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アンデット祭り

 村人が、居ることで喜んでいる隊長と騎士の人達。その中にはもちろんフィルメイアさんもいる。

1人の村人がこちらにのそのそ歩いて来ている。

正直、村人じゃないんだよね。

歩き方が足を引きずっているような歩き方だし腕も前に伸ばしたまま歩いているし明らかにね。

それを見て解る筈なんだけど騎士の1人が

「隊長、村人が来ます。挨拶がてら泊まれるか聞いてきます」

「解った、頼むぞ」

村人らしき者に会うために駆け足で向かっていった。

「こんば…… うわぁぁぁ」

挨拶の声が途中で悲鳴の声に変わる。

村人らしき者の方に行った騎士は血相変えて地面を這いつくばるかのように駆け足で私たちの所に戻ってきた。

「た た 隊長」

「どうした?何故戻ってきた?」

「村人じゃないです。ゾンビ…… です」

「なっ 何をいって……」

ブヴゥォォォォォ

低い声がこの地域に響き渡る。

「全員、戦闘だ!ゼフィ殿は逃げられるよう離れた方が良い」

隊長の声に私はそぉっと離れようとすると

「夜は危険です。ゼフィは、私が守ります」

「よぉし。フィルメイア守れよ」

「はい!!」

私離れられないの?とフィルメイアさんを見ると笑顔で返された。

「フィルメイアさんが私を守るのではなくて、私がフィルメイアさんを守るんでは無くて?」

私が、そぉっとフィルメイアさんに言うと苦笑いして

「そう かも……」

私はため息をついてしまうような状況だよ。


 隊長を始め騎士達は、武装は解除してないのが救いだっただろう。何が現れるか解らない場所で武具を外すなんてそれなりに臨機応変に対応できる位の強さがある者でしか出来ない。


「うぉぉぉぉ!!」

1体のゾンビしか居ないと思ってたらいつの間にか10数体のゾンビが、近づいてきて騎士達はがむしゃらに斬っている。

私とフィルメイアさんは、少し離れて待機しているけど フィルメイアさんは【聖騎士】なのに戦いに参加しなくていいの?って思ってじっとフィルメイアさんを見ている。

「やっぱり、参戦しないとダメだよね……アンデット苦手なんだ」

「何言ってるの」

「キャッ!」

私はフィルメイアさんのお尻を叩く。鎧にはばかれお尻の感触がない。


 肉を斬る鈍い音と騎士達の攻撃時に力を入れる声そして、ゾンビのうねり声が辺りに聴こえてくる。

「隊長。数が多すぎです」

「隊長。脳を破壊してもこいつら迫ってきやがる」

「全員、牽制しつつ後退しろ」

さっき10数体だったゾンビのが、30体ぐらいになってる。

1人6・7体相手はキツいよ。

「フィルメイアさん」

「ゼフィなに?」

「聖魔法の[ホーリーウェポン]使えないの?」

前を見てゾンビが来ないか警戒しているフィルメイアさんに私は、魔法の名前を言ったらギクッとなってゆっくり私を見て

「うん……」

口が引きつりながら笑顔で言ってきたよ。

「聖魔法のレベルが1なのは知ってたんですけどね」

「なら……」

「聖魔法レベル1って[ホーリーライト]しか使えないからね。隊長さんどうするかな」

私は、ニタニタしながらフィルメイアさんは、苦笑したまま。

ホーリーライトってただの灯りだからね。邪悪な所でも使える照明。魔力も低くんだけど光魔法や魔道具の方が便利で使わないんだよね。

だけど決して意地悪しているわけではなく聖魔法も槍術のレベルも上げないとって思わせないと。

「ゼフィ、何かある?」

「スキルレベル上げ怠らないようにしないと…… ね。」

笑顔でフィルメイアさんに言ってフィルメイアさんの剣にベタベタっと刷毛で液体を塗りまくる。

「ゼフィこれは?」

「退魔蝋だよ。」

私は、手のひらぐらいある幅の刷毛を持って塗る。

この退魔蝋は、武器に聖属性を付与しアンデットに絶大なる効果を与える。前世で持っていた秘蔵アイテム出はなく普通に売られているちょっと値がはる物。聖水や退魔粉は斬りつけた後相手の体で拭われてしまうので今は退魔蝋が主流になっている。

「フィルメイアさんアンデットの所へ攻めに行って。 隊長さん達に私の所へ来てもらえれば塗るから」

「わかったわ。ゼフィ気を付けてね」

「え…… ええ」

気持ちは受け取るけど心配するのは私だよ。聖属性がついただけでアンデット系のモンスターは手強いやつらもいるからね。


 アンデット系の実態があるモンスターは脳もしくは核を破壊すれば動きが止まり消滅するのだが、たまにその核が小さかったり違う場所にあったりと破壊するのに時間がかかる。特に斬撃系の武器だと余計に手間がかかるので多くは打撃系の武器の方が効率はいい。

聖属性を付与すると核などに触れなくても効果の影響があるので

弱いアンデットだと斬っただけで消滅する。


「1人1人交替でゼフィ殿の所に行って聖水を塗ってもらえ」

騎士達は代わり替わり私の所へきては、剣にベタベタ退魔蝋を塗りまくる。

最後に隊長さんがきて退魔蝋を塗ってると息を切らせながら低い声で

「君を巻き込んでしまったことを…… …… …… すまないと思っている」

24時間の間に解決する事件の話ではないし溜めて溜めて言わなくてもいいよ、塗っているだけだし。


 聖属性が付与されただけでジリジリと退いていた騎士達は押し返し村の入り口に差し掛かる。騎士達と離れなように私も距離一定に保ちながら進んでいる。

カワイイ子供【戦士】ゼフィを演じる為にね。

退魔蝋を塗れば私も攻撃参加できるじゃんね。この状況に飽きたら攻撃しよ。

ゾンビならうねり声上げて迫ってくるだけだし捕まって噛まれなければ良いだけだし。噛まれても猛毒を食らうだけだ。


「隊長、ヤツら[グール]です!!」

「グールがやってきます」

「こいつら、くせー」

「お前ら、ここを抜かせるなよ。後ろにいるゼフィ殿の所にはいかせるな」

私を気にかけてくれている隊長に感謝です。

フィルメイアさんや隊長さん、騎士達はグールを相手をしている。

グールは、ゾンビより筋力もあるしちょっと強いかな。

でも、隊長さんや騎士達は倒しまくっている。圧されるような事はなさそうだね。


 策敵スキルのレーダーでどんな敵がいるかチェック。

マップの中心にある白い点は私。その上に6個の青い点はフィルメイアさんたちと少しずつ上へ上へとスクロールすると

赤い点がびっしりと多すぎ。

詳細が…… あったので選ぶと

ゾンビ18

グール22

スケルトンファイター11

スケルトンアーチャー8

アンデットドッグ14

アンデットウルフ12

と隙間なくいて赤い点が集まって大きい丸に見える。

さらに上へとスクロールすると

レイス5

ゴースト8

リッチ1

こっちは実態がないやつらが陣取っているのか。

リッチは実態はあった筈だよね。

これ、正にアンデット祭りだよ。春のぉーってね。

スケルトンファイターは円盾と剣をもったスケルトン。

アーチャーは弓兵で、屋根やら高いところで狙っているかもね。


フィルメイアさんと隊長達の所に走り参戦しよう。

【戦士】ならゾンビやグールは苦戦しない程度に戦える。

でも、この先のリッチには聖騎士でも苦戦する筈。

ずっとここで待っててもつまらないんだよなぁー。

「私も、戦います」

「ゼフィ殿…… かたじけない。数が多すぎで人出が欲しかった所だ」

「ゼフィ!」

他の騎士達は、迫りくるゾンビやグールをこれでもかって感じで倒している。隊長さんは、経験が豊富なのか余裕あるね。

フィルメイアさん、あんたは私の心配…… あー私が無双しちゃわないかの心配か!


 やってくる服が破けた格好をし髪がほとんど抜け落ち目も飛び出てたりとするゾンビは、アァァァァッってうねり声を上げながら向かってきたので2・3回剣を振って斬りつけて倒す。

グールは、ゾンビに比べて皮膚は腐っているけど筋力は保たれていてるんだけど、ここにいるグールは武器持ってないから安心。

グールも同じように斬って倒す。

そんな事をやっているとフィルメイアさんは、ジトって睨んでたよね。

グールもゾンビもあらかた片付き辺り1面に死体の山。

ていうか、元々死体なんだよね。

そんな事を思ってると



ガルルルルゥゥゥゥゥ

バァウゥゥ

アンデットドッグにウルフが廃屋の脇やら障害物を避けて集まり一直線上にこっちに向かってきた。

隊長さんが、騎士達に声をかける。

「おまえら、犬とウルフがくるぞ。 噛まれるなよ。」

「はい!!」

アンデットでも無くてもコイツらの歯には毒性があって特にアンデットは猛毒を持っている。騎士達の鎧なら噛まれても歯は通らないけど首とか気を付けないと。因みに私は軽装……

隊長さんやフィルメイアさん達は防御体制で迎え撃つ。

迫りくるドッグとウルフ。

よだれを撒き散らしながら赤い目をギラギラさせて津波のように押し寄せてくる。




ギャフン

先頭のウルフがこけた。



それに後続のウルフやドッグがつまづき。


ギャン

ガウ


キャン

ゲフッ

ブァウゥ


全部こけて雪崩こんで山盛りになっているよ。


 そんな状況を見てフィルメイアさんと騎士達はきょとんとしている。私も少ししちゃったけど隊長さんはしっかりと。

「なんという幸運。叩き斬るぞ!!」

騎士達は、我にかえり

「おっ、あっはい!」

騎士達と隊長は、ウルフとドッグの山に斬りつけている。

時々、跳び歯向かってくるのも斬っている。

かき氷の山にスプーンをザクザク突っついているかのような光景。

この山は難なく乗り越えられるな。アンデットの山だけど大丈夫。

フィルメイアさんは私の近くにいてその光景を見ながら口を防いで気持ち悪そうな顔をしている。

「フィルメイアさん、この先にリッチがいるから倒しに行っちゃうね」

「あっ えっ リッチ!!」

「奥に行くとスケルトンファイターとアーチャーが、待ち構えているけど、アーチャーは倒しておくね。ファイターは頑張って」

「ゼフィ? リッチって ファイター? アーチャー」

そんなフィルメイアさんの声を他所に私は駆け足で先にいるリッチの方へ向かった。


読んで頂きありがとうございます。


更新遅くなりすみません。

皆様も体調に気を付けてください。

沢山のPVとブックマーク、評価頂き感謝です。

これから頑張って行きます。


評価の項目は、最新話の下にあります。


よろしくお願いします。

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