表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/20

卑怯なリッチ

 リッチに剣の先を突き付け睨み合いながれ牽制し少しずつ移動してやっと落とした剣を拾えた。

 待っていたのか? と思えるぐらい口から白い息を吐き出している。


ボォォォェェェ


 リッチの表情は、骸骨なので変わるはずはないのだが、何故か笑っているような気がしてならない。

 対峙するのにクラウ・ソラスなら楽して勝てるのだけど、それは使わずに最初から持っていた普通の剣を使う。そして、聖属性を付与はこっそりやっておいたよ。


 少しずつ横に動いて間合いを計ってリッチとの睨み合いがまだ続いているが、最初に行動を開始したのはリッチとのだった。

左手を前に出して骨だけの手のひらを私に向けて来たとたん。


「うげぇ!」


 突然、正面から見えない何かがぶつかり後ろへ倒れた。痛すぎる。

 剣を杖にして起き上がろうとしたらまた撥ね飛ばされる。

 あのリッチは、魔法を使っているのか?

 私は、また立っても同じ事をされるかもしれないから立たなければと思ってチラッとリッチを見たら、手を私に向けてるよ。

 直ぐ様仰向けから起き上がり犬のように両手両足使って急いで物陰に隠れる。


「はぁ、はぁ、ヤバいよあのリッチ。 何か特殊能力あるのか?」


 普通、高位の【魔術師】や【魔導師】もしくは【賢者】とかが死んでアンデット化したのがリッチだが、あれはなんなんだ?

物陰からひょっこり顔を出してリッチと目があう。

合いまくりだろ。だって物陰の裏に居たリッチの顔は、私の顔の目の前に物凄く接近している。


「うわっ」


 私は、また逃げるというか、逃げているわけでは無い、体制が取れないから遠くまで離れようとしリッチに背中を見せてしまった。すると、背中に衝撃がはしり吹き飛ばされる。


 声もでず、私の小さい体は地面を転がっていきその反動をいかして跳び跳ね上手く体制をとる。


「ちぃっ、ここから反撃」

キィィィィィン

キィィィィィン


 何かわからんがリッチはリッチだ。魔法も使う。

私はリッチに突撃を開始するがそのまま突っ込んだらアホだろう。

 [魔法防護(マジックプロテク)(シールド)]を発動させつつ、もぅ1つの橙色の半透明で長方形の大盾っぽい形の[物理防護(マタープロテク)(シールド)]も展開しておく。あの攻撃が、魔法なのか不明なので攻撃しながら確認してみる。


「あぁぁ!」


ガァワーン ガァワーン ガァワーン

 迫ってくる私にリッチは、また手を私に向けてあの攻撃を放っていて[魔法防護(マジックプロテク)(シールド)]が防いでいる音が伝わる。

 じっとリッチに[鑑定]スキルで確認したけど特殊な技はない。


キィンキィンキィンキィン……。


 リッチに飛び掛かった私は、斬撃を嵐のように剣を振るっているが、リッチは手を広げてそれを防いでいる。いや、手のひらに傷をつけていない。


「こいつ、もしかして……」


 リッチは、[物理防護(マタープロテク)(シールド)]を展開している。それにしても透明なのは気になる。


コォォォホォォォォゥゥ


 また、笑いやがった。

 表情なんてないのだが、笑ったように見える。


 今一度飛び掛かって剣をひたすら斬りにかかる。

 リッチは手のひらの前に見えない[物理防護(マタープロテク)(シールド)]を出して防いでいるのは明確。

 その盾を鑑定すると……。


[透明化(インビシブル)]のスキルが働いている。


 何この素晴らしいスキルは! こんなスキルもってたら色んな物見たり触ったりと妄想が現実にって今、それを考えている暇がない。

 このスキルをどう攻略するかがリッチを倒すきっかけになる。

 何故なら武器や魔法でも透明にされちゃ防ぐのに大変。避けることさえ少し遅れるからね。遅れたら場合によっちゃ手遅れにもなるし。

 多分だがこのリッチの特有スキルなのか? 【忍者】や【暗殺者】はスキルで[隠密(ステルス)]のスキルは、あるけどこれは、姿は消さず相手に見つからないようなのだし。 [気配遮断(プレゼンスコンシィル)]は[隠密]と下位互換のスキルでこれも使用者本人の姿は、消えてない気配だけ無くスキル。

 何とかしてこの[透明化(インビシブル)]のスキルを得たい。透明化の魔法でもあるけどスキルとして欲しい。


 何度も何度も剣でひたすらリッチに、というかリッチの盾に斬撃を繰り出してたら息が上がって少し緩めた瞬間、急にリッチは私から離れ距離を取る。

 そして、骨だけの左右の腕を前に出し手の平を私に見せたとたん魔法術式が一瞬展開され消えた。


ギャシャーーーン

「がっ ふぁっおぉ! ぎゃふん」

バッダァァン

 [魔法防護(マジックプロテク)(シールド)]が砕け散り急に激しい痛みが全身に流れ倒れこむ。これは電撃だ、電撃系の魔法が、認識出来ずにくるなんてインチキだ。インチキよりも卑怯だ。


 卑怯?


「卑怯は、私の専売だぁぁぁ!」


 変な言葉を発しながら起き上がる私は、総てのジョブをマスターしているのだ。こんな下らない卑怯技に負けているところではない。卑怯、姑息使ってやるぞ。


【なし】ー【剣聖】【賢者】【戦闘達人】【聖魔法士】【暗殺者】

【なし】ー【心理学者】【魔聖】【罠師】【生物学者】【暗殺者】


 ニヤリ。

 ジョブを一気に変更し準備整えた私は、とてつもなく悪に染まった顔をしているのだろう。


 リッチが、再び魔法を展開した時に【魔聖】のスキル[複数並列魔法]による[物理防護(マタープロテク)(シールド)][魔法防護(マジックプロテク)(シールド)]を四方と上に5枚ずつ掛け[全属性防護(オールプロテク)結界(バリア)]を貼る。


バリ バリ ギャシャーーーン


 リッチの放った電撃が[魔法防護(マジックプロテク)(シールド)]を3枚破壊した。

そんな事は気にせず、密かに魔法を発動している。


「お前の事なんてお見通しだ」

ゴォォホォォゥゥ


 リッチは、電撃が通らなかった事を気に入らないらしく目が赤く大きく輝きながら息を激しく吐き出している。


「さぁ、来い。 お前の魔法何てもう通じないぞ」

リッチの足元に魔法陣が現れ長く黒い剣が、出て来てそれを両手で持ち構えて私に近づいてくる。


「かかったな」


ドォォオォォォォン

ドォォォオォォン

ザッ ザッザザザ ザッザザザザ……。


ギャ ゴァォォォォォン

 足元が爆発しよろけるリッチに襲いかかる地面から土の槍が飛び出して突き刺さり痛そうな声を叫ぶ。


 【生物学者】と【心理学者】のスキルでリッチの行動が、丸わかりなので次は、魔法で攻撃になるはず。


 リッチは剣を地面に突き刺し魔法を展開するが、今度は消えず魔法陣が浮かび上がり放たれる。

 [氷の弾丸(アイスバレット)]が私に目掛けて飛んでくるが盾に結界無敵状態の私は、魔法が収まるまで後頭部を両手で押さえ足を軽く組んで口笛を吹いている。


「ヒュッ ピュッー ヒューー」


 口笛が出来ないのは、まぁ置いといて。

 魔法が、終わった瞬間に。


「あぁっ はっはっはっはぁ」

 腰に手をやり胸を張って笑ってやる。

「お前の放った魔法を8倍にしてお返ししてやる」


 私の全面に魔法陣8つ、開かれ[氷の弾丸(アイスバレット)]がリッチ目掛けて放たれる。

 氷の粒が、まるで散弾銃のようにリッチに風穴を空けていきもがき苦しんでいる。そして、私は再び告げる。


「お前の行動は、全てまるまるお見通しぃ」


ゴォォォォホォォォォオオ!


ババババババリ ギャシャーーーン


 リッチの雄叫びが辺りを響かせて私の掛かってた盾や結界をかきけした。


 リッチは、笑っている表情を見せたとたん怒り顔になったのは言うまでもない。かきけした魔法が元に戻っているのだから。


「お前の、叫びが終わった直ぐにまた貼り直させて貰ったよ」


 リッチは、剣を持ち私に目掛けて勢いよく向かってきて斬りかかってくるが盾と結界魔法で全く私に届かない。


「そろそろかな」


カラーン

 私が、人差し指をリッチに向けるとリッチの赤い目は小さくなり剣を手から落としよろけながら後退していく。


 【暗殺者】のスキル[極死殺(ごくしさつ)]でリッチの心臓である魔力の塊を破壊に1発で成功してちょっと喜んでいる。

 この[極死殺(ごくしさつ)]の成功率は、低く失敗してもダメージを与えるがそれは微少なもの。成功を、高めたのは【生物学者】の[魔物(モンスター)記録]のスキル。[鑑定]のスキルでモンスターを見たときと同じ内容が、倒した時に記録される。

 前世で、記録されているから良かったよ。


ギャァォォ ゴォォホォォォォ


 黒いローブが煙となり消えていきながら骨が、徐々に砂のようにボロボロと崩れ落ちてリッチは、叫び狂い消えていく。



「ああ゛ぁぁぁぁぁ」


 やっちまったぁ![透明化(インビシブル)]のスキルを得るのわすれた。あれ、どうやったら取得できるのかわすれてた。


「あの、リッチめぇぇぇぇ。 許せん再生させて吐かせるか?」


 【ネクロマンサー】のジョブに変えてみてリッチの粉骨に[個体復元]を使ってみたけど元に戻らない。

なんでだろぅ?

 元々使役してないモンスターだからか?


 ジョブを元の元に戻しておく。


「ちぇっ 透明人間憧れるのにぃ。 う~ん」


 まぁ、リッチのドロップアイテムも無いし、やっつけ損な感じ。とおもいつつ小屋に目が行く。


「そういえば、リッチはこの小屋を守っていたよな」

コン コン

 小屋の扉をノックして。


「どなたかいますか?」

 返事がない。何の躊躇もなくドアのノブに手をやり扉を開ける。


ギィィィィ


 屋根が少し朽ちているのか穴が空いていて月明かりが、射し込んでいて、その1つに宝箱が1個光が当たっている。


「おぉ宝箱なんて、珍しい」

 おっと。何も考えなしで開けるのは危険なのは当たり前で大体罠が掛かっているのは定石。


「一応、鑑定しておくし、ジョブも変えておこう」


【なし】ー【剣聖】【賢者】【戦闘達人】【聖魔法士】【暗殺者】

【なし】ー【剣聖】【盗賊】【罠師】【鍵師】【魔聖】


 一応魔法の対処の為【魔聖】もやっておく。


 宝箱を[鑑定]スキルを使ってみると


(ひ・み・つ )の宝箱』何も鍵も罠も掛かってない中身のある宝箱。


はっ? えっ?

「何も罠が無いのは良いけど中身のあるって? 名前が『(ひ・み・つ )宝箱』ってぇ」


 何かイヤな予感しかしないのは私だけかも。

 だって[ひ・み・つ]だよ。こんなネーミングつける人いないでしょ。

カパッ

 恐る恐る開けると、中身は何もない。

「あぁぁぁぁ!! あるって言ってたじゃぁぁん」

 正確には言ってないけど。言ってないけどね。

 鑑定さーん?


 騙されたと思っていたら『ポーン』と私の脳内で久しぶりのあの音がなる。


 目を閉じて【神様からのメッセージ】を開いて見ると

『ハロー ゼフィちゃん。 お久しぶり、あれから8年がたったけど順調?』

 久しぶりだよね。神様。でも順調って何に?とおもいつつ読み続ける。

『って全然やってくれてないよね。 しかも羨ましく至福のおっ……お胸の感触を味わって。 全くけしからん』

 神様、たまに見ているのか? 覗いているの?エッチで変態だわぁとちょっと引き気味。

『あれ? 変態とか思ったでしょ? ちゃんと自重していますよ。 ところで【破壊の帝王】の件は、どうですか? まだまだ誕生はしてないけど何処に現れるかわからないから注意してね』

 私の思ったことバレバレ? でもこれメッセージだよね?

『もしかしたら[隠密]や[気配遮断]のスキルでも発見されちゃうかもしれないから[透明化(インビシブル)]のスキルをあげるよ』

「キッ タァァァーーーーー」


『ゼフィ=アルフヴィダントは[透明化(インビシブル)]を獲得した―――――』

 リッチとの戦いで、獲得出来なかった悔しさの分物凄く嬉しいく続きを読む。

『―――――というメッセージは流れないけどね。透明化どうだった?』

 どうだった?ってどういうこと?獲得したのさっきだからまだ使ってないのわかるよね神様だしと意味不明な状態で読み続ける。

『消えちゃうんだもんね。 気配遮断プラス透明化だから焦ったでしょ。 よい趣向が出来て良かった、あのリッチを用意しておいて、でもあの騎士達が少なかったのはちと残念だったなぁ』

 うぉぉい!!

 神様、テメーかぁ。見えない魔法って脅威過ぎてトラウマになりそうだよ。正直、ジョブ無かったら死んでたし今考えればガクブルだよ。

『そう、この村もモンスターも私が用意したものだから村人なんて居ないから安心してね。 追伸、いつも陰ながら応援しているし、新しいジョブを考えているから楽しみにしてて』

 最後のメッセージでちょっと喜んじゃったけど村人居ないのかぁーい。[透明化(インビシブル)]のスキルを得るためのイベント会場だなんて。全て神様の仕業かと思い膝を折って床に手をつき四つん這いになって落ち込む私であった。





読んで頂きありがとうございます。

先週更新出来ずにすみません。


やはり、戦闘シーンは難しい。

こうした方が臨場感溢れるとかありましたら教えて頂けるとありがたいです。


評価もPVもブックマークも頂きこれからも励みに頑張っていきます。

体調に気を付けてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ