遂にジョブシステムを授与した!
清々しい朝、空を見上げ雲1つもない………
「って!!隣の建物、近!!空少ししか見えん!!」
そりゃ雲見えないわ。
今日から神殿に行くために部屋から外の景色見たいのに目の前は建物の壁。右見ても壁、左見ても…ほそーく街の景色見えるわっ、ここは壁だろ!!って脳内で1人ツッコミする。
「おぃ!ゼフィ仕度しろよ」
父親アルガが急いで仕度する。
支度するかな。今日は母親リリィが用意してくれた服だかフリルのは苦手なんだよね。言うまでもないが前世は男そうちょっと心の奥底に男の部分があるんだよ。
花街行きたかったわーと萎える。
空色のシャツに薄緑色のスカート白いタイツ黒い靴、無難な服装で良かったよ。
バックの奥に見えたのはフリルとリボンが付いたピンク、ピンクした服を見てゾッとした。あれは、着たくない。
青色の存在を定着しよう。青が好きとしよう。
そういう設定で!!
「お父様、仕度できましたよ」
「ヨシ!!神殿に行くぞ」
宿を出てくるとき店主に
「今から神殿ですか。良いジョブを得られますように」
「ええ、きっと内の娘も【戦士】を取りますよ」
ギョエ?
「お父様!!私は家政士ですよ」
この前は【戦士】良いかもって言ってたけど【家政士】って言っとくと女として良い印象だとこの前母親が教えてくれたんだよ。
「そうは言うものの、戦士が1番。ゲイルとゼフィで町を守ってくれれば俺も安泰!!」
聞いてないな!
「わ・た・し、か・せ・い・し!!」
プクッと膨れる。
「あははっ、こりゃお嬢ちゃんの方が意志固いな」
「そうですね」
「噂だか、意志が固いとそのジョブを得やすいらしいと聞くけどな」
その噂は、実は本当なんだ。神様がジョブを与えるのは結構めんどくさいし楽をしたらしい。転生する前にこっそり教えてくれた。適正を探すより、本人が成りたいジョブが大体適正に近いらしい。上級やレアなジョブを思っているヤツは変なのを選ぶとも言ってたな。
「店主さん、行ってきますね」
「行ってらっしゃい」
手を振って宿を出る。そう、可愛く手を振るのを忘れてはいない。
神殿に行くまでは父親と手を繋ぎながら向かってるんだけど、神殿に向かう子供の数が少ないな。目の前に2人しか見えない。後ろには子供は見えない。
異様に少ないがまぁ時間がたてば来るだろう。時代が変わったりするとレアジョブが生まれたりするのだ。
ジョブは全てあるのだ、レアジョブをゲットしてチヤホヤされる。帰ったらケーキあるかな。
そんな事を考えて神殿に着いたんだけど…………
大きい、こんなに大きかったか?
元ゼフの記憶からは大きく感じないんだが、イヤ、私が小さいから高く見えているのと更に増築しているね。
増築しているはずと思うのは塔が増えてるからそう思えた。
「ゼフィ、受付しに行こう」
「はい」
元気良く答えるが、何か気がかりが増える。
神殿の増築?何かあったのかな?
受付しに扉をあけると【巫女】がいる。
父親が巫女さんに受付している横で、私【巫女】あったかな?と考えた瞬間、魔法を使って女性になり女性系のジョブを取ったんだよな。【神官】のジョブを設定したままで女性になると獲得ポイントが有れば【巫女】のジョブがすぐに取れる。裏技です。
そんな事思ったら受付が、終わってたよ。
「巫女さん可愛かったね」
「えっ!?あっー」
何かしてた?抜け目のない父親だよ。
別の巫女さんに場所を案内されてきたら
子供は前にいた2人しか、いない!!
なぜ?
「少ないんですね?」
と巫女さんに聞いてみると
「最近、城の神官が各地に派遣されて聖都に来る人が少なくなってるんですよ。しかも駐屯までされて……」
だからか、この神殿に違和感を感じたのは。昔はジョブの儀式関係無しに人が集まっていたよ。出店が出てたり、城から人が来て仕事の斡旋をしてたな。
前にいた1人目が終わり、喜んでるな。あれは希望が通ったのかな。
「お父様、私は家政士で決めてますよ」
「うーん!やはり戦士も捨てがたいのでは?」
「ボ、私みたいな、将来美人確定が戦士になったら絶対お父様着いて来ますよね?」
「それはないだろ」
「わ、私はお母様の血も引いてるんですよ。お母様みたいな美人の周りに美人さんが多くいたらどうします。類は友を呼ぶって」
「たしかに!!リリィの周りも美人多かったぞ」
マジか!!そうとは思ってなかったが。
「私が、戦士でお父様着いてきたらハーレムですよ。ウハウハですよ」
父親はデレッとしたが直ぐに
「バカを言うな!!【騎士】は規律を守るもんだ」
昨日花街行こうとしてたのにってそれは関係ないかな。
前にいた2人目も終わって、あれ?この子は残念な顔してるな。もしかして希望が高望みしちゃってたのかな。
修行してジョブを得るのも出来るのがこのシステムの良い所だけど並大抵ではできないのが辛いんだよね。
遂に、私ゼフィの登場。
巫女さんが扉をあけ入るように案内される。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
中に入ると天井にはステンドグラスがありソコから光が入ってくるキレイな色をして床を部屋を照らす。
部屋の真ん中には大きな魔方陣がありその中心には1つの小さなイスがある。
そのイスに案内されて座る。
そこに少し年配の痩せている司祭さんが、現れて
「今度は女の子かい?良いジョブを得られるといいね」
「そうですね」
と可愛く答えてみせる。
「強く念じていると成りやすくなるよ。噂らしいけど思いは強い方が叶いやすいからね」
「よろしくお願いいたします」
「お父さんですね。よろしくお願いします。では早速始めますか」
司祭さんが魔方陣の外側で私の前に立ち魔法の詠唱をする。
巫女さんも私の後ろと左右に魔方陣の外側にいて司祭さんの魔法詠唱に続いて詠唱している。
魔方陣が光輝き色んな色でキレイに光る。幻想的だな……
そんな事思いつつ司祭さんが
「そろそろ目を閉じてください。終わるまでは開けないように。開けると死ぬまで目が見えなくなりますよ」
おいおい、最後恐い事言っているよ。慌てて目を閉じる。
目を閉じていても強い光で明るくなってるんだろうなと思うぐらい瞼の裏側が赤く見える。
私ではなく元ゼフも子供にジョブシステムを授与の為に神殿にきてやったことがある。外側はそんなに明るく無いんだよ。前世の記憶は有難い。
目を閉じていて、そろそろ終わりそうだなって思ってたら
「終わりましたよ。目を開けても大丈夫だよ」
司祭さんの優しい声が、終わりを告げた。
「ジョブシステムを授与しました。目を閉じてジョブシステムを展開してみてください。私は魔導鏡にてあなたが最初に授かったジョブを見させて頂きます。お父さんよろしいですね?」
「ああ、もちろん大丈夫だ」
「では、お嬢ちゃんお願いします」
「はい」
私は、目を閉じてジョブシステムを展開する。
声を出さなくても思えば出てくる
メインジョブ《》の項目の中にあるジョブが、ボクの新しいジョブだ。
絶対にレアジョブ!!期待値マックス。ドキドキしてる。
そぉっと見る
《なし》
?
もう一度
《なし》
あれ?そぉっと目を開けて司祭さんと父親をみると
あんぐり口を開けてるよ。唖然としていよ。
そりゃぁなぁ、神様よその面倒くさいって思うかもしてないけど転生させてこりゃぁ無いわー
「司祭さん、これわ?」
父親が我にかえり司祭さんに聞いたら
「【なし】ってもしかしたら、あっ、あ?、あれですね」
途中疑問?
「もしかしたら……」
父親が、聞き返し
「まだ、年齢達してないとか、そのジョブをまだ神が付ける時期ではないとか……」
「うちのゼフィは、5歳になってます。それは確実です」
「何かしらの試練があるのでしょう。ジョブシステムは確かに授与されたのは間違いないです」
司祭さんが、強気になった、早めにワケわからない状況を脱したい感じになる。
「お父さん、様々な事をやらせてみてください」
司祭さんが、父親の両肩に手を置いて元気付ける。
「はい!!」
何故か納得する父親。
イスを立ち神殿を後にする。
「なし、なし、どうすればいいんだ?」
父親が悩む。そりゃジョブが【なし】だもんね。
私も呆気にとられてるが部屋に帰ったら入れ替えちゃえば良いもんね。【剣聖】つけてビックリさせちゃおうかなと思いながら
「お父様、司祭さんが言ってじゃないですか、未来のある若い女が様々な事を経験してジョブを得るんですよ。決められたレールに乗らないって事ですよ」
「何言ってるんだ、はぁー、どうするか」
「ご飯たべましょう」
「そうするか、ゼフィ明るいな。若いって良いことだな」
そう言って近くにあった美味しい匂いのするお店に入りご飯を食べる。
上級ジョブつけて父親をビックリさせれば良いと思ってたんだよ。その時は……
読んでいただきありがとうございます。
ゼフィのジョブはどうなる?
次回も読んでいただけると有難いです。