12 通常運転
一区切り着きました。
眠らない都市『アリア』から帰ってきて3日が経った。
私は執務室で事件の事後処理やら溜まった他の仕事をしている。
シュウタにも報告書を任せているのだが、一向に上がってこない。
私は近衛兵にシュウタを執務室に来るよう伝言を頼んだ。
もうそろそろ来る頃だろう。
コンコン
お、予想通りだな。
「入れ」
「失礼しま~す」
「シュウタ、事件に関する報告書を提出するようにって言ったよな? あれどうなってる?」
「あれ? ちゃんと書いて提出したよ?」
「”今回の原因はウイルスである。対策は手洗い、うがい”って書いてある紙なら捨てたぞ? あれは報告書とは言わない、ただのメモだ」
「えぇ~だってあれ以外に書く事ないよ?」
「まとめ過ぎだ! もっとこう、誰が読んでも理解できるように細かく書いてこい」
「えぇ・・・」
ちゃんと見ていないとすぐ怠けるからなシュウタは。
自分が興味ないことはとことんサボるタイプらしい。
私の執務室で書かせた方がいいかもしれない。
「はぁ、書き方を教えてやるからこの部屋で書け。 文字の勉強をしたときみたいに机と椅子もってこい」
そう私が言った瞬間、バン!っと勢いよく扉が開いた。
「ルフィナ様! なにもルフィナ様直々に教える必要はありません! それではルフィナ様のお仕事ができなくなってしまいます! シュウタさんもです! ルフィナ様に迷惑かけてばかりじゃいけません!!」
そこには冒険者ギルド・アリア支部の受付嬢ことユリアがいた。
事件解決後、休養させていたユリアが目を覚ましたと聞き、会いに行くとベットから跳ね起きて深々と頭を下げてきた。
「この度は誠に申し訳ありませんでした! 知らぬこととはいえ数々の無礼、どうかお許しください!」
本当に、ユリアは真面目ないい子なんだなと、そう思う。
「あ~別にユリアはなにも悪いことしてないぞ? そもそも私が魔王都からの使者とウソをついていたのだから」
「いえ、ですが! あれ? 私の名前なんで知ってるんですか?」
「まあ気にするな! それより気分はどうだ? 少しは疲れが取れた?」
説明がめんどくさくなって話題を逸らしてごまかすことにした。
「あ! はい! これほど目覚めのいい日は始めてです! 魔王様には感謝してもしきれません! この御恩は一生忘れません!」
「そんな大したことしてないしそこまで恩を感じなくてもいいよ」
「いえ! 私は命を救って頂いたも同然だと思っています! つきましては魔王様のお世話係をさせてください! この御恩に報いるため、全力でサポートさせて頂きます!!」
「お、おう」
「やったぁぁ~!! 私、がんばります!!」
私はユリアの怒涛の勢いに乗せられてつい生返事をしてしまい、肯定と受け止められてしまった。
まあ手が増えるのでいいか。
とまぁこんなやり取りがあり、人族の『ユリア=ロクフォール』を私の専属侍女に迎え、現在に至るわけである。
「違うそこはさっき教えたでしょ? なんでそうなるの! シュウタ本当にやる気あるの?」
「やる気があるかないかと聞かれたらまったくない!!」
「開き直るな! ルフィナ様のお仕事が進まないじゃない!」
それにしても私の執務室も少し手狭になってきたな。
1人で使う分には少し広いくらいだったが、3人もいると窮屈に感じる。
まあいいか。
たまにはこういうのも悪くない。
私はこの賑やかな日々を楽しみながら、今日も業務をこなすのであった。
第一章(笑) 完成?みたいな感じになりました。
なにか大きな目的があるわけでもなく、日常のちょっとした事件をほのぼの書いていきたいと思っているのであまり章を意識して書いていません。
なんとなくこの辺かな?と区切っただけですので変わる可能性あり(笑)
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!
ご意見、感想、誤字、脱字等なんでもお待ちしてます!!
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気長にお待ちください。




