第1部あらすじ
【第1章】
隣国の侵略により国を滅ぼされ、祖国のために自害を選んだ王女アリスレーゼ。
彼女は死の間際「来世は平民に生まれて普通に恋をして人生を全うしたい」、そう願って次に目覚めるとなんと日本に転移していた。
建ち並ぶ高層ビルに高速道路を走るたくさんの自動車。ショッピングモールではエスカレーターに驚き、ランチの美味しさは宮廷料理を超越していた。
「日本・・・なんという魔法大国」
そんなアリスレーゼを保護した男子高校生・前園瑞貴は、彼女が魔法を使えることに衝撃を受けたが、自分にも魔法が使えたことにさらなる衝撃を受ける。
「何なんだよ、この力は・・・」
だがアリスレーゼの魔法発動をいち早く感知していた警察庁公安課捜査官の藤間は、彼女が日本各地に出没している未確認知的生命体「リッター」の一味ではないかと疑い、密かに捜査を開始した。
一方アリスレーゼは、瑞貴たちが通う私立明稜学園高等部に転入するも、そのクラスで密かに行われていたイジメにいち早く気づき、正義感の強い彼女は学園の経営者一族である前園家の全面協力を受けてイジメ解決に挑んだ。
【第2章】
クラスのイジメ問題は解決したものの、その背後にいた半グレ集団「MEGA御武倫」を一夜にして壊滅させた前園瑞貴と前園家の強さに世間は騒然となる。
マスコミが騒ぎ立てる中、異世界からの侵略者を密かに撃退していた公安UMA室は、前園家一族の持つ異能の秘密を探るため、瑞貴の幼馴染みで婚約者の神無月弥生を秘密捜査官として学園に送り込む。
そんな彼女と10年ぶりに再会した瑞貴は、目の前の美少女が自分の幼馴染であることに気付かない。
「そう言えば神無月弥生って、近所の小汚いガキ大将だったやつだろ。ずっと男だと思ってたけど、どうして父さんは弥生を俺の婚約者にしたんだろう」
そんな瑞貴たちが向かった修学旅行先の京都では、異世界からの侵略者・オーク騎士団の大軍勢が転移を果たして電車の乗客に襲いかかった。
2メートルを超える強靭な肉体と膂力を兼ね備えたオークが笑いながら乗客を次々と惨殺していく姿に憤った瑞貴たちは、公安UMA室エース戦闘員の神無月弥生から「思念波補助デバイス」を受けると、緊急出動した他のUMA室戦闘員たちとともにオーク騎士団との戦いに挑んだ。
それと同時に、内閣総理大臣の黒川は戦後初の自衛隊による治安出動命令を閣議決定し、現場に展開した対戦車ヘリ部隊がオーク騎士団に総攻撃を開始した。
【第3章】
オーク騎士団を壊滅させた警察と自衛隊だったが、京都市内にオークの侵入を許してしまい、市民に多数の死傷者を出す結果となった。またこれを契機に、日本の主要都市を狙ってオーガやゴブリン等も頻繁に出没するようになった。
最早安全な国ではなくなった日本にあって、UMA室戦闘員の存在は希望の光となり、特に京都のオーク騎士団との戦いで大活躍した瑞貴には国民の感心が集まっていた。
そんな中「黒髪王子」としてアイドル的存在になっていた瑞貴の婚約者に、クラスメイトで社長令嬢の神宮路さやかが決定したと大々的に報じられた。
この婚約自体は前園家と神宮路家によって10年前に決められたものだったが、自由恋愛至上主義者の母親エカテリーナの意向を組んで、瑞貴には高校卒業までは秘密にしておくと言う密約がなされていたのだ。
この結果、瑞貴は高校卒業までに本当に好きな子を一人だけ選ばなければならなくなり、神宮路さやかはもちろんアリスレーゼや妹の愛梨、水島かなで、神無月弥生も瑞貴の心を射止めるため、エカテリーナが主導する「恋愛バトルロイヤル」に名乗りを上げる。
一方、正式にUMA室戦闘員に任官した瑞貴たちは検査のため筑波にある思念波工学研究所に向かった。そこでプロジェクトリーダーの雨宮主幹研究員から、個々の特殊能力や思念波適正値と各種ステータス、思念波補助デバイスを使った戦い方、思念波工学の基礎理論とその裏に隠された古代神話の秘密を聞かされる。
【最終章】
秋も深まり明稜学園は次期生徒会長選に入ったが、神宮路さやかの対立候補である芹沢翔也陣営になぜかアリスレーゼの顔があった。
一つ屋根の下に暮らしながらも選挙期間中はほとんど彼女と会話のできなかった瑞貴は、アリスレーゼがいつしか自分にとってなくてはならない最愛の女性になっていたことに気づいた。それはアリスレーゼにとっても同じことで、恋愛音痴の二人がもどかしいながらもお互いの気持ちを確かめ合うきっかけとなった。
そんな生徒会選挙と平行する形で、自衛隊の治安出動命令を巡って野党からの激しい追及にあっていた政権与党は、度重なる襲撃が全て自衛隊や警察の駐屯地周辺で起きていることを看破されると、国民の反戦運動が本格化して支持率が下げ止まらなくなっていた。
そして衆議院解散総選挙を控えた初冬、明稜学園近くの駅前で発生した襲撃事件で、アリスレーゼの略取を賭けて京都以来の大部隊を率いて攻めてきた召喚士「ヴェイン伯爵」と、瑞貴からアリスレーゼの保護を頼まれた「高校生戦闘員の司令塔」神宮路さやかによる1対1の死闘が始まった。
二人は自分の持つ最強の魔法攻撃、あるいは思念波兵器を全て投入して、知謀を駆使したチェスゲームのような超バトルが展開されたが、さやかはアリスレーゼを守り抜いたものの右腕を失った上に腹部に致命傷を受けてしまう。
現代医学を持ってしても後は死を待つばかりの彼女だったが、エカテリーナの的確な指示とかなでや弥生や仲間たち、そして医療スタッフの懸命の努力によって奇跡的に一命をとりとめる。
意識を取り戻したさやかを見舞いに行った瑞貴は、彼女もまた自分にとってかけがえのない女性であることを深く認識。満身創痍のため自ら婚約者の座から身を退く決断をしたものの、悲しみに泣き崩れるさやかに瑞貴は、高校卒業を待たず求婚した。
だがその夜、警察庁からアリスレーゼに出頭命令が出されてしまい、彼女をグランディア帝国に強制送還されることを恐れた祖父の前園克己は、親友である神宮路蒼天を頼って瑞貴とアリスレーゼを日本から亡命させることを決断する。
警察の目を逃れて、神宮路家の別荘を目指す瑞貴、アリスレーゼ、愛梨、エカテリーナの4人は、愛梨の予知能力を駆使して安全な逃走ルートを選択する。
だが瑞貴たちを追って来たのは、警察ではなくなぜか自衛隊であり、愛梨の予知能力を嘲笑うかのように瑞貴たちの行く手を阻み続け、山中に逃げ込んだところで今度はグランディア帝国騎士団の大部隊が転移を開始してしまった。
八方塞がりの瑞貴たちは、一か八かの賭けに出た。グランディア騎士団を自衛隊の前におびき寄せて両者を戦わせ、その混乱の隙に騎士団を中央突破して反対側に逃げる作戦を立てたのだ。そして最後の力を振り絞った矢先、突然上空に警察のヘリが現れる。万事休すと思われたが、ヘリに乗っていたのは瑞貴たちの父親であり、同時に彼こそが公安UMA室戦闘員の司令塔、小野島室長であることが分かった。
父親に指示されたポイントに到達した瑞貴たちは、そこで仲間たちと合流。さらには、黒川総理以下主要閣僚が次々とヘリから降りてきたことに驚く。実は瑞貴たちは、政府が秘密裏に進めていた「自衛隊異世界派遣計画」に組み込まれていて、今日まさにその計画が実行される予定だったのだ。
そこで父親から様々な秘密が語られたが、中でも衝撃だったのが「瑞貴自身が異世界からの転生者だ」という事実だった。そして幼馴染みの神無月弥生もまた瑞貴と同じ転生者であり、二人が異世界転移のトリガーを引くことで、自衛隊の大部隊とともにグランディア帝国に乗り込むことができるのであった。
その「自衛隊異世界派遣計画」の目的は2つ。
1つはグランディア帝国によるこれ以上の日本襲撃を完全に阻止することであり、そのために帝国が保有する転移基地を全て破壊すること。
そしてもう1つは、日本の友好国として国家承認した「ティアローズ王国」の国土回復と、グランディア帝国を名乗る「テロリスト集団」の排除である。
果たして瑞貴たちは目的を達成して、無事日本に帰還することができるのか。第2部へ続く。
次回から第2部本編スタート
ご期待ください




