道中にて
ちょっと文が冗長かなぁどこまで盛ればいいのかわからん。
「もう疲れた」
そう告げた彼はこの国の勇者であった。
「そう言って逃げる気か...オッドよ。お主だってわかってるんじゃろう?その手がどうしようもなく汚れてることに。そして自分の有用性に、どこに逃げたってどこまででも追い詰めるぞ。ワシがでは無い。世界がだ。おぬしが我国の庇護下から抜ければ世界がお主の持つ力を欲しがるだろう。そしておぬしを手中に納める為ならばなんだってするぞ。」
「いいさ、どうにでも出来る。なんてったって最強なんだろ?この力は。もう汚れた手なら自分に降り掛かってくるだけの不幸を拭う程度なら誤差の範囲だ。じゃあな」
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「とは言っても生まれてから切ることしかしてこなかったからな...どうするか、いやどこに行くかこの国にはもういたくねぇし...山に家でも立てて猟師なりで生きていくか...」
オッドはそう言ってこの国オルバータを出て山へ向かった人のいない地を目指して。
だからこの出会いは偶然なのだ。
「...お前こんな所で何してる」
僻地に向かって数日が経った随分歩いた。人と会いたくなかったから小さな村ですら避けた。
そこに居たのは痩せっぽちの子供だった。
「.............ァ...ァあ?」
声が枯れてるのか子供は呻き声しかあげなかった。よく見なくても手足に骨が浮いている髪もボサボサで伸び放題目もうつろ。服は生成りの貫頭衣のようなワンピースもどき。
「村の口減らしにでもされたのか...。水飲めるか?意識はハッキリしてるか?ちょっと待ってろ。〝ヒール〟」
そう言ってオッドは簡略化せれた回復魔術を唱え生活魔術のひとつクリーンを連続して唱えた。
「声出るか?名前分かるか?」そういうと返事はすぐあった。
「....ぁりがとう」
たったそれだけだったがオッドには衝撃的だった。お礼なんて何年も聞いていなかったのだ。そしてオッドが衝撃から帰ってくる前に次の言葉が紡がれた。
「フィッテ。私はただのフィッテ。家族も無くしちゃった村も家も」
そう言ってフィッテは涙を流しながら意識を手放した。
その時首が支えを失い頭をオッドの方に向けた。ボサボサの髪に紛れた2つのそれは意識しなくとも目に入りそうなものであったがオッドは今気づいた。
そう彼女は獣人であった。