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ライク初勝利、あの人は覚えてました。

ワーウルフの攻防に立ち向かう弟ライク。

ワーウルフの威嚇である犬の遠吠え動作の時に首を斬るのが常套手段なのだけれどライクには教えて無かったです。

だって年に1度ぐらいしかモンスター現れないんだよ。

町にはモンスターが、近寄れない防衛の魔法が施されてるからね。

ライクの初戦はアドバイスするけど手出しはしないよ。だって経験積んでもらわないと、ジョブのレベルが上がらないし、何か合ったとき対処できないもんね。


ワーウルフの前足の爪が弟に斬りかかるが避けようとしてバランスを崩し尻餅をつく。

私は咄嗟に「ライク!!」と叫ぶがライクは、少し戸惑っているがワーウルフはキョロキョロしている。

そう言えばそうだ。このワーウルフの習性なのだが狙ってた獲物が突然小さくなったり、細くなると少しの間見失うんだ。

ライクが、その隙に剣技を繰り出しワーウルフを仕留める。

「ライク!!」

「お姉さま?」

私はヒヤヒヤしてたけど安堵のあまりライクに抱きついた。

「初のモンスター戦勝利おめでとう!!」

「お姉さまは、大袈裟だなぁ。」

ライクの初勝利は本当に嬉しいよ。剣技ソードスラッシュを【戦士】が実践で使えたのが驚きだった。

【戦士】の特徴は

初級から中級以下武器を装備出来る事。

初級から中級以下防具を装備出来る事。

各武器の術がlevel5まで修得可能。

【戦士】の技といえば全て力もしくは素早さ等身体能力を使った技ばかり、闘気とか魔力とかを使用した技は使えないんだが。

これで【戦士】でも教える人がいればジョブに沿った技が使えると言うのがわかった。

実際弟ライクにケガさせたら今度こそ殺されるから。帝王よりも最強と言われる存在に。

と思ってたら町の方から

ドッドッドッドッ!!

「お姉さま、何ですかね?音が……」

聞き覚えある。この迫り来る音が……

「ゼフィちゃぁぁぁん!!」

「あっお母さま……」

「ゼフィちゃ!!ライクちゃぁぁん?」

私よりライクにしがみついく母親。

「ライクちゃん?無事?ケガない?」

「だ、い、じょぉ、ぶ、でぇ、すぅ」

「お母さま、ライクが苦しんでますよ。」

「ライクちゃんごめんね。」

ライクがゲホゲホって……呼吸を整えてる。

「ゼフィちゃんは?」

「私は大丈夫です。」

「良かったぁー。」

母親はホッとしている。

「もしかして、ライクちゃん?モンスターと戦ったの?」

「お母さま、そうです。勝ちました。」

「ライクちゃぁぁぁん!!」

「あがぁ!!」

「弟よ安らかに!」

「お姉さま……た、す、けぇ」

「お母さま、ライクが!ライクが!」

ちょー焦った。ライクが瀕死直前だったよ。

「良かった。ライクちゃんの【戦士】としての初勝利。今日の晩御飯はちょっと豪華にしないと。」

「やった!!」

私とライクが喜んでいたら後からトコトコっと歩いてきた。

「おかぁさま、あしはやい。」

妹ルルの声……

「足速いって言うよりルルが歩いてるから、じゃない?」

「わたし、はしると、つかれる、からね。」

「そうだけど……」

弟は活発に物分かりが良く成長したけど、妹のルルは小さい時から相変わらずマイペース。

「おねえさま、おにいさま、これお昼ごはん。」

「天気も良いし、久しぶりにみんなで食べようと思ってね」

「でもここだと……」

と母親と話をしているとライアンさんと騎士の人がきた。

「これ、ワーウルフじゃねえか?」

「すみません、防衛エリアに侵入してきたので交戦しました。」

「倒したのなら、良いんだけど……1匹はライクが?」

「はい。」

「ライク良くやった。」

ライアンさんが、ライクの肩を叩く。

弟も笑顔で喜んでそうだ。


「このワーウルフ2匹をたおしたのは?」

騎士の1人に言われたので

「私です。」

「こっちの1匹は?」

「弟のライクが、倒しました。」

弟を肩を抱いてアピールしたけど、騎士の人はあっさりと流した。弟の活躍なのに……。

いつの間にか騎士達集まっていてワーウルフをみてる。

なんでも倒した方法なのか切り口を見ているよ。

もしかしてやっちゃった?ただ普通に斬っただけだし!

まだ切り口みてるけど……本当に斬っただけだし。

「ワーウルフが、現れたのですね?」

フィルメイアさんが、ワーウルフをみてる。

この地域は聖都と地形、気候のお陰で下級のモンスターしか出現しない。だからワーウルフ珍しいと思うよ。

「ワーウルフは、そんなに珍しいモンスターなのですか?」

ライアンさんがフィルメイアさんに尋ねてる。

「確かに、このタイプはあまり見ないですけどウルフ系には沢山の種別がありますから」

私達家族は、騎士達の動きを不思議そうに見ている。

「この1匹は君だね?」

フィルメイアさんが、ライクに言ってきて

「良くやったね。」

「はい。ありがとうございます。」

ライクは、笑顔で礼を言うけど……あれ?私の時より笑顔じゃない?姉として許すまじ。なんて思ってたらフィルメイアさんが近づいてくる。

「この2匹の切り口……【戦士】としてはおかしい。弟くんが倒した方も明らかに闘気系の切り口……」

私に聴こえるように言ってないかい?ここは聞こえなぁーい。知らんぷり。

「ねえ?きみ?」

フィルメイアさんが私を見た。でも咄嗟に私はライクを見たら

「あれ?もしかして……貴女は?」

ライクは、手を振って僕じゃないって動作をしてる。

フィルメイアさんを見ると視線が合う。これ私だね。

「はひ?」

マヌケな返事をしてしまったけど、ここは大人フィルメイアさん。

「3年前に私と聖都の神殿であってるよね?一時的にジョブが不明だった娘?」

知らずで通せなさそうで

「あのときのお姉さんですか?」

などと今気付いた感をだす。会ったときから気付いてますけど。

「やっぱり、3年って変わるのね。」

「?」

何?何かあるりそう?

大勢になってしまったのと昼食のタイミングが無くなったので倒したワーウルフを引き吊って町へ戻る。

この状況でモンスターが、襲ってくる事は無いだろう。

この団体の最後尾でワーウルフを引いている。私の横にフィルメイアさんが来て

「手伝おうか?」

「大丈夫です。」

「そう言えば、貴女のお名前は?」

なんだか、嫌な予感。訊問されそうで……

「ゼフィ=アルフヴィダントです。」

「ゼフィちゃんね。」

私は、頷くけどちょっと怖いぞ。

「ゼフィちゃん、後で会えないかしら?」

きたよ!きたよ!会ってなにされるの?もしかして女の花園的な?いや、机を挟んでライトを顔に近付けられて『お前がやったことはわかってんだ!!』『カツ丼食え。』『田舎のおっかさんが』とか言ってきたりして。(カツ丼ってなんだ?)

「いえ、この後も巡回とかありますので」と首を横にふる。

「ゼフィちゃんねの剣術を見たくて……急にゴメンね。」

フィルメイアさんが、申し訳ないかんじで言ってきたので悪いことしちゃったかなぁ。

でも、手合わせはごめんだよね。


ライアンさんにワーウルフを預けて警備の為に巡回に戻る。

「お姉さま、先ほどフィルメイアさんとなに話してたんですか?」

「私の剣術が、見たかったんだって。手合わせしたかったのかなぁ」

「お姉さま、すごいじゃないですか!!【聖騎士】様にそんな事頼まれるなんて」

「いや、でも断ったよ。」

「勿体ないですよ。手合わせするべきですよ!!」

「うーん。また言われたらするかなー」

お昼に食べ損ねたごはんを弟ライクと共に食べながら、持ち場にいる。

警備してても正直、モンスターや悪党など来なかった。

『おい、お疲れ!!交代だ。』

変わりの戦士の方がきて持ち場を交代する。

「ゼフィ!ライアンさんが呼んでたぞ。今日の警備終わったら俺のところに来てくれだってさ。」

「はい。わかりました。」

ライアンさんが、呼んでるなんて?終わりの報告する為に詰め所に行くんだけど、そこにいつもライアンさんが居るのに。呼んでるって変なの。

「ライアンさん、詰め所に居ないんですかね?」

弟ライクが、先ほどの戦士の言葉に気にして私に聞いてきた。

「もしかしたら、居ないのかな。と言うか居なかっなら報告出来ないじゃん。」

詰め所についたら。

「……」

「いるよ。」

「ライアンさん、呼んでるって聞いてたんですけど……」

弟も私も一緒に居るじゃぁんっておもってる。

「悪いな、さっきまで解体所にいてな。」

なるほどー、だからか!!

「ゼフィ、フィルメイアさんがお前と話がしたいって言っててな、そろそろ仕事終るからリリィさんにお願いしてお前の家で待ってるってさ。」

「えっ!!」

「何がえっだ!!聖騎士様が話をしたいだなんてお前に【聖騎士】の素質が見えたんじゃないか!!ワッハハハハ。」

「お姉さま、すごい!」

ライアンさん、弟よ、違うぞ。はぁ何だか嫌な予感というか確実に嫌な事が起きるだろう。【占い師】などのジョブを着けてないけどわかるよ。

「お姉さま帰ろう!!」

弟ライクくんは、ウキウキしてるよ。あら私よりも上のお姉さんが家にいるんだもんね。しかもスタイル良いしあのちょうど良いおっ……失礼、お胸が魅力的だもんね。私はまだ……。チッ、舌打ちしちゃった。

「ええ。ライク帰りましょう。」

私の足は重たいよ。家まで遠く感じるというより感じたい。弟の足は軽そうだな。

「ただいま!」

私と弟が、家にはいると

「お帰りなさい。」

母親と妹は晩御飯の準備をしている。私は装備してた防具や武器を所定の場所に置くけど弟がキョロキョロしている。

そう言えば、あの人がいないね。

「ゼフィちゃん、ライクちゃん。お疲れ様。」

「お母さま、フィルメイア様がいると聞いてたのですが」

「ええ。用で帰ったわ」

弟ががっかりしている。

「ライク!用があるなら仕方がないわ。」

よしよし、めんどくさい事が無くなったよ。良かったぁ。

「そうですね。」

「私がいるから悲しい顔しないの。」

「でも、お姉さま……」

「!!」

一瞬だけど、弟の召せんが私の胸に!すみませんね。まだ子供ですから8歳ですからね。そりゃぁね。平らですよ!!あの人と同じ歳になったら負けないんだから。

「ライク……」

「えっ?何ですかお姉さま?」

「何でもない。早く装備品降ろしてお風呂に入ってきなよ。」

私は、片手を胸に当てて弟に言ってみると

「あっ、はい、入ってきます。」

気付いてないと思ってたのか!視線はわかるんだからね。

弟の耳は赤くなってた。

あの年頃ならフィルメイアさんは憧れみたいなのに見えるよね。

「ライク、剣を手入れするから借りるよ。」

「ありがとうございます。」

「ゼフィちゃん、後でフィルメイアさんが来るからね。」

「えっ?えーーー!!」

「本当ですか?お母さま?」

「あら?二人とも反応が……」

「お母さま、嫌なわけでは……」

「僕は、聖騎士様の話が聞けるので!嬉しくて。」

あら、ライクはあの胸に惹かれてじゃないのね。

わたしゃぁイヤだわぁー。あのおっ……お胸が触れるなら歓迎だよ。手合わせはムリだわ!別の意味で手合わせは嬉しいけど。

女性なら興味あるのよ。

「それでは、早く装備を手入れしてお風呂に入りますね。」

「そうしてちょうだい。終わったら少し手伝ってね。ゼフィちゃん。」

「わかりました。」

台所が大変そうだ。そう言えばライクの初勝利で豪華にするって言ってたからかな。妹ルルも忙しそうだ。



この後、フィルメイアさんが来て食事を一緒に取ることになった。

読んでいただいてありがとうございます。


次回は、フィルメイアさんと手合わせします。


もし出来ましたらブックマークの方をしていただけると非常に有り難いです。

していただいた方、有難う御座います。

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