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1話 転生した人このゆびとまれ!



『ピリリリリリ、ピリリリリリ』

 俺の部屋に鳴り響いている、目覚まし時計。眠気がある俺の感覚。騒いでるような木の葉の音。

 …ん?俺の家は東京のマンションだぞ。木の葉の音なんか聞こえるわけがないんだけどな…。


 目をこすりながらおれは目覚まし時計を叩く。

『カチャ』

と音をたたせる長い棒。

 …ん?長い棒だと?これはおかしいだろ!

 俺は驚き、飛び起きて自分が叩いたものを見た。


 俺の手の下にあるのは、日本刀だった。

「えーと…」

 言う言葉が見当たらない。待て待て落ち着け、一つ一つ思い出していくんだ。


 名前は(にち)(まる) (たける)・年齢は17歳・高校2年生・誕生日は6月18日・好きな食べ物は魚料理・好きなことはゲーム・昨日はいつもどうり朝は制服を着て登校・朝〜夕方まで学校・家に帰ってからは少しだけ勉強してから夜までゲーム・夕飯食ってから風呂に入って深夜2時までゲーム・睡眠・その後…


 ダメだ…全然思い出せん、意味が分からん…。俺、日本刀とか買った覚えすらねーし。竹刀を握った覚えすらねーよ。

 服装だけは普通にジャージなんだけど…。というか、さっき『ピリリリリリ』という目覚まし時計の音が聞こえたんだけど、ここには目覚まし時計なんてないんだけど、

『ピリリリリリ』

 また聞こえた。でも、どこにも、

 その時、木陰の方から角が生えたウサギがでてきた。RPGの森でよく出そうなやつだよ。

「ん、なんだこいつ、可愛いじゃんか…」

 俺がそのウサギを撫でようとしたとき、また『ピリリリリリ』と音がした。


 ウサギの口から。


『ピリリリリリ、シャア-――!』

 ウサギの目が紅くなった。


 状況理解。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」

 やばい、あのウサギやばい奴だ、初期場所から800m走ってるけど、あのウサギ殺気が全然収まらねぇんだけど。


 現在の俺の状況確認

・訳の分からない場所にいつのまにか移動

・目覚まし時計=日本刀

・うさぎ=殺人鬼

以上

結論:死にそう


 俺の片手には、今、日本刀を持っているのだが…、これで戦えと。

 あの、おっかねぇウサギと戦えと。

『シャーーー!シャーーー!』

 もう、最初の可愛い鳴き声出してねぇじゃん。

 ずっと蛇みたいなこえしか出してねぇよ。


「チッ、ヤルシカねぇな!」

 俺は片手に持っている日本刀を両手で持ち、鞘を捨てるように刀を抜く。

 その瞬間、刀の刃から物凄い突風が吹き荒れ、俺の周りを囲うように竜巻が出来上がる

「く、くぅぅぅぅ」

 その風に俺が吹き飛ばされそうになる。

 自分が出した(故意じゃないけどな)風に吹き飛ばされるとかマヌケか。

『シャァァァ!』

 ウサギが竜巻に吹き飛ばされ、木に直撃する。

「うぉぉぉぉ!」

 もうどうなってもいい!

 思いっきり、足に力を入れ、ロケットスタートを切りだす。

 すると、思ったより簡単に竜巻を切りだせた。

 あれ?俺、東京じゃあこんな運動能力なんて、皆無だったんだが…。

『シャァァァ!』

 体制を立て直したウサギが角を刺そうと、俺に飛んでくる。

 

その時、俺は無我夢中に刀を振った。その刀にウサギは見事ヒットして、ウサギを顔から真っ二つにした。

「あ、当たった…」

 とりあえず、一安心、と思った。

 しかし、あんな狂暴なウサギがいる場所だ。それだけで終わるわけもなかった。


 俺が刀を振った剣筋に沿う形で暴風が吹いた。


「ぐ、ぐわぁぁぁ!」

 その暴風で地面が『ガガガガ』と激しい音を立てる。それに伴い、土埃が大きく舞う。

 くっそう…前が全然見えねぇ、それどころか眼すら開けねぇ。機能するのは激しい音を捉える耳だけ。

 落ち着け、素数を数えるんだ!

 え〜と、一、十、百、千、万丈目サ●ダー!


 よし、落ち着いた。

 全く…オタク用語は最高だぜ!

 

 まぁ、ボケは置いといてだ。

 今の俺が起こしてきた事を冷静にまとめてみたら、普通におかしい。

 

 この刀から出された旋風は勿論の事、俺の運動ステータスは正直いって弱小だ。

 小学校の時の徒競走で俺が出たら、敵が嬉しそうな顔をするほどだ。

 そんな俺が800mも速度が落ちずに走れたり、竜巻を貫いたりと超人ステータスを出してきた(特に後者)。

 その上に何故か俺は無意識的に刀を使うのが上手くなっていた。

 

 まぁ、大抵どうしてこうなったかは想定済みだが…。

 

 いつの間にか、俺の耳から激しい音は消えていた。砂埃はまだ少し覆っていたが、眼を開けることもできるようになっていた。


 そして、俺は思った。

 俺に一安心する暇もないのかと。


 地面に隕石でも落ちたのではないかと、思わせるような巨大な穴がポッカリ開いていた。

 クレーターだ、クレーター。


 そして、何よりやばいのはいつの間にか包囲されていた。

 様々な武器を持ったダークエルフに。

「侵略者を包囲しろ!」

1VS50か…。








初めての掲載緊張するー

不定期更新ですけど、よろしくお願いします

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