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かくにん




状況を整理しよう。

私は最近親を失くし屋敷に一人で住んでいる。性別は女、17歳、この世界では大人として扱われる歳である。

各部屋を確認したところ、親の部屋だったところの金庫にお金が沢山あったから死ぬまで金に困ることはないと思う。

なお、金庫は私の血と瞳と声での認証が必要だった事に驚いた。

魔法なのかもしれないが、凄い技術である。



鏡で顔を確認すると彫りが深く西洋人に近い、あれ西洋人ってなんだっけ。

前の記憶がかなりあやふやになっている。

髪は金に近い明るい茶、ブルーとブラウンがまざったような虹彩の眼。

前の顔がモヤがかかったように思い出せないが多分この顔とは全然違う気がした。

ただ、この顔がこの世界でも美人だと通るくらい整ってるのは解る。


それから書斎のようなところで本の確認したが、この世界の文字を問題なく読めた。

また、試しに書いてもみたが日本語で書いたはずなのに、この世界の文字を綴っていた。

会話は試してないが金庫も開けれたし、このぶんなら大丈夫かもしれない。

最悪の場合は筆談という方法もあるが、この世界の認字率がどれくらいなのか解らないので期待できない。


ただ、1つ解らないことがある。

ここでの私の、この体の持ち主の名前である。

前の世界での名前が解らないのはもう諦めたが、この世界での名前も全く解らないのだ。


この世界の両親と今よりも幼いこの体の持ち主が描かれた大きな絵が飾られて、そこに家族全員の名前がサインされてあったが、何故かこの体の名前だけは読めなかった。


この現象は何なのか。

深く考えようとして、止めた。

どうせ考えても解らないし、解ったところで何にもならなそうだからである。


そうだ、確かこの世界には魔法鞄があったはず。

鞄というが形は様々で巾着のような物や小物入れのようなもの、そのまんま鞄のようなものとか形は様々で中身を入れても重さは殆んど感じないゲームでは必須アイテムだったもの。


なにしろ、それを持ってないと主人公は4つしか持ち物を持てない。

序盤にクエストをこなし金稼ぎして、魔法鞄を買わないと途中から詰む。

武器で持ち物が1個か2個は必ず埋まるのだが、残り2枠も1つはお金、もう1つは鍵やら本やらゲームを進める為に必要な物で埋まる。


なんなら、進める為に必要な物は1つじゃない時もあるので、持てる数以上に拾おうとすると手持ちの持ち物を何か捨てなくてはいけなくなってしまうので進めなくなるのだ。

仮に武器全部捨てたら素手で魔物と闘うが、相手のHPが1000とかあるのに与えるダメージが10とかで絶対負ける。

受けるダメージ250とかだしね。

なお聖女は回復しかできず、しかもその回復も魔力が尽きたら出来なくなる。


金を捨てると、町での武器の強化ができず、体力や魔力の回復アイテムが買えなくてそれはそれで詰む。


知らずに進めて、もう後戻りが出来なくなった時になってから魔法鞄の存在を知って、ゴリ押しで進めようとして何度も何度も失敗してコントローラーぶん投げたくなった記憶がある。

なんでセーブメモリーが1個しかできないのか、あれほどまでにこのゲームの仕様を恨んだことはない。

結局リセットしたけど、それまで何とかして進めないか色々ためした記憶がよみがえって、うん、辛いこと思い出して頭痛くなってきた。



とりあえず、この家に魔法鞄ないか探してから町へ行こう。

無かったら町で買おう。


家の探索で疲れたので一度寝てからにしようと、ベッドに入るとやはり慣れない感じがして何ともいえなかった。


夢の中で前の世界での記憶を何かみたようだった。

でも、起きた時には夢の内容は殆んど覚えていなかったのは幸いだったと思う。

もう帰れない場所の記憶が沢山あっても辛いだけだから。



起きたとき、枕と頬が濡れていたけど、それはどんな気持ちで流した涙なのか私自身も解らない。






設定の破綻とかしそうで怖いです

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