6神室くんと進捗
「ねぇねぇ神室くん」
「なんですか」
「私と神室くんの恋の進捗状況って今どのくらいなのかな」
「……はぁ? 言っている意味がわからないんですが」
「んー、ゲーム? とかの進み具合的な感じで今どこら辺なのかなって」
「……初めの村ってところですかね」
「ええっ! 全然進んでない」
「そもそもあなたは勇者じゃないし、僕もヒロインではないので」
「村人AとBってこと?」
「まあ、そうですね」
「え、なら村からでなくていいね」
「え?」
「魔王倒す理由もないし。そのまま村で仲を深めて、結婚すればオールオッケー!」
「何もOKじゃないです」
「どうして?」
「これじゃRPGじゃなくてシミュレーションゲームですよ」
「と言いますと?」
「いわゆる恋愛ゲーム、ギャルゲーとか乙女ゲーとかっていうやつです。知ってますか」
「一応! そっかー。それならどうすればいいんだろう。好物とかあげれば仲良くなれる?」
「あなた育成ゲームと勘違いしてませんか」
「えっ、違うの? 恋を育むみたいなことでは……!?」
「当たってるようで微妙に違いますね」
「そうなんだ……じゃあ現実でも攻略できないのにゲームでなんて無理な話だね」
「そもそもゲームの話でしたか……?」
「あれ、なんだっけ」
「……はぁ」
――恋の進捗…………20%(隠しゲージ有り)