「優しいカノジョが欲しい!!」と転げ回っているうちは誰も来ない
今日は暑過ぎて……
アタマがバグっております(^^;)
ここまで暑くなると壊れかけのエアコンは機能しなくなり……
掃除をさぼり気味な『1K 5.5畳ロフト付きユニットバス付きのアパート』は蒸れて異臭が漂う。
本当は“異臭”ではなく“悪臭”が漂うレベルなのかもしれないが、住人にはその“度合い”が分からない。
ともかく!!
ロフトに敷きっぱなしになっているせんべい布団から立ち込める“オレ臭”とは違うニオイが部屋を席捲しつつある。
「掃除しなきゃダメかな……」
と、今更ながら思い立っても、
「このクソ暑いのに掃除なんかできる訳は無い!!」
と否定する。
こんな事を考えているオレは昨日の夕方からずっとこの寝床の中で……夏には邪魔でしかない掛け布団を足蹴にしてロフトの縁から半分零れさせている体たらくだ。
やむを得ない。
日が落ちたらシーツや布団カバーを引き剝がしてコインランドリーへ行こう。
ついでにドラッグストアで防臭剤を買おう!
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リュックとトートーの中身を次々と洗濯機にぶち込み洗濯をスタートさせた。
コインランドリーに着くまでに既に大汗をかいていたオレはすぐにドラッグストアへ行く気も起らず、フロアーの真ん中に据え置かれたベンチに腰を下ろした。
と、同時にそのベンチの反対側に座っていた若い女性が跳ねる様に席を立ち、おそらくは自分の洗濯物が回っているであろう洗濯機の前に、こちらに背中を見せて立った。
オレってそんなに公序良俗に反するレベル??
確かに……くたびれた上に汗まみれの“元白地”のTシャツは、たるんだ体にピッタリとフィットして肌の色まで透けている。
加えてベージュ色のハーパンから覗く足は“引きこもりホワイト”故に黒々としたすね毛を目立たせている。
まあキモいんだろう!
なのでオレはペナペナのTシャツの裾を掴んで持ち上げ、伸び放題の髪が額にくっ付いている顔をゴシゴシと拭った。
そう、ボヨンとした脇腹を剝き出しにしている訳だ。
そこには……
男子がモテる為の最低条件である“清潔感”のカケラも無い!
でも、言わせてもらえば……背中を向けている“お前さん”!!
ブラ線やパンティラインが丸見えなんですけど。これはみっともなくはないのかな??
ま、自分としては全然構わないんだけど……
汗も引いて来たし、ガン見し過ぎて『変態』呼ばわりされても困るから、オレは待ち時間を埋める為にドラッグストアへ向かった。
この近くにはドラッグストアが2軒有って……各々が『ポイント倍増デー』や『5%割引デー』を設けて、お互いを牽制し合っている。
でもオレが行くのは一択だ!!
なぜって?
そのドラッグストアは……
レジのバイトが皆……ちょっとギャル系メイクのカワイイ子たちで……オレみたいなのにも優しい笑顔で接客してくれて……お釣りを受け取ろうと開いたこの手のひらに、その柔らかい指先が当たっても、笑顔を崩さないから。
そんな“ラッキー”に見舞われた時、オレは“0円スマイル”ならぬ“0円触感”が消えないうちに部屋に持ち帰り、それをネタに布団の中で転げ回るのが“定石”なのだが、今日は洗濯物の回収でそれが出来ない。
これこそ痛恨の極みだ!!
前作に引き続きの“困ったオトコの子”シリーズです(^^;)
お目汚し、申し訳ございません<m(__)m>
でも、
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