7話 兎人族の女の子と双子の男の子と女の子
「あの、大丈夫ですか?」
僕は、そう聞いたが
「あ、あなたは誰ですか?」
僕と同じくらいの歳の女の子が双子の子供を庇うように聞いてきた。
その女の子をよくみると、銀色の髪の毛で目の瞳は赤色で兎のような耳が生えていた。
この世界には、人族だけじゃないことが分かった。
それよりやっぱり僕を警戒しているみたいだ。
そう思い僕は優しく自己紹介をした。
「僕は、ショウって言います、この馬車が襲わていたところを助けたんです。いきなり名乗らずにすいません。あの、あなたの名前は、なんて言うんですか?」
「私には、名前がありません。もちろんこの子たちもです。産まれて物心ついた時には、奴隷でしたので」
なるほど、だから彼女達は震えていたのか、ということは死んでしまった、商人らしき人は奴隷商人だったのか。でも奴隷商人が死んだなら彼女達は開放されるのではと思った。
「すみません、奴隷商人らしき人は助けられませんでした。」
「そ、そうですか」
「その人が死んだということは、あなた達3人は解放されるのではないんですか?」
「いえ、この子達はともかく私は奴隷の魔法をかけられてるのでそれに力を抑える呪いもかけられています」
【 名 前 】
【 種 族 】 兎人族
【 年 齢 】 16
【 レベル 】 1
【 体 力 】 30
【 魔 力 】 15
【 攻撃力 】 28
【 防御力 】 16
【 俊敏性 】 42
【 スキル 】 ?
【 状 態 】力制限の呪い 奴隷印
僕は、すかさず、うさ耳の子のステータスを調べたら確かに呪いと奴隷印が付いてるみたいだ。これは、僕なら直せるかもしれない。
「もし、呪いと奴隷の魔法が消せるなら消したい?」
「いえ、そんなことは不可能なので、ですがもし消せるなら消してしまいたいです」
「じゃあ、僕に任せて」
早速僕は、専用スキルで奴隷解除と 呪い解除を取得した。奴隷解除は、5,000呪い解除には、10,000消費した。そして僕は、うさ耳の女の子に奴隷解除と呪い解除を使った。ついでに回復魔法のヒールで3人の傷を癒し生活魔法の1つであるウォッシングで3人の体を綺麗にさせた。
「これで、呪いと奴隷印は消えてたと思うけど、大丈夫?」
「あのどうして、私なんかにそんなことをしてくれるんですか?私は、兎人族なんですよ。それにこの髪のせいでお前は、死神だとも言われました。お前のせいで一族がほとんど滅んだとも言われました」
彼女は、目に涙をためながらそう言っていたが僕にとっては、それだけで差別をする理由にはならなかった。
「僕は、いいと思うよ、その耳もそうだけど、その髪の色も目の瞳も素敵だと思う」
僕が、彼女の事を褒めると彼女は目にためていた涙を流してしまっていた。僕は、慌てて聞いてしまった。
「あの、まだ傷が痛むところがあるのですか?」
「いいえ、私は今まで誰からも必要とされずにいました。ですが今日あなたは、こんな私に優しい言葉をかけてくれたのでつい、すいません」
僕は、泣いていて震えている彼女を落ち着かせるために彼女の頭を撫でた。
「君は必要なくなんてないよ、少なくとも君の後ろにいる双子は、君のことを信頼してるみたいだし」
そう言って僕は、後ろの双子達の事をみて指をさそうとしたが、急に体が重くなって倒れてしまった。