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【完結】蘇り地味令嬢と髑髏(しゃれこうべ)令息〜復讐も地味に地道に〜連載版  作者: ジュレヌク
第十二章 セリ13歳

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ルドベキア18歳


「考えてくれたか?」



僕の眼の前で期待に目を輝かせているのは、騎士団長の息子、ソレドール。


どうやら、卒業後の進路の話のようだ。


団長とソレドールは、僕を騎士団に入れたいらしい。


王太子となられたヤブラン殿下を守るんだと、息巻いている。


確かに、ヤブラン殿下は、人格者として素晴らしい方だと思う。


辛い幼少期を経たせいか、とても腰が低く、決して偉ぶる事がない。


かと言って、人に媚びるところがなく、母親であられるカサブランカ妃から引き継いだ美貌は、つい此方が頭を下げてしまう威厳に満ちている。


まぁ、言うなれば、非の打ち所がない人だ。


父上に相談したら、お前の好きなようにしろと言われた。


跡を継いで領地経営を行うのも、まだまだ先。


じゃぁ、何故僕が迷っているのかと言われると、少々男らしくない理由がある。



「貴方が、羨ましい」



これは、ヤブラン殿下が僕に向けて言った一言だ。


最初意味が分からなかった。


しかし、よくよく聞いてみると、どうやらヤブラン殿下は、赤ん坊の頃のセリと会った事があるらしい。


その時、地味な容姿でありながら、何もかもを包み込むような彼女の眼差しと出会い、堪えていた涙を素直に流せたそうだ。


これだけの容姿を持っていれば、僕やセリとは違った意味で、人から注目されてきたはず。


侮蔑の視線を向けられるのも堪えるけど、欲深い者達の値踏みするような目つきに晒されるのも辛いものがある。


だから、空気みたいに自然にそこに存在するセリが、凄く好ましかったんだろう。


そして、そんな彼女に特別扱いされる僕が羨ましいと言う結論に至る。


そんなこと言われて、喜べないだろ?


だって、セリに好意があるって言っているようなものじゃないか。


母上は、考えすぎだと笑うけど、笑ってられない理由が僕にはある。


今年卒業したら、先ずは、騎士団に入っての訓練が始まる。


ヤブラン殿下の警護につくのは、何年も先の話だ。


今までみたいに学園でセリと過ごす時間も後少し。


直ぐに結婚しても良いけど、まだ12歳のセリに、何もかもを諦めて家に入ってくれとは言えない。


そんな事したら、セリの友人である双子姉妹に付け狙われそうだ。


普段大人しいくせに、セリが関わると目の色が変わる。


一回、イモを投げつけられた事があった。


大した威力もなく僕まで届かなかったが、殺気は並々ならぬものだった。


まぁ、あの意気でセリを守ってくれるなら文句はない。


それよりも、一歳年下のヤブラン殿下は、まだ、セリと一年も学園に通う事ができると思うと凄く焦る。


セリが心変わりするなんてあり得ないのは分かっているけど、心配で仕方ないんだ。


悶々とする僕に、弟のホップがアドバイスをくれる。



「ルドベキア兄さん、騎士団に行きなよ。敵は、出来るだけ近くで見張るのが一番だ。兄さんがヤブラン殿下の護衛に上り詰めるまで、僕がセリを守ってあげるから」



目から鱗だ。


そうだ、ホップは、セリと同じクラス。


しかも、何故か、あの双子は、ホップを時々拝むほど心酔している。


どうやら、昔、彼女達の妹を救うのに一役買ったらしい。


こんな近くに、最高の味方が居たじゃないか!



「頼んだぞ、ホップ!」



「うん。まぁ、心配しなくても、普通の人間にセリは見つけられないから」



遠い目をするホップ。


どうやら、動体視力が動物並みと言われる弟の目ですら、セリはなかなか捉えられないらしい。


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