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22話 この孤児院が狙われた理由

「お昼も食べ終わったことですし、さっきの話の続きをしてもらってもいいですか?」


そう、お昼を食べる前に話してもらおうとした時の話の続きだ。

リーナさんとラーファさんは、2人とも頷き話を始めた。


「はい、分かりました。ここまでしてもらって話さないのは悪いのでお話します」


「お願いします」


「ここの孤児院は、最初にあった時も言いましたが見ての通りボロボロで経営も厳しいことは言いましたよね」


「はい、それは聞きました」


それは、ここの孤児院に入った時から何となく分かっていた。


「それでは、本当に本題をお話しますね」


そうして、リーナさんが代表して話をしてくれた。


その内容は、こういうものだった。


たまたま、フォーリナスの街に来ていた貴族の人が、リーナさんの事を見て一目惚れをしたのが発端だった。


そうして、その貴族の使いがこの孤児院に来て、「妻になれば、この厳しい生活はなくなって楽になるぞ」と言われたらしい。


だが、リーナさんは、それを断ったそうだ。


そうすると、貴族の使いは権力を使い無理やり連れていこうとしたところを見ていた人が憲兵を呼びそれで終わったのだが。


だけど、次に来た時は本人が来たらしく、「はやくこい。」と言ってきたそうだがリーナさんは、それも断った。


リーナさん曰く、孤児院の子供達は元々身寄りがなく子供達を見捨てられなかったらしい。


そうしたら、次の日から徐々に寄付金が減っていたようだ、多分その貴族が圧力をかけて寄付金を減らしたのだろう。


「ひ、ひどい」


「うん、これは本当にひどいね」


シャニはそう言った、それに僕も頷いた。

僕は、リーナさん達を少ししか見てないがこれだけは分かる。リーナさんは自分の事より孤児院の子供達を大切に思っているのだろう。


リーナさんは、寄付してもらおうとあちこち行ったのだが、誰も相手にはしてくれなかったようだ。


それで、疲れで体調もだんだん悪くなり今の状況になったらしい。


そして、1回だけ寄付金が来たのだがそれは、その貴族のお金と知らず使ったのだがその貴族は、盗まれたと騒ぎ出した。


それで、お金を返せないなら嫁に来いと言ってきた。それで許してやると言ったらしい。


本当にずるい、ずるすきる!


「それで、お金をどのくらい返せと言ってきたのですか?」


「あの、使ったのは金貨1枚にも満たなかったのですが、お前らは盗んできたのだから少なくとも金貨100枚分は返せと言ってきたのです」


「100枚ですか、それは確かに返せないですね。それで、期限はいつまでなんですか?」


「それが、あと3日後なのです」


あと3日後か期限が短いな。

貴族たちもここの孤児院が金貨100枚を返せないのが分かって言ってるのだろう。

僕の手持ちは金貨30枚はあるけど100枚なんて持っていなかった。

どうしようかと僕が考えていると、シャニは言ってきた。


「ショウさん、わたしの力なら助けられませんか?」


「助けるって貴族相手に実力行使するつもり?」


そんな事をしたら僕達は、全員捕まるだろう。いや、シャニが考えもなしにそんな真似をするはずがないということは、別のことで助けるつもりだろう。

なるほど、そういうことか。


「なるほど、ランクの高い魔物を狩ってその素材を売りお金を稼ぐということか」


「はい、わたしなら多少の魔物ならば難なく倒せると思います」


確かに、シャニの力があれば多少強い魔物でも楽に倒せるだろう。そして、その素材を売れば金貨を100枚集めることも容易いだろう。


だけど、それだけで大丈夫なのだろうか。


今回は多分なんとかなるだろうが。


それだけ、執拗にリーナさんの事を狙っているということは、また何か必ず後でちょっかいを出してくるだろう。


あ、いいこと思いついた。

だが、あえてここてば言わないでおこう。


「うん、それじゃあシャニ、僕も頑張るけど基本的にお願いね」


「はい、わたしに任せてください」


僕とシャニの発言に、リーナさんやラーファさんは、かなり驚いているどころじゃないほど、ビックリしていた。


「いや、これは私達の問題ですよ」


「そうです。元はと言えば私がその貴族様を断ってしまったせいでこうなってしまったのですよ。だから、今から私がその話をお受けになればこの孤児院は助かります。だから·····」


「それだけは、ダメよリーナ」


リーナさんやラーファさんは、自分達の問題だからと断り、そしてリーナさんは、その貴族の話を受けると言ってきたがラーファさんが止めた。


僕としても、それだけは絶対に避けたい。


「ここまで話をしてもらって今更見て見ぬふりを出来ませんよ」


「はい、ショウさんの言う通りです」


「ですが、私のせいでこうなったのですよ」


あくまでリーナさんは、自分のせいだと言ったので、それは違うと思う。これは、確実に貴族の言い掛かりによって出来た出来事なのだ。


「それは、違いますよ。リーナさん」


シャニがそう言った。どうやら、シャニも僕と同じ考えのようだ。


「シャニの言う通りです。悪いのは確実に貴族です。だからこの件は僕達に任せてください」


「たびたび、本当にありがとうございます」


「ありがとうございます」


リーナさんとラーファさんは、感謝をしてもしきれないって言う感じで、感謝をしていた。


そして、僕はカイルとイルナの方をみたがカイルとイルナは、何が何だか分からない様子でポカーンとしていたので簡単に説明をしたら「「助けたい」」と2人とも言ったのでどうやら、僕とシャニ と同じ気持ちみたいだ。


「うん、それじゃあ行こうか」


「はい、ショウさん」


「「うん」」


そうして、僕達は孤児院の外に出た。

リーナさんは最後に、僕達のことを祈ってくれた。


「皆様に神のご加護があらんことを」

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