第1話 ハムスターになるまで
こういう話ありそうですよね
被ってたらすみません
「う、うーん…」
気がつくと俺は、真っ白な空間に一人、
つっ立っていた。
辺りを見渡しても何もない。
俺は何をしていたのだろう、何も思い出せない、えーっと…
「あっ」
そうだ、俺、死んだんだ、
何で死んだんだろう。
というか、なぜ死んだのにここにいるんだ?
まだ意識があるということは、余程未練が残っているのだろう。つまりは、殺人?人に殺されたのか⁉︎
「さっきから何を考えてるんですか?被害妄想にも程がありますね。」
えっ、誰?
目の前には、顔面偏差値カンスト気味の
美少女が引き気味の笑みを浮かべて佇んでいる。
「あ、あのーすいません、どちら様です?あ、あとここは…」
その美少女はその笑みを保ったまま答える。
「私は、貴方がいた世界を司る神です。
そしてここは、別世界へと繋がる場です。」
なんだその厨二病臭いの。
神?そんなの信じられるわk美少女だからセーフですね。はい。
「そ、それで、俺はどうなるんですか?」
「はい、貴方にはこれから別世界へと転生してもらいます。拒否権はありません。」
別世界か…まさか、危険な世界じゃないよな…
「ちなみに、その世界ってどんな世界なんですか?あ!あと、俺の死因も教えてくれると嬉しいのですが…」
その神様は、少し申し訳なさそうな面持ちで
「非常に危険な世界です。簡単に申し上げますと、人類と魔王軍が戦っていて、常にどこかで戦闘が起きていると言った感じです。」
そ、そんな世界に行くのか…
そして神様は、さらに申し訳なさそうな顔をして俺の死因を伝えた。
「あ、貴方の死因は…マンホールの穴に落ちて溺死、です…。」
えっ、ダサっ、
つまり俺は、マンホールに注意不足で落ちて、その未練からここに来たってことか…いやダサっ、あまりにも酷すぎるだろ…
「そ、その、悲しいのはわかりますが、こうなった以上、もうどうしようもないのです。だからこそ、次の人生をしっかり生きてください。」
そう言っている神様の肩が少しピクピクと震えて、先程より口角が少し引き上がっているのを俺は見逃さなかった。
しかしそこにはあえて触れない。
「改めまして、この転生は、転生する対象、転生時の付属の能力、ステータス、全てランダムです。転生後に戻ってくることはできません。しかし、転生後五分間、私と意思疎通が出来ます。その後は一ヶ月に一度一時間ほど私と意思疎通が出来ます。ちなみにこの転生は貴方が初めてで、貴方より前にした人はいません。」
ナニソレコワイ
「え、じゃあ失敗も可能性としては…」
「そうですね」
「えちょーーー」
「それでは時間です!良い転生先になる事を祈ります!いってらっしゃい!!」
その途端、目の前が真っ白になった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
光が少しずつおさまってくると、
辺りの光景が少しずつ見えて来た。
するとようやく気付いた。
さっきから、犬に上から睨まれていることに…
「うわぁああぁあぁぁあぁ!たすけてぇぇぇえぇえ!」
「あ、無事転生が終わったようですね。」
「今が無事じゃないんですよ!!アアァァアァア!食われる!!食われる!!」
そう、すぐそこまで犬の顔が近付いているのだ。
「やれやれ、仕方ないですね。
かみさまぱわー。これで大丈夫ですよ。」
かみさまぱわー。により犬は泡を吹いて倒れた。
「あ、ありがとうございます」
「それより」
あ、それより…
「貴方の転生先、ステータス、能力がわかりました。」
「な、何ですか?」
まぁ、さっきから転生先は分かっているが、
「貴方の転生先はハムスターです。ステータスは全能力平均程度、特殊な力は無いですね。ドンマイです。」
いやドンマイと言われても…
「ま、まあ、可哀想なので、いつでも貴方と疎通できるようにしておきます」
いや、その、ハムスター、ハムスター?
えぇ、それって転生した意味あるの?
すぐ死んで終わりでしょ!
「ま、まあ、頑張って下さい」
無理に決まってるだろ、
もう、泣いちゃおっかな…。
毎回二、三週間間が空きますが、
責めないで下さいお願いします