やっちまった……外すの忘れた。
「うーん。」
日が射し込んできてる。
爆睡のようだった。ジョブやスキルを考えながらいつの間にか寝てしまってたようだ。
とにかく、日差しが暑い!!
これ、寝坊じゃね?
と体制はそのままで顔を左に向ける。
父親は花街から戻ってきている。
路地やらで寝てなくて良かった。
「へっ、くっしょん!!」
風邪引いたか?
体を起こす。
あら、まぁ
寝間着のパンツがズレて下着が顕に、しかもへそ丸出し。
まぁ子供ながらの悪い寝相と言うことで、てへぺろ。
あの神のが移ったわー。
そんな事より父親アルガを起こさなくては、
「お父様、起きてください。」
揺すっても起きない。花街でハッスルしたな。
ちっ!!うらまやしい。
何度もやるが起きないのでここは、股がって起こす。
「お父様、起きてー」
どんどん叩く。
「うーーん?」
「お父様起きないと定期便出ちゃいますよ。」
「もう少し……」
「遅れたらお母様に怒られますよ。」
「もぅちょっとだけ」
「遅れたら理由問い詰められ、花街の事白状することになりますよ。」
花街の言葉でガバッと起きる父親
「それはマズイ!!」
ボクのジョブを楽しみに待っている母親が、寝坊で遅くなったら怒るけど花街行ったとか言ったら激オコですよ。
ジョブ関係無しに神クラスの雷魔法放つよね。
ジョブで思い出した。父親に言わなくては。
「お父様、ボクのジョブ決まりましたよ。」
「へ?」
「なんでも神様が【家政士】か【戦士】にするか迷ってたみたいで昨日の夜にお告げがありました。」
まぁ隠蔽ですけど。
「で!どっちだった?」
「【戦士】です。」
「うぉっしゃぁぁぁ!!」
父親スゲーガッツポーズしているよ。
「見無くて良いんですか?」
「そうだな。神殿行って言ってくるか。」
今日でこの宿ともお別れなので店主に挨拶してチェックアウトを済ませる。
神殿に行く時も父親は、何か突っ掛かっている物が取れたかのような笑顔で向かっているよ。
「いやぁーこれで、うんうん」
「お父様、なにか?」
そう、よく分からない事を言う父親だけどそりゃ意味不明なジョブよりかはマシだよね。
神殿に到着し巫女さんが対応する。
「昨日の方ですよね?司祭を呼んできますね。」
何か困惑したような素振りだけどどうしたの?
と父親と一緒にロビーで待つ。
「ジョブが決まったから焦ってるんじゃないか?」
父親は何もかも安心感のある言葉を発しているけど、何にもなければ司祭さんを呼ばないだろう。
「すみません、司祭が席を外せないのでこちらに来て貰えますか?」
「良いですよ。」
父親とボクは席を立ち巫女さんの後に付いていく。
ジョブシステムを授与された間に案内されてるとそこには司祭さんと長い金髪の、おっ胸が丁度よい感じのスタイルが良い女性がいる。
何か話し合ってたような素振りだったようだが、巫女さんが
「連れてきました。」
「ありがとう。」と司祭さんが巫女さんに礼をして
「この娘が例の……」
司祭さんの言葉に被せるように良い、おっ 胸をした女性が、
「妙なジョブを授かったと報告がありこちらにきました。私、【聖騎士】のフィルメイア=アルガスと申します。」
何でも【勇者】や【賢者】など希なジョブも持った逸材がいると直ぐに国が動き教育を施すのが当たり前なのだが、変なジョブを見つけても教育をして働けるジョブに就かせるのも国の役割なのだ。
ボクのジョブが【なし】なのが珍しかったのか直ぐに国へ報告が入りフィルメイアさんが駆けつけたとの事。
「本当に【なし】なのでしょうか?」
「その事で娘が今日なにやら神様からお告げがあったみたいで」
父親がフィルメイアさんに話をするけど、鼻の下伸びてるよ。
「何かわかったんですか?」
司祭さんが疑問をなげて
「昨日はジョブを迷ったらしくて今朝ジョブを決めたと言ってたんだよな?」
「はい。」
父親から突然振られてちょっと焦っちゃったけど、実際は昨日の夜なんだけどまぁ近いしオッケーで
「神様のお告げなんて珍しいですね。」
「ジョブは何に決まったんですか?」
司祭さんが感動しているところにフィルメイアさんがジョブに興味を持つ。
「【戦士】と言ってたんですが一応確認をと思いまして」
「魔導鏡を!!」
司祭さんが巫女さんにお願いすると直ぐに魔導鏡をもってくる。
「それでは見てみます。」
3人一緒に
「【戦士】ですね。」
さすが神様、隠蔽スキルバッチリ!!常駐スキルで有難い。
「良かったよ。この娘のジョブが【勇者】と同等のジョブならお城に連れて帰らないといけなかったんだけどね。」
フィルメイアさんが腰を曲げてボクの頭を撫でる。
グッジョブ!!本当にちょうど良きおっ 胸の大きさと谷間が丸見えです。後で父親に自慢する。するよ。
スタイリッシュに神殿を出ていくフィルメイアさん。
ボクと父親も神殿を後にして定期便の停留所にむかう。
父親と一緒に停留所にむかう途中なのだが
「お父様、さっきの騎士様美人でしたね。」
「そうだよな。あんな美人がいるなんてな。」
「お父様は【騎士】なのに知らなかったんですか?」
「まぁあの人は【聖騎士】だから所属とかが違うからな。」
「それにしても、あの胸良い形でしたね。」
「リリィには負けるけどな。」
「かかんでくれたときの谷間は絶景でしたよ。丁度お父様の手にすっぽり入るんじゃないですか?」
「お前そんな事思ってたのか?女なのに?」
何故か父親の両手は前に出して鷲掴みのような動きをしている。
「お父様、その動きは恥ずかしいから街中でやらないでください。」
「おっおう。」
父親も状況をわかったらしく直ぐ様手を下げた。
「でも、何で聖騎士様がくるんですかね?【勇者】とかならわかりますけど」
「さぁ、だけど俺達も良く耳に入るけど何でもモンスターが多く見られたり、群れを作ったりとか今までとは違う動きを見せてると聞いたな。」
「それで?」
「国でも希少な人材は確保したいんじゃないのか?」
停留所に向かう途中で武器屋の前に差し掛かると父親が
「そうだ、ゼフィが【戦士】になったんだ。武器を買おう。」
それは有難い。持っている武器がアイテムボックスに有るのだが如何せん普通の子供が持っている武器ではない。
武器屋に入り父親が店主のおっさんに
「うちの娘がなんと【戦士】になりまして。」
「おぉ!!なんと良いことだな。」
「新米戦士にピッタリの武器をお願いする。」
「それじゃこの剣でいいかな。」
出されたのはごく普通のショートソード。今の背の丈に身合っているから文句はない。
「ゼフィどうだ?」
「わからないけど、これで良いよ。」
「振ってみろ」
父親が笑顔で言ってきた。
剣を持って構えて縦に振る
ビッビッ!!
「お嬢ちゃん本当に【戦士】なのか?お父さんよ?」
「あぁー、確かに【戦士】だけど……」
『剣聖のスキル【剣圧】を発動を失敗しました。』
失敗は戦闘じゃないからなんだけど。
やっちまった……サブジョフ外すの忘れた。
剣を降った直線上に軽く線ができてる。やっちまいました。
「お父様!!ありがとう。こんなにスゴい魔法の剣大切にするね。」
「あぁ。」
父親と店主のおっさん2人で笑ってるぞ。
武器屋を出て停留所に着き定期便の馬車に乗る。
「聖騎士様も大変ですね。あと、お父様も。」
「ついでに言ったなぁ!でもゼフィが【戦士】で良かったよ。」
何故?と思ってたけど父親が理由を口にする
「実は、ゲイルを連れて王国に行く予定なんだ。ゲイルを【騎士】にするために。そうすると町の守りが居なくてな。ソコが1番の不安だったんだ。国を守るのに家族を守れないなんて最悪だもんな。」
そんな事まで考えていたんだ。でもボク強いはずだから守りは任せて。モンスターとまだ戦ってないからなレベルがわからん。
「せめてなぁ英雄ゼフ=イルフィルザス様が生きていらっしゃればな。」
聞いたことのある名前、遂に登場か!!ボクの前世の名前。でも前に何か2つ名がある
「英雄?」
「そりゃそうさ。何でも上級ジョブを習得してあの黒龍を追い払った人物だぞ。」
あの黒龍ね。
「それに、4人の子が全て上級ジョブまでにしてこの世界から救ったんだ。」
そんな事あったけ?
「何から?」
「魔王だよ。」
魔王なんていたんだね。4人どうしてるのかな?
「その4人はどうしたの?」
今は違うけど前世の子供だからね。気になるよ。
「何故か行方不明さ。でも時が経っているから現役退いているんだろうな。」
そうだよな。今、だいたい40歳は越えているだろう。
上級ジョブを習得したのは流石我が子って感じだよ。
「流石だね。良くソコまでたどり着いたな。」
「何言ってるんだ!!まるで英雄の子が自分の子のように言って。」
ついつい口に出ちゃった。前世の事は他言禁止。てへーーこれも禁止。やりません。
子供達の事が聞けて良かったな。
ちょっと涙を潤ませながら馬車は故郷へとむかう。
読んで頂いてありがとうございます。
次回は戦士として町の守りをするゼフィが登場するかもです。