第五話:若女将☆
ちょっと遅くなってしまい、申し訳ございません。
次の投稿は八月末を予定しております。
《星明り商会》よりレイナとレオナのバンホール姉妹を奴隷として購入。
その後の諸々の手続き……新たな奴隷契約だとか書面確認だとか。
そうした手続きを終えて、ようやく姉妹は久方ぶりに日の光の下に出たわけだ。
眩しそうに目に手を当てる姉妹。
道行く通行人達はそんな姉妹の美しさに視線が釘付けだ。
だが、それも納得だな。
二人は今、あの地下牢に容れられていた時と同じ姿をしている。
うん。目のやり場とか。困るね。
特に姉の方とか。あのケシカランお胸が……。
「あ、あのさ……」レイナが恐る恐る挙手。「これから、どうするんだい?」
野暮ったい口調ながら、その視線が訴えるのは緊張と不安だ。
確かに。
レイナが森人の猟犬、兼情人になる契約だ。
その代り妹は粗雑に扱わないという内容である。
「とりあえず、妹の方は自分で働いてもらう」
レオナの肩を掴む姉の手の握力が強まったのを森人は感知した。
「安心しろ。ちゃんとした働き口をコッチが紹介してやる……そもそも、そうした紹介先が無いと、コッチもアンタらを買ったりなんてしないさ」
姉妹の緊張を解すのも兼ねて、少し大げさにジェスチャーをしてやった。
だが麗しき狼と闘犬のような二人の眼光はまだまだだ。
そんな二人に溜息が漏れつつ、視線で進むと示唆する。
「まずはレオナが働いてもらう店に行って、紹介。そこで姉妹は別れてもらう」
「……あのさ。その、私は妹に会いには行けるのかい?」
「安心しろ。定期的に休日を設けてやる。ただ、俺の狩猟活動によっては先延ばしになる事も十分あり得る。しかしレイナの働きによっては休日が早まったり長くなったりしてもいいぞ」
俺はそこまで非道ではないぞ。そう乾いた笑みで言ってやっても、レイナはまだ警戒を解こうとしない。妹の方はムスッとしている。
「……アンタのその、活動する所はどこなんだい?」
「この都市の商業支配域を構成する、《アソート村》だ。俺はその村で、……アレだな、猟師兼護衛兵力を兼ねた何でも屋だな」
「……元冒険者なのかい?」
「まっ、そんなトコだ」
当たり前だが、都市単体では自活出来ない。
何故なら都市には、都市住民の腹を満たせる耕作地が無いからだ。
では都市とは何ぞや? となると答えは一つ。
都市とは『人間が集まって住む場所』である。
勿論各種職業や商業スペースはある。職人が働く場所はあるのだが、それだけで人の腹を満たすのは難しいのが現状。
職人が働く。人が物を買う。物をやり取りする。しかしそうした貨幣経済が発達しているだけで、食い扶持を自力で確保するのは不得手なのだ。
城壁の外は広いじゃないか。そこを耕作地にすればいいじゃないか。
そうした意見があるのもごもっとも。
だが城壁の外は、城壁内部が手狭になった場合の『拡充予定スペース』だったりする。そんな所を畑にするわけにもいかないだろ?
それにそもそも城壁は『敵(勢力)の侵入の阻止』が目的なので、いざ城壁が活躍するような事が起きれば、まず間違いなく城壁のすぐ傍は滅茶苦茶にされる。
何より周辺は山なので耕作地の確保は難しいし。
それに《マリエンブルク》は戦争時の指揮所の役割もあるので、戦争時になれば周辺から兵隊が大集結する。当然全員が都市内部へは入れません。よって大多数の貴賓以外の歩兵は城壁の外で野営だ。
ならばますます城壁の外は畑になんて出来ません。
ではどうやって人口分の食料を確保するかというと、周辺の町村からかき集めてます。各町村には余剰作物が出るはずなので、それを集めて、売買。結果経済活動も流動して商人も万々歳、という流れだ。
森人のお世話になっているアソート村も、そうした都市への物資提供用の村の一つだ。
「……ふぅーん。冒険者なのかい?」
「まあな。本格的にはドロップアウトしたけど、まだ片足だけは突っ込んでます、な状況だな」
しごく明るく言っているが、現実はそこまで明るくはない。
冒険者は体が資本。病気や怪我で動けなくなったらもう赤字坂道を転がるだけだし、実入りも少ない。社会保障なんて……求める方がおかしいのだ。
そうした中で生活費を切り詰め、貯蓄し、資金を貯めて今後の生活への活動費へと……その大切な金も奴隷を買ったせいでかなり危ない。
「特にレイナの方には頼りにしているぞ。金貨四〇枚は大出費中の大出費。もう余裕なんてありません。生活費がピンチなので、頑張って稼ぐぞ」
「…………」
姉の緊張を伴う視線が痛い。
最悪、生活費を稼ぐために路上で春を売る、そんな手段も考えているかもしれない。
確かにレイナのような眉目秀麗。肉体的に男好きのするようなのなら、しかも奴隷なら、夜鷹として働き、その賃金を主人が徴収する――という手が金儲けとしてなら一番健全だろう。
実際にレイナを目にして、獣人だからだとか、奴隷だからという理由で蔑むより、性的欲求を満たしたいという男に不足はしないはずだ。
だが森人的にそんな、奴隷を働かせてその賃金で主人が楽をする、という古代ローマ式の奴隷の活用法なんて嫌だ。自分が情けなくなってくる。
よってレイナには酷使されてもらわねばならない。
「正直、家には三人分を養う余裕なんて無いのさ。それに、店への顔合わせをした後、レイナは俺と一緒に今後の活動のために武器屋に寄ってもらう。当然主人の自腹だ。そういうわけでまた赤字なので、よって妹の方は自活してもらう。安心しろ。そこは俺の常連場所だし、店主や従業員も古い知己だ」
「ふぅーん」レオ君がようやく口を開いた。「それで、俺が働くのはどんな所なんだよ……」
少女というよりは少年みたいな、冷たい声だな。
こんな年齢差の相手から『お兄ちゃん、大好き!』だなんて言われても困るが――この世界でも後ろに手が回る――森人的にもう少し角を取ってほしかったりする。
「ああ……レオナに働いてもらう予定の店は料理店だよ。名前は……《血潮の林檎亭》だ」
店名を耳にし、ウヘェー、になる姉妹。
だが二人の気持ちは分かる。俺も最初聞いた時は同じだったからだ。
「――で、アタシんトコに来たわけかい」
「まあ、そうなる……」
「そういうのって、もっとこぉー、事前に説明したりとかするもんじゃないの?」
「だって前来た時、『従業員が欲しい』、『足りない』と愚痴ってたじゃないか」
「それはそうだけど……」
店の奥。
カウンター席を間に挟んで向かい合うのは一人の女性。
若い。だがレイナほどではなく、二〇代は確実に過ぎている。
明るい……というか黄色い系の長い茶髪をサイドポニーにして、エプロンドレスにお仕着せ姿。どことなく典雅な顔形は、この地域のモノとは大きく違う。
森人と同じ、どこか丸い印象を相手に与える曲線。
彼女の名前は犬崎翠。
そう、狩野森人と同じ、日本人だ。
こっちの世界へ【蘇生】された当初から変わらない、どこか明るい声と表情。目にした者の緊張を取り払うような、先天的な柔らかさ。
そしてあの特徴的な太眉。ニコッと笑った時に見えるチャームポイントの八重歯。
本当に昔と変わらないな。
学生服姿の彼女と、自分が脳裏へよぎった――しかしそれも直ぐに消える。
「ホントにもぉー……狩野君はそういうトコ、昔から変わっとらんよねぇー」
翠は磨き、水気を拭いていた木製コップを置く。
その動きに釣られ、森人の視線も下へ。八重歯から首、そしてレイナと伯仲する胸の膨らみへと……うむ。本当に昔と何も変わらないな。
「ちょっと待て。今やらしぃー視線、しなかった?」
「そうか?」
「『そうか』じゃないよ。ほんとにもぉー。アタシこれでも人妻よ。しかもピチピチ新鮮の新妻なんだから」
そう詰問するが、顔貌には幸せが溢れんばかりに表現されている。
笑顔を振り撒きながら、見せ付けるように左手を。
薬指にはめられた金色の指輪が眩しい。
「もう何度目かの言葉だが、結婚おめでとう」
「はいはい。何度目かの言葉だけど。ありがとねぇー」
「――で、旦那さんであるルドルフはどうだ? 幸せか?」
「ルー君は幸せだよね? ねっ?」
四つの眼に見詰められ、店内の掃除や準備をしていたルドルフは、どことなく困ったような顔をしていた。嬉しいのか、恥ずかしいのか、答えに困っているようだ。
ルドルフ・メイル。翠や森人より一つ上で、柳のようなほっそりとした見た目が印象的な男だ。
細い体躯に、押しに弱そうな顔貌。
金属のような鈍い灰色の短い髪に、戦士よりも書生のような印象の強い男だ。
「……幸せでなかったら、私、逃げてますよ」
「逃げるのかよ!」と森人
「逃げるんかい!」と翠。
「モリトさんなら、私の気持ちも理解出来るのでは?」
「……まぁ……それなりには」
「おいおいおいおい。狩野君?」
翠は明るく典雅ながら、その内面は暴走特急クラス。
『この中に宇宙人と未来人と超能力者がいたら私の所に来なさい』と叫ぶような女ほどではないが、一度火が点くと〝ドラゴン〟相手でも怯みません。
「……〝大鬼〟と真正面からぶつかりあった事もあったしな」
「それは昔! まだ若かったころの話ィー!」
「「…………」」
思えば……もう昔の話なのだな。
犬崎翠が冒険者だったのも、ルドルフ・メイルとパーティーを組んでいたのも。そして狩野森人がその輪の中に、臨時の助っ人として入っていたのも。
ほんの数年前の出来事なのに、往時のように思えてきてしまう。
翠とルドルフも、森人と同じように貯蓄に精進して、ようやく開店資金まで頑張った結果がこの店――《血潮の林檎亭》だ。
元々は店を持つつもりはなかったらしい。しかし未来や自分の技量、そして好みなどが複雑に絡み合って現在に至る、と。
店の木組みと漆喰の壁による外観は、二階建てで、意外と奥行きがある。
表通りに表面を向けているので、立地条件はイイ方だ。
元冒険者が店を出す事は多いのだが、二人の店はその中でもかなり恵まれている方だろう。それだけ二人は今まで頑張ってきたのだ。
木を彫った華麗な装飾が目を引く表玄関周辺。
面を向いた一階と二階には、まだまだ高価なガラスをふんだんに使った窓が並び、どことなく瀟洒なイメージがある。
しかし荒事の多い冒険者が、集い、活動する都市で、荒事の多い元冒険者が開いた店なのだ。壁や使われている木材は厚く、ヤクザの抗争のような荒事でも十分に対応出来るだろう。
店内はフローリングの床がダンスホールのように広がる一階と、各種居住施設である二階に別れている。一階の食堂には丸テーブルがレストランのように並び、奥にカウンター席、厨房がある。
二階は主人の居住スペースと、臨時の宿泊施設があった。
そんな店内でウェイター風の格好をしたルドルフは、丸テーブルの天板を拭いたり、汚れたシーツを換えたり、椅子を上げて床をモップ掛けしたりと忙しく働いている。
勿論奥さんでもある翠も勤勉に労働を努めているが、やはり尻に敷かれている感は拭えないな。
そうした店内にいるのは、今現在は店側の二人を除けば、狩野森人と、レイナ・レオナのバンホール姉妹だけ。
開店前の準備中にアレコレ対応してくれて、本当に助かってます。
姉妹は一つだけ開店準備を終えた席に着き、出された林檎酒を口につけて注意深く三人のやり取りを観察していた。
「ほんでぇー。二人があのロクデナシに買われた奴隷さんなんやねぇー」
「俺としては立派な社会貢献のつもりなんだけど、な……もうちょっとオブラートに包んでくれない?」
「――却下……」
笑いながら、陶器製の白いカップをカウンターの上に出す翠。
中身は森人の好きな珈琲だ。なお、林檎酒と珈琲は店側のサービスである。
黒い液体に付属品のような砂糖とミルクを足していく。なお、砂糖とミルクは自腹であるぞ。
「……で、どうなんだ? あの小さい方、雇ってくれるか?」
「うぅ~ん。そうやねぇ~……おもいっきり児童労働だけど、まぁ、目をつぶるしかないか……(ボソッ)それに、こっちの世界じゃそれが当たり前のようやぁし~」
皮肉な話だが、昔のフランス――ナポレオン時代――で、子供が働いている光景に心を痛めた発明家がいた。で、子供が重労働で酷使されたり、疲れたりしないよう、出来る限り『労働』を機械で代替出来ないかと机に向かった。
その結果、発明家は望みどおりの物を作る事が出来た。
だがその発明によって、機械システムが労働環境に組み込まれた事によって、逆に子供の労働時間が長くなったり、より大規模な採用に至ったと(大人でなくても生産が可能となり、熟練工でなくてもより大量に生産出来るようになったので)。
そもそも、この世界には司法として奴隷制度が存在している。
労働力としてだけではなく、刑罰として法令の一部に組み込まれている。
奴隷、といったらスパルタや古代ローマ、アメリカの黒人奴隷が有名だが、経済が発展していくにしたがって〝奴隷〟という存在は消えていくのが普通。
スパルタの場合は、国家その物が農業国でより安価で大量の労働力が必要だったのと(彼らは貨幣経済の浸透による農業制度の崩壊を防ぐために、鉄貨を使用していたくらいだ)、アメリカの南部連合もまた似たような理由から北部と対立し、黒人労働力に頼っていた。
ローマ帝国においてさえ、経済性の追求のため、農地での労働力は自由人・小作人を雇いなさい。奴隷は逆に非効率です。という話があったくらいだ。そもそも帝国での奴隷は、ある種の社会的ステータスを誇示するために存在している面が大きく、奴隷がたくさん、イコール、凄いリッチなお金持ち――なのである。
だがこの異世界(わっはっはっ)には奴隷制度がまだ存続している。
一つは人類の宿痾である種族差別のため。
二つに刑罰の一種として――補償金が払えないッ? なら働いて返せッ!
三つに単純に労働力の不足から。
そして最後の一つにして、大きな要因として、《魔法》という超常の御業の存在があった。
例えば奴隷による生産性は高くはない。何故ならどれほど働こうとも、彼らの待遇は改善されないからだ。主人によっては改善したり、〝褒美〟を出す人もいるが、それも運次第だし。ならば真面目に、かつ勤勉に働くなど無意味。結果として手抜きや効率の悪化へと繋がる。
それに対する主人側の対応は、事実上怒るくらいしかない。言葉や拳で言う事をきかせるのである。しかしそれでも限度がある。怪我をすればただ赤字だし、その程度でやる気がアップするわけでもない。
鞭を振る? 生贄として見せしめに処刑する?
そんな事をすればますます効率は悪化する。
だから地球での奴隷制度は衰退、廃止されたのだ。効率が悪すぎて、奴隷主が豊かにならない。食事代がかさむ。逆に動物――馬やロバ――を鞭でいう事をきかせた方がより楽だし、効率が高い。
お馬さんのパワーは偉大なのです。
それにお馬さんは手抜きしたりストしたり、不満も言わないし反乱も起こさない。
だがこちらの世界は魔法で無理矢理いう事をきかせれる。
その魅力はかなり大きいだろう。
だって事実上、一個の意志のある生命を、一つの機械の部品として扱う事が可能だからだ。相手が手抜きしたり反乱しないよう、魔法の力で強制的に従わす。
逃げる事も、反抗も反乱もこれで完璧に封じれる。
それによって各ノルマの強制完了が可能となったのだ。
最初奴隷制度がまだ存在している事を知った時、多くのクラスメイトが憤慨したものだ。だがそれも一時的な事。
冒険者として、この世界の一部として暮らす内に、今まで自分が抱いていた理想や正義など、所詮は夢物語でしかない事を、嫌でも理解〝させられた〟からだ。
中には未だにそういう活動をしている者もいるが、もう大多数の元クラスメイト達は、自身の無力さを糊塗するため、奴隷や奴隷解放という存在を無視している。
だから狩野森人はバンホール姉妹を奴隷として購入したし。
犬崎翠はそんな奴隷を雇用しようとしているのだ。
生きて食っていくという現実の前では、綺麗事など言ってられない。
「まぁ、ええよ。この新妻戦士、翠お姉ぇーさんにまぁっかせなさぁーい」
「よっ。タイショー」
翠の手の中でベキッと割れる木製コップ。相変わらず力あるなぁー。
「タイショー、じゃないでしょ。アタシ……」
「……そうですね……」
どこか夜叉のような笑顔の奥様に、森人だけではなく、……思う所があるのか旦那さんもみるみる顔を蒼くしていった。
「そんじゃ、自己紹介をしてみましょぉー……アタシの名前は、メイル・犬崎・翠よ。よろしくねー」
保育園のお姉さんのような柔らかさで翠は手を振りつつ笑う。
「それじゃあ、君のお名前、教えてくれる?」
「………」かなり迷っているようだ。「レオナ。俺の名前はレオナ・バンホール。普段は、レオ、で通している」
時折チラチラと姉の方を見ながら、レオ君は挨拶した。
そして忙しなく、キョロキョロとルドルフや、翠の顔を窺っていく。
「やぁーん。俺――だって! カワァイイー!」
急に響く渋谷にいそうなギャルの如き叫びに、レオナはビクッと両耳を震わせた。
何かマズったのかも、と……かなり緊張し始めたぞ。
目をキラキラさせながら、新妻はカウンターの奥から出てくるとレオナの近くまで急接近。
「ふぅーん。レオ君って俺っ娘なんだぁー。いやぁ~ん、ムスッと顔を下に向けるの、反則~~~っ」
スポーティーな元気っ子な顔がみるみる真っ赤になっていく。
どうやら普段は噛み付くような闘犬スタイルだが、急な攻勢には弱いらしい。
「良し! 採用! ケッテェー! レオ君は雇います! つぅーか逃がさない~」
「……俺が言うのも何だが? ……旦那さんはどうなんだ?」
「あぁー、あー、そうですね……ミドリが決めたのなら、私が口に挟む事ではないですね。そもそも、ミドリが止まるとでも?」
「うっわぁぁ~……尻に敷かれてますな。旦那さん」
「ですけど、ミドリのお尻は柔らかく、程よい重さで――」
「――UUURAAAAAAAAAAAA――!!!!!」
新妻さんが椅子を両手で持ち上げ鬼のようになったぞ!
というわけで、新人メイドのレオ君の最初の任務は、鬼女のような若女将を宥める事になった。
・犬崎翠(いぬざき・みどり) イメージCV:豊崎愛生
キャラクターイメージ:『ゆるキャン△』の犬山あおい
元日本の高校生で、異世界へ【蘇生】された生徒の一人。
異世界への蘇生前は、学校ではおとなしい文学系と、人付き合いの得意な明るく社交的な、二つの属性が混ざり合った稀有な存在だった。こっちの世界へ来てからはいろんな意味ではっちゃけ気味。
蘇生前より、クラスメイト内で数少ない狩野森人の『仲間』。
冒険者としての活動中、仲間の死による責任追及と、不満のはけ口に、森人に対して激しい感情を見せたクラスメイト達を見限り、森人脱退後、彼女もクラスメイトの輪より離脱。
その後持ち前の交渉力と明るさで、他の冒険者パーティーに参加。
現在夫であるルドルフ・メイルとはその時に出会った。
現在二五歳。ルドルフと結婚しており、本名の一番最初に夫の姓を記入している。そのためこちらの世界では『ミドリ・イヌザキ・メイル』表記となる。
昔は森人とも――男女的な意味で――『仲は良かった』が、現在は夫であるルドルフ一筋。これにはクラスメイト達を見限った森人が、あえて翠とも距離をとった事に由来する。
かなりの巨乳キャラで、今ではかなりアクティブな性格になっている。
いろんな意味で『強権』を発動させる女傑。
主力武器はマジック・アイテムの一種である、金属製メイスの【血潮の林檎】
現在得ている【職業】は【神官戦士】、【料理人】、【細工師】
・【神官戦士】:回復や防御など、後衛系の活躍しか出来ない【神官】を、戦士として前線で戦う事が出来るようになる職業。《魔法》の類は相変わらず発動出来ないも、その分戦士系の職業なので肉体の強化補正は高い。
*《奇跡》と《魔法》について
:神官系の職業持ちが、敬虔な心で神へ祈り、神との見えないパスを繋げた結果、神様より『使っていいよ』とOKを貰ったり、神より与えられた祝福が奇跡。奇跡の代償は精神力の損耗→一日の使用回数の制限に、魔法の使用の不可。
【魔法使い】や【魔女】といった職業持ちが、己が体内魔力と外部との魔力をコントロールした結果発動出来る頂上の御業が魔法である。そこに信仰心は必要なく、膨大な魔力と、それらを上手く操れる才能が必要。
・【料理人】:文字通り料理に関して補正が発動。食材の持つ味や効能を有意義に利用した料理を作る事が可能になる。新妻戦士憧れの職業でもある。
・【細工師】:手先が器用になり、裁縫や、木彫りなどの補正あり。応用として絵画や彫刻などの芸術面も上達する。