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聖徒達による聖徒達の為の闘争  作者: もちっともちこ
1/1

闘争の始まり

初めて書いた作品です。多少読みづらい部分もあるかと思いますがご了承下さい。

「笠岡高校」


「おいテメェら!絶対にその場から動くなよ、動いた瞬間に俺のAKがテメェらを粉砕するぞ!」


「キ、キャアアアア!こ、殺さないでぇ!」


「おい、お遊びはここまでだぜ兄ちゃん、、」


「て、テメェは、、!」


「カ、カズキ君ッ!」


「おい、早く綺世ちゃんを離せ。じゃねえとテメェ、この先一生後悔することになるぜ」


「クソ!もう怒ったぞ!このガキ今から粉々にして、テメェのケツん中に突っ込んだらあ!」


「プッツンしたのはよ、なにもテメェだけじゃないぜ」


「何ッ!」


「覇王拳、天の(あまのいかづち)!」


「ぐおわああああああ!」


「綺世ちゃん、大丈夫だったか?怖かったろ」


「ううん、カズキ君、本当にありがとうね、、」


「なんだよ、当然のことを、やってのけただけだ。礼なんていらねえよ」


「、、、、、」


「カ、カズキくん?今、授業中だよ?どうかしたの」


「え?」


「クスクス」


「ねえ聞いた?覇王権、天の雷だって、」


「怖、何考えてんのマジで」


「あれ、て、テロリストは?それに綺世、ちゃんは?」


「、、、きっも」


「カズキくん、なんか悩み事があったらいつでも言ってちょうだいね。相談乗ってあげるからさ」


「あ、そんな別に、その、、」


「、、、、」


「、、、トイレ行ってきます、、」


まるで一度絞った雑巾をもう一度絞ったような彼の声は、瞬く間に生徒達の笑い声にかき消された。そう、何を隠そう彼は、持明院カズキは重度の厨二病患者なのだ。

日常の大半を妄想が占め、家に帰るとゲームや漫画、アニメが彼を待っている。しかし彼は、さほどゲームが上手ではなく、漫画やアニメに関しても推しのヒロインを拝む為にみているだけで内容は全く理解していない。はっきり言って馬鹿なのである


「はいはい、みんな授業の続きやるよー。んじゃあ次の文からはそうだな、、、今日1日だから1番の綺世ちゃんに読んでもらおっか」


「げげ、よりによって私じゃん、、」


彼女の名前は綺世実。いわゆるクラスのマドンナ的存在であり顔、スタイル、頭脳において全てが一番と言われている


「んじゃ教科書右端の知っておこうってとこ読んでね」


「えっと、今からちょうど10年前、武闘派政治団体による爆破テロが相次いだため、全国各地で反武装闘争運動が発生しー」


「バコンッ!」


綺世が教科書を音読していたその時、突如として教室の扉が蹴破られた。一瞬、ほんのわずかな一瞬だったが、まるで時間が止まったかの如く教室内が静かになった


「おいお前ら!全員手上げてベランダの方向け!ほらさっさとやれ!」


蹴破られた入り口から姿を現したのはなんと小銃や散弾銃を装備した3人の武装集団だったのだ。その光景を目にするや否や、教室全体を一瞬にして阿鼻叫喚の嵐が襲う


「え、ちょっとなによこれ、どういうことよ!」


「ねえやばいってやばいって!どうしよう!」


「黙ってさっさと向かんかい!」


「バキュン!」


「キャアアアアアア!」


「だから黙れお前ら!殺されるぞ!」


「な、なんなんだ、コイツらは、、!」


教室内は一気に恐怖と混乱の渦に飲まれていった。何せ相手は屈強な男3人組の目的のわからない武装集団、生徒たちがパニックに陥るのも、おかしなことではなかった


「フッ、まあお前たちには要ねえから安心しろ。俺たちのお目当てはだな、、貴様だよ」


そういうと彼らは、教卓の前に佇んでいる教師のエリナを指差した


「エ、エリナ先生、、?」


「、、、、、」


「エリナさん、俺たちは、あんたに用があってこの学校に来たんだ。理由はもちろん、分かってはいるんだろうな」


「え、どうして、、」


エリナは、カズキたちが在学している学校で、社会科の教員として働いている若手の女教師だ。生徒たちは終始、男たちの言動に疑問を抱かずにはいられなかった


「なにすっとぼけた態度とったんだよ。俺達『大東亜正義団』に目付けられることが一体どう言うことなのか、今からその身体に叩き込んだらあ!」


おそらくリーダーと思われる男が声を上げた。その瞬間、周りにいた2人が容赦なくエリナへ襲いかかる。当然、格闘経験なんていかにも無さそうな華奢な女性が武装した男2人組に敵うはずもなく、やがて彼女は床に押さえつけられた。


「やだ!離して!」


「なに情けねえことほざいてんだこの野郎。アンタ反政府集団の殺し屋なんだろ?だったら早く反撃こいよ」


「ひ、人違いです!人違いですからもうやめてください、、!」


「駄目だ。もしお前が全くの無関係な他人であってもどのみち始末しなくてはならない状況になったからな。お前は運が悪かったんだよ」


「ふざけんな!」


恐慌状態だった教室の中に、1人の気高き咆哮が響き渡る。武装集団のまるで獲物を捉えた猛獣のような視線は、ある男子生徒へ剥けられた。


「、、、あ?なんだお前」


視線の先に立っていたのは吉沢涼と言う生徒だった。彼は元々、笠岡高校一の不良少年と呼ばれており、ついたあだ名は笠岡の雀蜂。そんな彼が何故1人の先生の為に声を荒げたのか、その訳を知る者はいなかった


「さっきから黙って聞いてりゃあ勝手なことばかり言いやがって。何が反政府集団の殺し屋だ。そんな根拠もねえ胡散臭え理由で先生に手出してんじゃねえぞ!」


「、、おいテメェ、誰に向かってそんな口聞いてんのかわかってんのか?」


「、、、、」


「わかってんのかわかってねえのかどっちなんだよ!」


リーダー格の男が吉沢に怒声を浴びせた次の瞬間、男の右頬に彼の鋼のような拳が解き放たれる


「ウラアアアアアッ!!」


「バコッ!」


「カ、カシラ!」


「兄弟!」


「イッテテテ、、いやあ久しぶりに喰らったぜ、思春期高校生の鉄拳を」


「、、、」


「おいお前ら、今日俺たちがここへ来た理由、なんだったか覚えているか?」


「な、なんですか急に、、」


「俺たちは今日、上の命令でこの学校にいるエリナっつう女を拉致りにきた。だが、、、、こんな面白そうな奴ほっといて仕事だけこなすってのはちょっと、難しくねえか?」


「っへへ、確かにそらあ、、難しい話っすね」


「、、兄弟がやるってんなら、、喜んで」


そう言うと彼らは吉沢を睨みながら拳を鳴らす


「道具は使わないでやるから安心しな」


「いいぜ、、やってやるよ、、」


吉沢も彼らを迎え撃つ覚悟を決めていた。この戦いが後に、国家を揺るがすほどの闘争へ発展することも知らずに












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