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卑怯な技を使ったよ。

お風呂にはいり普段着に着替えて、母親の手伝いをしている。

単なる出来た料理をテーブルに運ぶだけなんだけど。

運ぶだけなのにエプロン着けさせられてる。しかも未だに苦手なフリル付きのエプロン。

弟なのにイスに座りやがってと思いつつ料理を運んでは並べているけどライクは、イスに座ってソワソワしているよ。

「おにいさま、なんか、へん、ですね。」

妹ルルが弟ライクの動きに疑問をもってきいてくるけど。

「それは、聖騎士様がくるんですもの。戦士所帯のわが家では男なら憧れるジョブなのよ。」

母親リリィがそういうがあれは……多分そうなのかなぁー?まぁそうなんだろうな。

「そうです。色々な話が聞けるじゃないですか!」

弟が勢い良く返答してきた。

そんな団らんのなか鈴の音がなる。妹が扉まで行き開けると【聖騎士】フィルメイアさんが、立っていた。

「どうぞ、入って入って……」

母親がフィルメイアさんを案内する。

「あっ、ありがとうございます。」

ちょっと強引な母親の案内にちょいっと引きぎみ。

一緒に食卓を囲みご飯を食べる。

「いただきます。」

私も元気に挨拶をするよ。勿論弟も妹も。

「フィルメイアさんは、どうして【聖騎士】になったんですか?」

弟が突然質問してきてフィルメイアさんが落ち着いて答える。

「私の場合は、環境が良かったと思います。騎士の家に生まれ。最初に授かったジョブもライクくんと同じ【戦士】ですが家族が既に【騎士】を取得していて騎士としての修練がしやすかった事ですかね。」

「じゃぁ、俺も【聖騎士】に成れる?」

「正直【騎士】までなら修練を怠らなければですけど【聖騎士】は……」

そう【聖騎士】はそう簡単にはなれない。たしか【騎士】になって聖魔法と治癒魔法だったかあれ?闘気もだっけ?あと、聖都で

言葉を貰えれば達成だったな。確か全部必要。

フィルメイアさんが続けて

「回復魔法とか聖魔法の取得が大変でした。」

「えっ魔法必要なんですか?」

「は、はい。」

弟が、必須スキルにビックリしている。

魔法なんて普通なら【魔法使い】系のジョブか修練して会得しなくてはならないからなんだよね。ちょいっと話を変えて

「そう言えば、何でフィルメイアさん家でお食事会になったの?」

雰囲気を悪くしないように笑顔で質問してみたよ。そうしたら母親が

「お昼の時見ちゃったのよ。」

「何をですか?」

フィルメイアが、母親の一言に慌てる。

「いやぁね。フィルメイアさんあの大勢の男達とご飯を食べててね。むさ苦しそうでなんだか女性なのにねぇ」

「確かに、男建ちの中だと結構気を張ってしまって」

とフィルメイアさんは安堵の息を漏らして愚痴を言った。

「でも、モンスターを倒した姉弟の家庭にお呼ばれしたので色々話しもしたくて」

「良かったわね。ゼフィちゃんにライクちゃんもジョブが、【戦士】で色々聞けるじゃない。」

弟は、頷いている。憧れのジョブ?女性?私を手本にしなさいってね思いつつブラコンに成らないようにしないと。

「食事中で悪いんだけどワーウルフ斬った太刀筋が、剣一閃だと思うんだけど……」

フィルメイアさんが、私を見てる。見詰められると恥ずかしいって思って見つめ返したら……あれ?フィルメイアさんが恥ずかしそうな素振りをしてるよ?

「あれは剣を磨いだ後ですし運良く斬れたんですよぉ」

弟も、そうですと返事をしてくれている。

「そうですかぁ、そうですよね。ライクくんに闘気剣術ソードスラッシュを教えてたのはお姉さんとライアンさんに聞いたんですけど」

「お姉さまから教わりましたよ。お姉さまもお父様から教わってたので」

ナイスフォローだ弟よ。お父様の事が無かったら私ヤベェヤツになる。

「でも、お姉さまはスゴいんですよ。」

弟よ、私を敬うのだよ。フィルメイアさんより私を

「良くあれで会得できたんですよね。」

ん?それどういう事?

「お父さんの教え方?」

フィルメイアさんが弟に聞き返した?

「ほぼ、『どやぁー』とか『ぎゅいーーん』とか擬音ばっかりだったのに」

年数かなり経つのに覚えているよ。私もその教え方は無いわぁと思ってたのを覚えてる。弁解するけど

「長い間教えて貰ってたんだよ。あの時は殆ど出来てた時だし」

ヤバいヤバいとフィルメイアさんを見ると

「闘気の扱いは、スキル取得が楽ですけど修練での会得は時間かかりますもんね。」

セーフ、セーフですよ。ハラハラドキドキですよ。

「ゼフィさん……」

突然名前呼ばれてドキッとしたけど

「ゼフィで良いですよ。」

「ゼフィ、食事の後この町の案内と散歩はどう?」

「俺も、自分も行きたいです。」

「ライクちゃんは、ダメ。明日早いんでしょ?」

「あっ!!」

「ライク、明日ライアンさんと朝訓練と見廻りなんだから早く寝なよ。」

弟はしょげていたんだけど妹のルルは……

やっぱりマイウェイだね。黙々とご飯を食べている。ん?

その組み合わせの食べ方美味しそうと思って妹を見てたら、美味しそうに私を見ながら食べる。

「美味しい……」

妹ながら艶っぽく言いやがった。


食事も終わり片付けを手伝ってフィルメイアさんと外回りする。

鎧とかは着てないが剣は身に付けている。そういう私も見廻りなので剣は腰に着けてる。

「突然なんだけど……」

何かイヤな予感なんだよね。3年前の事も記憶してるし

「ゼフィは、最初ジョブが違ったんだよね?」

「そうですね。一時無しって言ってましたね。」

「次の日急に【戦士】になったんだよね?」

ん?何が聞きたいの?

「神様が決めかねてね。」

「そんな、珍しい事もあるのが不思議でね。」

不思議?そりゃ【なし】だもんね。私も不思議だったよ。フィルメイアさんが話し続ける。

「正直、1日遅れるなんて事過去にも今も無いの。」

確かに無いよ。そりゃないさ。神様が名前つけ忘れてただけなんだからね。

「ゼフィは、何か隠してる?」

ドキッとはしないけど何を言おうかなと考えてしまうよ。

「えっ?私は何も隠してないよ。何にも知らないよ。」

可愛くぶりっ子風に目を潤わして言ってみたら。

「こんな時だから考えて過ぎちゃって……」

上手く交わせたようだな。良かったよ。手合わせをとか言われないでと思ってて

「ゼフィ、やはり手合わせお願いできる?」

はて?なんでそうなるの?私、【戦士】なのよ普通なら負けるよ。

「私負けるからイヤですよ。経験も……」

嫌待てよ、勝ったらあの柔らかい丘を堪能できるのでは?

ここは卑怯な手を使って勝つ!!

「良いですよ。でも……」

受けると思ってなかったみたいでフィルメイアさんは、驚きを隠せてない。

「でも?」

「私が勝ったら一緒にベッドで寝てください。」

ニヤリ。これであの花園を堪能できる。あれ?

「良いの?私こそ願っても無いわ。でも私負けないといけないのよね。」

フィルメイアさん?願ってもってドウイウコト?

「訓練所でしますか?」

「そうね。私も防具身に付けて来ないといけないわね。」

「要らないですよ。」

「いえ、手合わせでも試合ですから、今から1時間後に訓練所で……」

行っちゃったよ。慌てなくても良いのに帰って説明と私も防具を身に付けてくるかな。フィルメイアさん見たいな防具じゃないから貧相な皮の胸当てだし。

兎に角、まぁ1時間後にだね。


1時間後、ちょいっと過ぎたけど訓練所にてフィルメイアさんと手合わせする事になっているが、ライアンさんはわかるけど、何故か他の町の戦士や弟、妹や母親と内の家族も居るよ。

フィルメイアさんは真向かいに鎧を確り装備している。私は……何度も言うと寂しくなるよね。武器は木剣でやる。

弟ライクが、近づいてきて

「お姉さま、どんな作戦なんですか?」

「ん?普通なら色んな作戦立てても負けるよ。」

「でも、勝つ見込みがあるから受けたんじゃ?」

「卑怯で姑息な手を使うよ。」

見てる人は全員フィルメイアさんが勝つのが当たり前になっている。だから私が逃げ惑ったって悪いこと言う人はいない筈。


「ゼフィ、フィルメイア様いいですか?」

「ええ、初めてください。」

「大丈夫です。」

「始め!!」

ライアンさんが手を上げて勢い良く振り下ろす。


私は両手で剣を持ち前に構える、いわゆる中段の構えだがフィルメイアさんは、左足を前に出し右足を後ろに下げ剣を脇に構える、脇の構え。基本の構えだが隙がない。

お互い間合いを少し……少しずつ詰めながら相手の出方をみる。

観客は、鎮まりかえり緊張の空気が張り詰める。

正直、こんな緊張してても普通なら【戦士】の私が負ける。

良く考えなくてもそれは確実な結果なのだ。

と開き直り

「わー!!」

と、突撃する。

フィルメイアさんが横に避けて右足で地を蹴り私に突撃をする。

この瞬間!!

私の1番、可愛いルックスと涙目で物好きなら私の周りにキレイな華が沢山咲いているはずのポーズでフィルメイアさんの目を直視する。

かかった!!フィルメイアさんの剣が途中で止まり色んな所ががら空きでだった。

この隙にフィルメイアさんの喉に私の剣先を突きつける。

フィルメイアさんが息を飲む。

「勝負あり!!」

ライアンさんの大きな声が飛ぶ。

「お姉さま、卑怯……」

「ゼフィちゃんスゴい!!」

弟が言い掛けたとたん母親が、私に褒め言葉を言う。

「おねえさま、あれは、かわいい。」

妹は私の卑怯な技を真似て言ってきた。

フィルメイアさんが近づいてきて

「勝負は勝負ね。」

「フィルメイアさん、あれはお姉さまが卑怯で、勝ち負け無しですよ。」

弟が言ってきたけど

「ライクくん、もしあれが生と死を分かち合う戦場だったら……」

「……」

「私は死んでいたわ。だから負けで良いの。私も色々学ぶ事が出来たわ。」

「……わかりました。」

勝った!!卑怯で姑息だけど勝ったよ。もう一度使おうと思って使える技じゃないな。

「フィルメイアさん、約束忘れないでね。」

「ええ。」


手合わせ後、子供なので急に眠たくなりフィルメイアさんにおんぶしてもらって家に着く。

なんでもフィルメイアさんからおんぶの勝手を言ってきた。

ふふふ、一緒にベッドに入ってしまえば触り放題とヨダレが……。

「ゼフィ、着替えて……」

あれ?フィルメイアさんが着替えを手伝ってくれてる。

ベッドに入って寝る。もちろんフィルメイアさんと一緒に。

夢見た双丘を堪能するんだ……絶対にぜっ!!

急に絞められる!

「んーゼフィ!かわいい」

あれ?フィルメイアさんが絞めてくる。抱きしめられている。

「フィルメイアさん!痛い」

「ゴメンね。大丈夫?」

「ごほ、ごほ大丈夫。」

「もしかして、フィルメイアさんこれ狙ってた?」

「ふふふ、」

不気味な笑い声……もしかしてそっちのけの人?

「今日は、一緒に寝ましょ。」

さっきの絞められたときに感触はあったんだけど、そっちの気の人なら躊躇しちゃうよ。

でも、くっくっくっ胸に手を伸ばして……ぐわっ!!

また抱き締められる。

「フィルメイアさん……」

「フィルメイアさん?」

グーグーグー

寝てる。子供の私より寝てる。苦しいけど柔らかい間食が有るから……温かい。眠たくなる。

手で感触が楽しめなかったけどそのまま寝てしまった。残念。

そして夜があける。

読んでいただいてありがとうございます。



次回は、フィルメイアさんがまだ登場しています。そっちの気かどうかはわかるかも。



お気に召されたらブックマークをして頂けると有り難いです。

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