第六話
ジュリエットから連絡を受け
ロミオ君は仕事を放置して家に帰ってきました。
ロミオ君は家に入るなり
信じられない光景を目の当たりにしました
「なんでお前が膝枕してんねん!」
ジュリエットは
もう動かないマーキューシオを
まだ救えると信じ
膝枕していたのです。
「もうええから離れろ!」
「でも・・・可哀相だし・・・」
「お前は俺より死体を抱くんか?」
「そぅいぅわけじゃなくて・・・」
「ただの屍は放置しとけ!」
「ヒドィ」
「敵は俺が討つ」
「え・・・?」
「俺、こう見えて黒魔術2級なんやぞ」
「黒魔術に検定なんてあるんや」
「いや、自称だけどな」
「意味ないやん!」
そういうわけで
ロミオ君が親友の敵討ちをすることになりました。
マーキューシオの黒魔術は
ジュリエットの従兄弟のティボルトによるものだということが分かりました。
早速ロミオ君は腹痛の黒魔術をしてみました。
ミス
ティボルトはみがまえた!!!
ロミオくんのこうげき!!!
地獄の黒魔術をとなえた!!!
ティボルトは100のダメージをうけた!!!
ティボルトはしんでしまった
「敵討ち完了しました!」
しかし、この敵討ちが
2人をさらに追い詰めることになってしまったのです。
ティボルトがロミオ君の黒魔術によって死んでしまったことを知った
ジュリエットの実家の町内会会長エスカラスさんは
ロミオ君とジュリエットの捜索に本格的に乗り出します。
そんなことを知らずに
ロミオ君とジュリエットは
甘い甘い新婚生活を送っていたのです。
ある日の深夜でした。
「うーん、ジュリエット・・・」
「どうしたん?あ?寝言?」
「どこにも行かんとって・・・」
「こんな遅くにどこも行かんわ」
ガチャガチャ・・・
「ちょ・・・ロミオ君!!!」
「ジュリエットーーー(抱き)」
「ちょ・・・ドアを誰かがいじってる!」
「俺の心のドアをノック横山♪」
「・・・・おぃ!」
キィィィ・・・
「ちょ・・・ドアあいたってば!!!」
「ジュリエットの心のドアも開けて〜」
「何言ってるんよ?え・・・きゃっ・・・」
「ジュリエット・・・?」
「・・・・・」
「ジュテーム?」
「・・・・」
「おぃ?無視かよ?」
「・・・・」
「いい加減にせぇよ!おぃ!」
「・・・・」
「ジュリエット?おらんの?」
「・・・・」
そこにはジュリエットの姿はなく
一枚の手紙だけが置いてありました
『ジュリエットは返してもらった。
Youは二度と町内のアイドル、ジュリエットに近づくことはできない!』
ジュリエットは
エスカラスさんの刺客によって
地元に連れ戻されたのでした。
次の日の朝
ロミオ君は始発の電車で
ジュリエットの地元へ向かいました。
しかしジュリエットの家の周りには
警備員のオッサン方がずらりと隙間無く並んでいたのです。
あぁ、もう愛しのジュリエットには近づけないのか
そうロミオ君が思ったとき
バルコニーにジュリエットが出てきたのです
「あぁロミオ、どうしてあなたはロミオなの・・・」
とどこかで聞いたことあるようなことを
ジュリエットは叫びました。
ロミオ君もバルコニーに向かって叫びました
「ジュリエーーーット」
「ロ・・・・ロミオ!!!!」
「俺、改名するから!何がいい?」
「え・・・?」
「ロミオって名前気に入らんのやろ?」
「・・・・このクソダボがーーーー!!!」
「待ってろ!迎えに行くからな!」
「・・・・そうこなくっちゃ!」