が頷いた

そんな話をしていると烏間先生が教室に入ってきた

烏間「今からテストの結果を貼り出す」

そう言うと先生は黒板に髪を貼り付けて教室から出ていった

俺も恐る恐る、その紙を見た


テストの結果 科目編

1位 鳩山優太

2位 上原つばめ

3位 鷺坂幸太郎

4位 松田鳧

5位 真鶸りん

6位 森鶯

7位 戴勝夏美

8位 橋爪水鶏

9位 酒井雛

10位 柄長雫

18位 氷川鴾宗

24位 頬白佐久間

30位 空鷹真吾


なんだ…点数は出ないのか…良かった……それにしても松田鳧って頭よかったんだな、あとなんで酒井雛がトップ10入りしてんだよ!!

それと次は……


テストの結果 実技編

1位 鳩山優太

2位 森鶯

3位 氷川鴾宗

4位 空鷹真吾

5位 上原つばめ

6位 柄長雫

7位 真鶸りん

8位 鷺坂幸太郎

9位 頬白佐久間

10位 酒井雛

11位 戴勝夏美

12位 松田鳧

13位 橋爪水鶏


なるほどねぇ……またも酒井雛はトップ10入りしてるな流石、悪魔族というよりもフェアリーの方が強いのかな?

氷川「すっげー!!優太、二冠してるじゃん!」

まぁ、悪魔だからね頭もいいし運動もできるからね

上原「うぅ…またも優太くんに負けた…」

俺は競ってないのに1年の時から勝手に競ってきている

空鷹「チッ…なんで俺は氷川に勝てねぇんだ!!くそっ!」

まぁ、空鷹も強いからいいんじゃね

頬白「なんか、トップ10はいつメンって感じがするな」

確かに俺と関わりがあるやつがトップ10入りしてるな

これは俺のおかげか?……なんてなそんなのあるわけない

烏間「一通り見たか…見たなら席に着け!朝のホームルームを始める……前にまた転校生が来たから紹介する」

また誰か来たのかよ


次回につづく

読んでくれてありがとうございました

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