帰還そして
今私がいるのは、村の1番奥にある小屋だが、そこは屋根が、朽ち所々に穴があいていてそこから月から放たれている光が、へこたれている私を照らす。
残していたスケルトンファイターを倒した隊長さんとフィルメイアさんが、私のいる所にやって来た。
「ゼフィ」
「何故、ゼフィ殿がここに?」
私があたふたしそうなところで騎士達が、私のいる小屋に集まってきた。
「隊長。 人は誰一人居ないです」
「そうか、途中にあった建物で今日は泊まり、朝にはゼフィ殿の町に戻るぞ」
何人か反対意見をするが、隊長や他の人から野宿よりましと言う意見もあり、みんなでその建物に泊まる。そして翌朝町へと出発した。
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天候も良く太陽が綺麗に輝いている。
「おっ! そろそろ見えてきたな」
隊長さんが、声をあげると騎士達が、安堵の声をしている。
「フィルメイアさん達は、明後日には王都に戻るの?」
「ええ、ゼフィともお別れになるの」
「そうだね。 まだ明日もあるし家に着いたら思いっきり休むぅ」
「たっ 隊長。 今日も良いですか?」
「ん? あぁ良いぞ。 ゼフィ殿の所に泊まるがいい」
フィルメイアさんは、小さく握りこぶしする。
騎士団が初めて町に着た時フィルメイアさんが、隊長だと私は思ってたんだけどね。
そんな事思いつつ町の門を通り抜け広場にたどり着いた。
騎士達はゆっくりと馬から降り疲れきった感じを出して馬を繋いでる。
フィルメイアさんが、先に荷台から降りていたので私も続いて降りる。
辺りをキョロキョロし近いてくる気配を探っている。 絶対にくると思っててもあの砂塵を巻き上げながらもう突進してくる母親が来ない。
少し歩きだすと急に太陽の光が私の所だけ遮れる。
何故と思った瞬間……。
「ゼフィちゃぁぁん!!」
「がっ はっ」
後ろから思いっきり抱きしめられる。思いっきりどころじゃない死ぬ。
「ふっふっふぅ ゼフィちゃん、いつも私が駆けてくるとは思わないことね」
「なっぁ」
「おねえさま ゆだんたいてき ですよ」
妹のルルが、私の前から抱きついてきた。
ヤバい。肩が痛いし何かミシミシって音が聴こえるような聴こえないような。
「おっ お母さま。 くっ 苦しい…… ルル助けぇぇ」
「おかあさま おねえさまが」
「あらやだぁ ゼフィそれにしても臭うわね」
「お母さま、抱きついていて今言います?」
「それに何これ――――」
母親の言葉にハッとするわたし。何を言われらるかなんとなくと思いつつ
「――――この汚れは? まさか戦ったの? しかもぉ破けてるじゃない!」
母親は、隊長さんの所に向かい出す。 1歩1歩移動すると大地が揺るているよう体に伝わってきて隊長さんに言い寄っていく。
「隊長さん!」
「はい、 何でしょう?」
「うちの、ゼフィがなんであんなにボロ雑巾のようにズタボロなの?」
ズッ ズタボロってしかもボロ雑巾と合わせて酷い言われよう。
今の私はそんな感じなの?
「いや、それは……」
母親の凄い剣幕に隊長さんは、青ざめているよ。
「お母様、ゼフィは逃げていたのですが。 何せ村の大地は荒れ果てて建物も朽ちていたので、所々物が落ちてきたりとして」
フィルメイアさんが、割って入ってきて理由を話してくれている。ちなみに帰り途中で母親に問い詰められたら話して欲しいと言っていた言い訳だ。
アンデットと戦って逃げてた、でも良かったか? と思うけどそれだと私が、危険に合っていると思わせちゃうし騎士団に危機判断能力が無いと思われるので却下。
「それなら仕方がないわね。 隊長さん突っ掛かってすみません」
「いえいえ 親が子供の事を心配するのは当たり前ですからね」
「あら 隊長さんもお子さんが?」
「えぇ まだまだ小さいですが……」
いつの間にか世間話になっている様子をみている。
「おねえさま くさい」
突然、妹が私の手を引っ張って呼び掛けてくる。しかもくさいって。
「おねえさま おふろ はいろ」
「ルルと一緒に入るってこと?」
「うん」
妹の顔が、怪しい顔になるところでフィルメイアさんが、やってきて。
「私も一緒に入るっ!」
「あら、二人とも臭いわよ。 早くお風呂に入って、家に戻るわよ」
鼻を摘まむ母親とその隣には眉間と鼻の間に凄いシワが寄っている妹。怖いですよ妹よ。
家に着くさま直ぐにお風呂に入り汗と臭いを落とす。何故か臭わないルルとフィルメイアさんが宣言どおり一緒に入ってる。
そんなに大きな湯船では無いのだけど交代交代で浸かりながら体を洗ったよ。
「服も洗ってるからね。 3人ともキレイになってぇ。 あれ3人? ってなんでルルちゃん入ってるの?」
母親は不思議そうに妹に質問すると。
「おねえさまが いなかったの だから」
「そうなの」
甘えた声で母親に答えると、母親は妹の頭を撫でているが妹は、私の方を見てほくそ笑んでいるぞ。
日が落ちかけてきて夕食の時間が近くなり、弟のライクがそろそろ戻って来るんじゃないかなと思ってたら家の扉が、勢い良く開いた。
「ただいま でー す」
声と共に装備品の手入れをしていた私とフィルメイアさんを見て笑顔になっていた。特に私よりもフィルメイアさんを見て笑顔になったよ。
夕食の時間になり母親と妹が、テーブルに食器やご飯を運んでいる。私とフィルメイアさんに弟は、既に席に座りみんなが揃うのを待っている。
「これで終わりかな?」
「はい 終わりです」
「ルルちゃん、食事にしましょう」
母親と妹が、台所から出て来て席に座り「いただきます」と挨拶をし食事をする。
「昨日ね、アルガから手紙が届いたのよ。 映像盤も付いてたから食事の後に見ましょう」
映像盤は、魔力を使って映像を録画し、専用の再生機器の魔道具を使って観ることができる。
「お父様からですか。 お兄様もいますか? 楽しみです」
「私もまだ観てないからわからないけど楽しみね」
弟の嬉しそうな笑顔で質問するが、母親は同じように笑顔で答える。
私も、父親アルガと兄ゲイルの顔を、長い間見てないから楽しみなんだよね。
「お父様なのですね。 王都に居るんでしたっけ?」
「えぇ そうよ。 兄ゲイルを騎士にするために一緒に上京してから何もおと沙汰無くてね」
フィルメイアさんも疑問に思った事聞いてきたけど、それ前に聞いてなかった?
まぁいいか、それよりもやはり妹は、黙々と食べているよ。そこは、ぶれないね。
食事も終わり片付けて母親が、手紙と共に映像盤を持ってきて専用機器を私が、抱えて運びテーブルに置く。
「ゼフィ 大丈夫?」
「フィルメイアさん、大丈夫ですよ。 ってライク何で運ばん?」
「だって、お姉さまが、先に取り行ったじゃないですか」
確かに食事終わったら直ぐに取りに行ったけど、私より早く食事終わってたよね。目を合わせない弟よ。
再生する専用機器は、大体8歳である私の肩幅位ある大きさに映像が映る画面と台座に映像盤をセットして観ることができる。
「お母様、テーブルに置きましたよ」
「ありがとうね。 ゼフィちゃん。 これで良いかな」
母親の一言に弟は、興奮しているようで。
「お母様、早く観ましょう」
「そうね。 これで」
映像盤をセットし再生をすると映像が流れる。
「始まる。 始まる」
弟がそういい出すと画面に綺麗な街並みが、映し出され直ぐに父親アルガが登場し語りかける。
『あ あー こんにちは……』
『お父様、何をそんなに緊張しているんですか? シャキッとしてください』
『ゲイル 父親に向かってなんて事言うんだ』
『お お父様既に録画しているんですから…… 仕切り直しで行きますよ』
『おう わかった。 リリィ ゼフィ ライク ルル元気にしているか?』
元気な父親の顔が、見れてホッとしみんな静かに観ている。
内容は、父親と兄の近況の報告で父親は【騎士】から【聖騎士】になるため猛特訓中で、兄は【騎士】なったと言う報告があって。
『ゲイルは、王都の騎士団でしごかれて大人になったぞ。 性格が良くなった』
『おっ お父様、そんな話はまた次回でも』
恥ずかしい兄の声が聴こえ、父親は王都に居てわかったことを話してきた。
後、最近モンスターの活動が、活発化し今までランクの低いモンスターの生息圏に突如、高ランクのモンスターが出没したりという話につづいて。
世界樹の民から各国の王に伝言が、流れモンスターの活発化と共に近い未来に [悪しき存在] が、誕生すると言うことを話してくれた。
『変わるから、お前も映れ』
『いや、恥ずかしいですよ』
『女々しい事言うな。 ほれ、それよこせ』
兄の持っている撮影機を父親が、取り上げ兄が映る。
『お、お母様 ライクにルル ついでにゼフィ元気か? 俺は元気にやってるぞ』
『照れを隠せ』
『お父様だって最初こうだったじゃないですか?』
『うるさい 他にないか?』
『お父様は、【聖騎士】になったら町に戻るそうです。 自分は、王都で騎士団の一員として頑張っいきます』
『言えたじゃ……』
映像が切れたらしく画面は真っ黒になった。
「ゲイルお兄様、全然違う」
「ゲイルおにいさま いけめん」
弟も妹も目を丸くして既に真っ黒になった画面をみている。
「昔の若いアルガにそっくりね」
母親は、静かに言葉をこぼす。
私もビックリしているよ。ここでる前はガキ大将で目が憎たらしい感じの顔だったのに、映像では好青年の雰囲気で格好良くなっている。
「どうでした? フィルメイアさん。 内の主人と息子のゲイルちゃん」
「あっ いや、とても元気そうで……」
「そうでしょう。 片付けるわよ。 ライクちゃん手伝ってちょうだい」
「えっ! あっはい」
口答えしようとしたライクだが睨みを効かせた母親に対してしぶしぶ手伝っていったよ。
「ゼフィちゃん達、今日は疲れたでしょ。 寝なさい」
「はい フィルメイアさん、寝ましょう」
「おねえさま わたしも」
「そうね でも……」
ルルの頭を撫でて台所の方に視線をやるとルルも同じ所に顔を向けていた。
「あ あい~」
珍しく、ルルのショックな顔と声をぼやいて、そのまま台所に向かっていった。
「ゼフィ寝ましょ」
恥ずかしそうな仕草をしてるけど、したり顔でちょっと怖いよフィルメイアさん。
そのまま、部屋に行き私のベッドに潜りこみそのまま寝てしまったフィルメイアさん。それに続いて私も入り。
「おやすみなさい」
とボソッと言葉を良いそのまま目を閉じた。
朝陽が射し込み部屋が明るくなっている。
ああ、いつの間にか寝てしまって清々しい気分。それははフィルメイアさんに絡まれて無かったのもあるよ。
布団からでて背伸びをした後、カーテンを開けて部屋全体に明かりが広がる。
「ふぁー。 ゼフィおはよう」
「おはよう。 フィルメイアさ…… ん」
私の背後から起きたであろうフィルメイアさんの声が聴こえたので振り返り、目に入ってきた光景があまりにも絶景だった。
「フィルメイアさん、前が……」
「前? え?」
寝る前に着ていた寝間着の上を脱いで双丘が朝陽に照らされてイヤらしさより芸術的に見える。むしろ私が、変なこと考えて恥ずかしくなる。
フィルメイアさんは、慌てて上着を探し着ていた。
「おねえさま フィルメイアさん あさです」
ドアが、いきなり開いてスタスタと私の方に歩いてきて。
「おねえさま なんで おきている?」
「今日は、何故か目が覚めたよ」
「ちっ ねてれば…… フィルメイアさん あさごはん できてます」
片方の頬を膨らませてムスっとした顔しながら部屋を出ていく妹に付いていくフィルメイアさんが、いつの間にか着替え終わってる。
「下…… パンツのだけだと風邪ひくよ」
と言ってきたので慌てて上着で隠しても遅かった。
朝食も済ませたがフィルメイアさん達騎士団は、今日もって王都へ戻るそうだ。
広場に行くと騎士団を見送るのに自衛団のみんなやその家族など滞在中に関わってた人が多くいる。
「ぼく、絶対に王都に行って【騎士】になります」
「がんばってね」
ライクは、フィルメイアさんの手を取って格好つけながら宣言してたけど上手く適当にあしらわれてた。
「フィルメイアさん、気を付けてね」
「ゼフィも、もし王都に着たら会いに来て」
「はい!」
隊長さんと騎士団の方々が、私達に礼をして出発していく。
私も、弟も元気良く手を降り見送っている。
フィルメイアさん達の姿が小さくそして見えなくなるまで……。
読んで頂きありがとうございます。
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